指揮者の腕

指揮者の腕と言っても技術という意味ではありません。
指揮者って激しい曲を演奏しているときとスローな曲を演奏しているとき、圧倒的にスローな曲を演奏しているときの方が疲れるんです。
チェリビダッケなんかはものすごくゆっくりなテンポで振ることで有名な指揮者ですが、歳をとって運動能力が低くなったからゆっくりになったのではないはずです。
激しい曲とまではいわなくても快速の曲を振るときというのはある程度腕に反動もあるので、振っていること自体にストレスは感じないものですが、スローな曲というのは常に自分の腕を自分の腕の筋力で支えなくてはならない訳です。
これだけでもずいぶんと腕に負担がかかるものですが、その上、演奏をゆっくりコントロールするというのはそれだけ時間がかかる訳ですから、腕の負担は早い曲の何倍も、何ですね。
最近は、コンサートテンポで練習をしていますが、シューベルトの2楽章や、ハイドンの2楽章を振っていると本当に腕が痛くなってきます。
こればっかりは、どうしようもないと思うんですが、痛くならないいい方法ありますか?

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元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

指揮者 家田厚志

私は楽員の演奏会にはあまり足を運ばないようしているんですが、今日は首席コンサートマスターの演奏会に行ってきました。
コリオラン序曲、メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルト、ベートーヴェンの交響曲4番と言う私の好きな曲が3曲並んだせいもあるし、コンチェルトのソリストが松本蘭さんという超美人だから、というのもありますが、最大の理由は指揮が家田厚志先生だったからです。
私は専門の音楽教育を受けずに指揮者になってしまい、自分で色々本を読んだり、DVDを見て勉強したりしたいのですが、やはり壁にぶち当たり、2005年頃に自分の楽団を立ち上げる前に指揮を習いたいなぁと思っていました。
しかし、素人に指揮を教えてくれるところは殆ど見つからず、途方に暮れていました。「音大の公開講座とか探してみれば、確か芸大とか毎年やってるよ」と教えてくれた友人がいて、芸大のサイトを見に行ったのですが、その年の申し込みは終わっていました。
他の音大を探していたら、東邦音大がエクステンションセンターと言う社会人向けの公開講座で指揮法講座を開き、その講師が家田先生だったのです。
私は公開講座がどんなところか知らなかったので、申し込みには結構悩みました。音楽の素人がそんなところに行って、呆れられたり、バカにされたりしないだろうか?と。私はそれくらい日本のアカデミズムに対して偏見を持っていたんですね。
しかし、バカにされたり、仮に怒鳴られたりしても殺されるわけではないから、それはそれで指揮者としていい勉強になるだろうと思い、申し込みをしました。
東邦音大は当時の家から歩いて行けたんですが、行く前は緊張しました。指揮棒を持ってこいと書いてあったので、多分指揮をさせられるでしょう。音大生の前で指揮をするなんて恥をかかされるだけです。
ところがそんな緊張をあっという間に吹っ飛ばしくれたのが、家田先生の笑顔と軽妙なトークだったんですね。
私は指揮者というのは気難しい芸術家で、自分より不勉強な人を不機嫌に罵倒するものだと思っていましたから、その気さくな人柄にすっかり魅了されてしまいました。
さて、前プロのコリオラン序曲はうちのオケの第1回定演の前プロでした。隅々まで勉強した懐かしい曲です。家田先生の指揮はまるで力みがなく、それでいてしっかりフォルテがでる、4年前に見たあの時のまま、全然変わらない指揮でした。
変幻自在、天衣無縫、緩急自在、輪郭のはっきりした、楷書体の端正なベートーヴェンでした。しっかりと踏みしめるように曲を進めて行くのは、先生のユニークな人物像から見ると正攻法過ぎるように感じましたが、圧倒的にベートーヴェンでした。
オケはフォルテがしっかりしているのに比してピアノやピアニシモの音が大きかったこと。ダイナミクスの幅広いことがいいオーケストラの条件としている私としては少し残念でした。
中プロのメンデルスゾーンは、流石のソリストに対して、時にリードし、時にピッタリ付ける名人芸を見せてくれました。コンパクトなオーケストラが全力で指揮とソリストにつける様は小気味よくもありました。
メインの4番は私の好きなチャーミングな曲で、クライバーの名演が印象に残っています。家田先生はコリオラン同様、しっかりと踏みしめるようにこの曲を進めて行きました。
ちょっとテンポが私の好みより遅いな、とは感じましたが、終始一貫、徹頭徹尾ベートーヴェンとはこう振るんだ!と言う先生の強い意志を感じました。
終演後、満場の拍手の中、スコアをまとめて、お猪口を傾ける仕草をして「今日はおしまい、これから打ち上げに行きます、皆さんも飲みに行ってください」と満面の笑みとともにジェスチャーで観客にパフォーマンスするのも家田先生らしくて楽しかったです。
私は指揮者として、というよりも人間として家田先生の様な指揮者になりないと強く思った一日でした。

