初見大会

申し訳ございません!と楽員一同で土下座したのは生まれて初めての経験でした(笑)。
作曲家本人を目の前にしての初見大会でしたが、それはまぁ、悲惨な初見大会でした(笑)。
小田倉さんは穏やかな方で怒り出されることはありませんでしたが、あの演奏ではモーツアルトもチャイコフスキーも激怒すること間違いなしですね。
しかし、私は演奏が悲惨だったことはあまり問題視していません。
そもそも、何故初見演奏をするか、というと、それは「楽譜を読む力」を養うためで、楽譜を読む力を短い期間でつけるには初見演奏にかなうものはありません。
初見演奏ですから出来なくて当たり前です。そこをまずは基本として、自分がどれくらい楽譜が読めるか、どれくらい自分の楽器を使いこなしているか、それを測りつつ鍛えるのが初見演奏です。
ですから、逆に「出来ないんだもん」と開き直って、音程は適当、音符の長さも適当、休符も休みも数えないなんて人間は何回初見やっても上達しません。
私が残念だったのは演奏がバラバラだったことではなく、「楽譜に食らいついていこう」というガッツが見られなかったことです。落ちたあとにヘラヘラしている暇があったら、周りの音を聞いて、楽譜を睨みつけて必死に戻れる場所を探さなくてはいけないのに、それが出来ている人が少なかった。
これが残念なんです。
もっともっと楽譜に対して真剣に、真摯に、誠実に向かい合うようにしないと、ただ音を出しているだけです。ただ音を出すことは演奏といわずに「騒音」というんです。
うちの楽団は技術は問いません。分かりやすくいうとヘタクソです。ヘタクソですが一生懸命やるからうちの楽団の存在価値があるんです。ヘタクソがチャラチャラやっているだけなら、それは音楽に対する冒涜です(それでなくてもうちの楽団はそう思われているんですから)。
楽譜を読む。もう一度この言葉の意味を楽員一同考え直してみましょう。

アバター画像

About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

BPO第141回練習報告 2009年05月09日 文京区立文林中学校

今週のスケジュール(途中休憩は適宜挟みます)

12:10 東京メトロ千代田線 千駄木駅 
    2番出口地上 道灌山方面集合(見学者は任意)時間厳守
12:30 文林中学校入校 音楽室は4階になります。
    直接中学校へ来られる方は必ず12時半以降に入校してください。
    それ以前は絶対に絶対に入らないでください。
12:45 ミーティング
13:00 楽譜配布
13:30 大初見大会
17:30 完全退館
18:00 食事会(短時間でもいいので参加してください)
    今週はふく膳でアンケート回覧とDVD臨時鑑賞会を行います。

練習参加者38名(食事会参加は24名)

ミーティングの連絡事項
・第5回定期演奏会は10年01月09日(土)日本大学カザルスホールに決まりました。
・毎週水曜日に楽団の通信がメールで行っていない人は速やかに申し出てください。また、正団員で「Grupu(グルップ)」の連絡が行っていない人も同様に申し出てください。
・正団員になる方は面談を5分から10分程度行います。楽団に対する要望や、お考えなどを聞きますので、考えておいてください。

出席重視

今日、日本大学カザルスホールで演奏を聴いてきました。本当にいいホールで、あそこで演奏できるのがいまから楽しみでなりません。
さて、カザルスホールはそれほど大きなホールではありません。ステージもそれほど広くありません。管楽器ばかりか弦楽器にも「降り番」が出る可能性があります。
今週土曜日から新しい09-10シーズンが始まることもありますし、ここで改めて確認しておきます。
うちの楽団に対する最大の貢献は「練習に出席すること」です。それ以外にはありません。
新しいシーズンの演奏会の乗り降りに関しても「出席」を最大限に考慮して決めます。例えば前プロに2パート、中プロに2パート、メイン+アンコールに2パートあるとして、全部で6つのパートがあるとします。
これを例えば3人いるパートは均等に一人2回の出番があるわけではありません。出席率が低い人がいれば1回しか出番がないかもしれません。この点は再度書いておきます。
よその楽団と掛け持ちをしていても結構ですし、仕事や学校が忙しい方もいらっしゃるでしょう。ですから出席しないことを咎めだてはしませんが、それが故に出席に偏りがあれば、うちの楽団の練習としては滞るわけです。
毎週練習に出てくる人にパートを割り当てますし、1回でも多く練習している人と本番を迎えることが演奏レベルの向上につながることはいうまでもありません。
毎回毎回の練習を大切にしていきましょう。それが大方針です。

