四声について

四声といっても中国語の発音の話しではありません(笑)。
スコアの読み方が分かりません。という話しをよく聞きますし、スコアの読み方なんて本が売られているくらいなので、これは特殊な話しかと思いますが、私はそうではないと思っています。
もちろん表現をする上でのスコアリーディングならば、それは作曲の技法について理解していないといけないでしょうし、和声や対位法、管弦楽法も知っていないと、「何がいいたくてそう書かれているのか」は理解出来ないでしょう。
でも、今日の話しはそんな小難しい話しじゃないです。
基本的に音というのはそんなにいっぱいあるわけじゃないんです。基本的にはドからシまで7音だし、プラスして5個の黒鍵分で12音しかないと思って凄く乱暴にいえば、言えちゃうんです。
そして試しにキーボードでもピアノでもいいですから、12個全部鳴らすと当然吃驚するような和音が鳴るんです。
因みにアマオケでも「不協和音出しちゃってすいません」的な話しをする方が多いのですが、音程がずれているのと不協和音とは全く別なものであることは書いておきますね。
さて、和音ということでいうと、まずは誰でも3和音はご存じでしょう。例えばドミソ(中居君が良くやっている奴です(笑))。これはC-durの主和音です。協和音ですね。7thのコードにするということで、シを加えるとドミソシになりました。
これで12音のうち4つ使いました。1/3です。ここから9番目のレとか11番目のファとか使おうと思えば使えるんですが、段々音が濁ってきます。オケをやっていると、特に管楽器の人で自分の音が周りとハモらなくて「合っているのかなぁ?」と思うことがありますが、作曲は綺麗な協和音だけで曲を作ってるわけではないのです。
不協和音を利用して音に色を付けていくわけです。
とはいえ基本的には3声か4声くらいで古典派の曲は作られているわけで、スコアを見て20パートもあるからといってそれぞれのパートが全く勝手な音を出すわけではないし、出せない仕組みになっていることはもうご理解頂けたと思います。
混声合唱団だとパートが4つにわけられていて、ソプラノ、アルト、テノール、バスとなっていることがありますが、基本的にはオケもそんなもんです。ワグナーなんかで5声や7声の複雑な曲もありますが、例えばベートーヴェンの7番の最初はラとド♯とミの3つの音しか鳴っていないんです。
スコアを見る時の最初のポイントは「その時なんの和音なのか?」という点だと思います。全部で何声あって自分は何番目の音を担当しているのか?そこを理解していけば、音程も取りやすいですし、役割を理解する一助にもなるでしょう。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。