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指揮者ってば(笑)

今朝放送していた「題名のない音楽会」ご覧になりましたか?
私は途中からだったのですが、ベートーヴェンの運命のテンポや冒頭の振り方について色んな指揮者の比較をやっていました。ブーレーズが一番遅くて、小澤征爾が一番速い、みたいな違いも面白かったですし、冒頭の振り方の違いも大変勉強になりました。
しかし、一番面白かったのは、スタジオでコメントをする司会の佐渡さんと沼尻さん、金さんは生粋の指揮者で、誰々の指揮は分かりやすいとか、見やすいとか言っていたのですが、元々オーボエ吹きの宮本さんだけは「悪いけど、あんなのどれも全部分からないよ」とズバッと一刀両断にしたのです。
宮本さん天晴!と思いましたよ(笑)。
私も元々トロンボーン吹きで、指揮者のやっていること分からなかったから指揮の勉強をして、不思議な縁で指揮者をやっているわけです。
題名のない音楽会の4人の指揮者が言っていましたが、指揮者がいくらオーケストラと話し合ってこういうテンポで、ここはこうやろうと相談しても、演奏者が本番で裏切ることはよくあることですし、そういうメンタリティは私もよく分かります。
指揮をする人間からすれば、指揮法というのがあって、上手な指揮者と下手な指揮者がいるのはある程度共通認識が出来ますが、翻って楽団員から見た指揮者像というのは一致するでしょうか?
答えはNOだと思います。
楽団員からすれば、100人いれば指揮者の好みも100通りだと思う方が正解だと思います。
今日の題名のない音楽会の企画もっとやってくれないかなぁ。

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指揮者として目指すところ

「拍が分かりにくいんですが…」と楽団員に言われました。
指揮見てもらっているんだ(笑)、という笑えない感想を第一に持ちましたが、うちの楽団員で「指揮通りに演奏しよう」という意識、「指揮にピッタリつけてやろう」という意識を持った楽団員がどれくらいいるのかは、確かに疑問です。
さて、拍が分かりにくい件、シューベルの4番「悲劇的」冒頭のadagioの部分だったと思うのですが、ゆっくりの3拍子のところです。
拍が分かりにくいと言うか1拍目をもう少し分かりやすくしてほしい、というリクエストだったのですが、それも当然で、私はここを3拍子が分かるようには振っていないんです(笑)。
拍を分かりやすく、例えば三角にとか、点を中心に集めて3つ振ったり、3拍目で振りかぶったり、というのは勿論私程度の指揮者でも簡単に出来ます。
では、何故私がそれをしていないか?
それは、この部分ゆっくりのテンポを私が示したら、あとは指揮が何もしなくても音楽を進めてほしいからなんです。2回のフェルマータは私が指示しますが、それ以外はオーケストラが自発的にアダージョしてほしいんですね。
それでは私に足りなかったのは何か?
それは、各パートへの出の合図をすべきだった、ということだと思います。
各パートへ出の合図が出来ないからこそ、拍数が分かるように指揮をする、というのが私の理解なのですが(間違っていたら指摘してください)、逆にずっと拍を出している指揮者、というのは、私「さぼっている」と思うんですよねぇ。
指揮者というのはメトロノームではないから、最初にテンポを出したら、あとは拍やテンポについては最小限であって、本来は指揮者は「音楽の表現」に専念すべきだと思うんです。
勿論拍やテンポを出しながら音楽表現をやる、というのが「指揮法」であるということは理解しています。
しかし、いくらアマチュアとはいえ、指揮者は芸術家で職人であると私は思っています。常に拍だけ明白に出していればいいという考え方ではいつまでたっても進歩しないんだと思っています。
私は勿論技術を疎かにするものではないですが、もっともっと芸術表現が出来るような指揮者に、もっともっと芸術表現が出来るオーケストラになればいいなぁ、と思っています。