アバター画像

About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

第四回定期演奏会

第4回定期演奏会が終了しました。
1年間に2回の演奏会というのはうちの楽団にとっては決して楽なことではないのですが、それでも私はこれくらいのペースでやっていくことで楽団としてのレベルが絶対に上がっていくと信じています。
今シーズン、うちの楽団は通常の練習の前に弦楽器と管楽器に別れてパート練習というものに重点を置いてきました。普通のオケなら当たり前のことでも、うちのオケはトレーナーなどがいないのでいままで指揮者一人では出来なかったことです。
パート練習は目覚ましい効果を上げて、うちの楽団は昨年よりもこの1年で技術的にまた、オーケストラとしてのまとまりが著しく進歩しました。この果実が本日の演奏会であったと私は断言できます。
実は今日の演奏会、いままでの演奏会で一番「楽員がとっちらかった」演奏会でした。普段ならやらないようなミスを連発し、落ちないようなところで落ちて、出来ているところで音が詰まる。
楽員個人個人にとってはちょっぴり苦い演奏会だったかもしれませんが、間違いなく今回の演奏会の演奏はまとまっていましたし、それぞれの曲は本番が一番いい演奏でした。
それぞれの曲について個人的な所感を書いておきます。
フィンガルの洞窟
私はやっぱり序曲は怖くて、安全運転をしてしまいました。こういう私の迷いと言うか弱気が楽員の皆さんに見透かされてしまったのかもしれませんね。
ハイドン45番告別
どうしてもやりたかった譜面灯の演出ですが、ビデオを見る限りはちょっと幽玄過ぎたかもしれません(笑)。もう少し明るくて貴族の食卓感が出ているともう少しリラックスできたかもしれません。
それと、暗くなって視界が狭くなると、演奏者はテンポが遅くなる、というのもいい勉強でした。あ、それと2楽章の繰り返しはやっぱり「やめる」という決断をするべきでした。反省しています。
シューベルト4番
アンケートでは一番評判の良い曲でした。私自身すごく達成感があります。この曲についての最大の仕掛けは「楽員のレベル向上」にありました。実はいままでの演奏会は常に管楽器のトップ奏者がメインの曲を演奏するという不文律がありました。
しかし、今回フルート、オーボエ、クラリネット、トランペットのトップ奏者はフィンガルに回ってもらい、それ以外の方にメイン曲のトップをお願いしました。
この「メイン曲のトップ」というのが演奏者にとってどれほど意味があるのかは、オーケストラをされたことがある方にとっては容易に理解できると思いますが、憧れでありプレッシャーであり、そうした思いによって引き出される練習が必ず奏者のレベルを上げてくれるんですね。
この曲を通してうちの管楽器がパートとしてレベルアップしたことは間違いありません。また、特筆すべきはセカンドヴァイオリンのレベルアップです。
うちの楽団のセカンドヴァイオリン奏者はほとんどが大人になってから楽器を始めた人で、楽器のキャリアで言うと平均して3年から5年といったところではないでしょうか?
それくらいのキャリアでオーケストラの曲を演奏するのは並大抵のことではありません。しかし、指揮者に「へたくそ」と言われ、合奏中に何度も捕まってもセカンドヴァイオリンパートはあきらめずに、地道に練習を続けてくれました。
フォルテは残念ながらまだまだですが、ピアノやピアニッシモの表現は昨年と比べると子供と大人ほどの差があると思います。
さて、アンコールのフォーレのパヴァーヌも私がどうしてもやりたかった曲です。
この曲もフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンに難しいパートが回ってきますし、ヴィオラとチェロにもやりがいのあるオブリガードがあります。
これはフォーレの優れた管弦楽法によるもので、この点ではハイドンやシューベルトも遠く及ばない点だと思います。いままでの古典派とは違い、優れた目と耳が要求され、音楽家としての見識が問われる曲だと思いますし、何よりもフルートとホルンには「勇気」の試される曲だと思います。
多少傷はありましたが、うちのオケらしい素晴らしい演奏だったと思います。
アンコールは華やかにという意見もあるとは思いますが、私は余韻を味わうためにもこういう選曲でどうしても締めたかったのです。
とにかく、今回の演奏会。本当に演奏自体は良い出来でした。運営面で大きな課題がありますし、演奏会を進めるにあたって文吹のスタッフの経験と機転と方法論に大きく助けられたのは事実です。
これを一区切りとして、まだまだ成長していきましょう。音楽が楽しくなってくるのはこれからですから。

アバター画像

About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。