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ネルロ・サンティさん

N響アワーをご覧になった方も多いと思いますが、ネルロ・サンティさん凄い指揮者です。とはいえ、私の基準としては「ベートーヴェンの交響曲を感動的に指揮する」という唯一無二の項目があり、私はサンティさんのベートーヴェンは聴いた事がないので、コメントしずらいところです。
彼がどんな曲も暗譜で振る事はよく知られていますが、リハーサルも暗譜とは恐れ入りました。勿論私みたいな指揮者の端くれとは一緒になりませんが、それでもスコアに書き込みをしたり、その日新しく修正したり、気がついた事を書き込んだりするんですが、サンティさんはそんなのもみんな覚えているんですかね?
例えば同じ曲をやったって、オケによって癖があると思うんですよ。うちのオケだって奏者によって癖があって、入りの時にしっかり目線を合わせた方がいい人と、入りの少し前に目を合わせたら入りの時は知らんぷりしていた方がいい音が出る人とかもいるわけです。
チェロとヴィオラはすぐに走るので、そっちは押さえつつ、セカンドヴァイオリンは必ず遅れるので、しっかり睨みを利かす。そんな事も全部覚えているんですかね?それともそういうオケサイドの問題にはおかまいなしに、純粋にスコアに忠実に振っているとか?
スコア至上主義である事はインタビューでも仰っていましたし、あの人の指揮は確かに無駄がなくエレガントではあると思います。それにしても全部覚えちゃうなんて本当に凄いなぁ、と感心する事頻りです。
ただ、凄く勉強になったのはやはり指揮者というのは第1にスコアリーディング、第2にリハーサル、第3にバトンテクニックなんだと強く印象づけられました。というか再確認できました。
さて、ちょっと話しが変わりますが、私たちが活動の拠点としている文京区には、荒川区、千代田区と共同でケーブルテレビがあります「あらぶんちょ」というチャンネルなのですが、NHKにN響アワーがあるのなら、「あらぶんちょ」にも「BPOアワー」という番組をやらせてもらえないか、という話しが昨日でました(笑)。
「最近の演奏会から」と言っても、まだ1回しかやっていないのでずっと同じ演奏会(笑)。池辺先生の代わりに、うちの楽団員にも駄洒落では負けない人がいっぱいいます。
もし、あらぶんちょの関係者の方いらしたら、ぜひ前向きに検討してもらいたいなぁ、なんて思ったりして(笑)。

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左手のための

「左手のための」と言えばラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」なんてのが有名ですが、まぁ、大抵の弦楽器奏者にとって「テクニックの左手、表現の右手」という事で、誰もが左手の練習に熱心に取り組んでいるでしょう。
でも、実際は右手の練習が悲しくなるほど足りていません。左手に気を使う事の10分の1でも右手に気を配ってくれると演奏のグレードが1段階も2段階も上がるのにな、と思います。
私が5年前に指揮者になった時に右手の練習と同時に「左手の」練習を開始しました。やった事のない人には分からないかもしれませんが、今これを読みながら挑戦してみればすぐに分かります。右手と左手をバラバラに動かすのは難しい、という事に(笑)。
右手で4拍子の図形を書きながら、左手でスコアをめくると、右手の図形は崩れ左手と一緒に空中で何かをめくっていたのが5年前の私です。出来る人にはどうってことがない、こんな事もやり馴れない人にとっては難関です。
よく指揮者が左手で「もっともっと」と奏者をあおる動作をします。手のひらを上に向けて煽るようにします。これを右手の図形を崩さずにやるのは、結構難しいと思います(出来る楽団員はすぐに私に報告のメールをするように)。
私は指揮者になってから、普段の歯磨き、鍵の開け閉め、スプーンを使うのは左手でやるようにしました。箸も気が向いたら左を使ったりもしたのですが、時間がかかるので、食事は右に戻しました。
歯磨きと鍵は5年経った今でも左手を使っています。
5月の演奏会のDVDの私はまだまだ左手が有効に使えていません。これからもっともっと左手の練習もしないとなと思いました。
因に指揮者の場合、弦楽器奏者とは逆で技術の右手、表現の左手である事は一応念のため書いておきます。

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そして恐るべし画像

嬉しくって今日もDVD鑑賞。それにしても私の指揮ってば…(自爆)。
指揮の基本は「前振り」です。音が出る前に、次に出る音に対して指示をするんです。でなければ、指揮者はただ手を振っているだけの人に過ぎないんです。しかし、素人の指揮は大抵音が鳴ってから手を振っているんです。
私も油断すると、つい音の後に手を振っています(号泣)。
これでは指揮者とはいえません。まだまだ勉強すべき事は多いし、全然足りないんだなぁと激しく反省。勿論指揮法だけではなくて、譜面の読み込みが全く足りていないわけで、映像で自分の姿を見て、気分を新たにしたところです。
さて、私自身の勉強もそうですが、楽団の将来像についても考えています。今年や来年、再来年の事ではなくて、その延長線上にある5年後、10年後の楽団の姿です。
私は超初心者ですが碁を打つんです。碁というのは先々を考えて石を置いて行き、陣地を確保するゲームなんですが、これは先を見通して今行動する「戦略」がもの言うんです。
楽団運営も重要なのは「戦略」です。今だけ見ていてはダメだし、過去の経験に乗っかっていては新しい事は出来ません。特に音楽の常識みたいなものに捕われる人は新しい価値観を創造する事は出来ません。
今をコツコツして10年後があるという人はトンネルを掘った事がない人です。10年後を思い描いて、今何をするか?そう考えないと楽団運営は出来ないのだ、と私は考えます。

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自信

私は今年の演奏会で初めて「暗譜」で指揮をしました。
暗譜で指揮をするっていうのは自分でいうのもなんですが凄い事なんですよ。適当に振って暗譜で振るというのはやって出来なくはないんです。度胸さえあれば(笑)。
でも、ちゃんとオケをコントロールしながら暗譜で振るというのはつまりは、スコアを全部暗記するという事であり、それは結構大変な事なんです。
私はそれを自分に課してやりました。
全てが上手くいったかと言えばそれは分かりませんが、私はその時の私が出来るすべてを全力でやり切りました。
それは大きな自信になりました。
一度やり遂げ、自信をつけると次のステップがやってきます。今シーズンの曲の譜面は今までとは比べ物にならないほど早く私の頭に吸い込まれて行きます。それは私自身の成長であり、自信がさらに能力を開花させているという事なのだと思いますが、しかし、そうすると新たな壁も目の前に出てきます。
人間はこうやって自らの能力を高めて行くのだと私は信じています。これは決して「階段状」になっていて、この段階まで来るとオッケーとかいうものではなく、緩やかなスパイラル状の長い道で、そこには小節線も区切りもないんです。
大切なのは冷静に自分を見つめる目で(これがある人は指揮者になれますし、ない人は指揮者にはなれません)出来る事と出来ない事を常に見極める事です。
皆さんには、どんな事でもいいですから、自信を持ってもっと堂々と、楽しく演奏してもらいたいと思っています。
私にだって出来るんですから(笑)。

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5本目

楽団員の皆さんには以前にお話ししましたが、私は演奏会が終わると指揮棒を新調します。新しい指揮棒で1年間練習して、一緒に頑張った戦友みたいな指揮棒で演奏会に乗る事をおまじないのように守っています。
昨シーズン私は楽団立ち上げの前に木の指揮棒を買って指揮法講座を受講していました。その時からきっと最初の演奏会はベートーヴェンの7番になるだろうと漠然とした思いがあったんです。
7番の小さな編成に合わせて長さも32cmと今迄で一番短い指揮棒にしました。運命って面白いなぁと思いましたが、たった一つ誤算がありました。それは木は「折れる」という事です。
結局2カ所折れて、本番はセロハンテープで止めて振ったんです(笑)。買い直そうか本当に悩んだんですが、この指揮棒は楽団立ち上げ前からともに勉強してきた本当の戦友なんです。やっぱり一緒に本番に臨む事にしました。
本番事故もなく、暗譜でやり切れたのはこの指揮棒のお陰もあったと思っています。
演奏会が終わって「お疲れさま」と声をかけて歴代の指揮棒の横に並べました。一番最初に指揮をした「ドナウの棒」(美しく青きドナウをやった)。2本目は「未完成の棒」(シューベルトの未完成をやった)。3本目はショスタコーヴィッチの5番の時に使った40.5cmもある長い棒です。
そして、今日一緒に「エロイカ」に挑戦する棒を買ってきました。7番の棒よりも2cm長くちょっとだけ太いのを選びました。
こういう指揮棒との出会いも偶然だったりするんです。さぁ、本格的にスタートです。

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第30回練習報告

うちのオーケストラの練習も30回目になりました。練習29回参加の方がいてくれるのが何よりの自慢です。今日で正団員40人になりました。今年の私の目標は正団員が50人になる、というのがあります。本当は「今年」ではなくて、第1回の定期演奏会まで、という思いはあったのですが、これは達成できそうもありません。
今日の練習でお話ししましたが、オーケストラの編成は弦楽器の人数を基準に16型とか14型とか言います。テレビやパソコンのモニターではありません(笑)。
16型はファーストヴァイオリン16人、セカンドヴァイオリン14人、ヴィオラ12人、チェロ10人、コントラバス8人で弦楽器60人。
14型は同様にファーストヴァイオリンを14人に各パート2人ずつ減って50人。
私はここまで大きな編成は目標にしていなくって、一応12型で弦楽器40人、これに管打楽器の定員が、現在22人。トロンボーンが入ると25人。合わせて75人のメンバーがうちの正団員になってくれることを目指しています(因に弦楽器の定員は休む人がいる事を考慮してもう少し多いです)。
幸い今日はコントラバスが練習に来てくれました。オーケストラの格言で、「コントラバスがないオーケストラなら、コントラバスだけのオーケストラの方がましだ」というのがありますが、本当にこの楽器がいるのといないのとでは音の厚みが全然違います。
編成の方は3月中に確定すると思いますので、あとは演奏会に向けて集中しましょう。
さて、今日の練習ではコリオランを超速でやってみました。私はたまにこういう事をやるのですが、意図が分かりますか?単にふざけているのではないのです。
一つは皆さんの頭の中にテンポが固まる事が怖いんです。テンポが固まると演奏が通り一遍になり緊張感がなくなるんです。
それともう一つ。普段やっているテンポより速くやる事で、縦の線が揃っているのか確認できます。本当にテンポに乗れているのか、リズムは正確なのか、休符や付点は正しくとれているのか?この辺がチェックできます。
案の定いい加減にやっているところが露呈しました(笑)。今度はそこをつぶしていきましょう。
逆にゆっくりのテンポでやる事もあります。フレージングと音程のチェックになります。
そして、今日皆さんにお伝えしたのはやっぱりうちの演奏は「色気がない」という事です。パンツの脱ぎ方の話を何回かしましたが、本番の演奏でお客さんに聞いてもらうには、技術が必要です。
でも、うちの楽団の技術ではお客さんに聞いてもらう程の物はありません。であれば、あとは熱意を伝えるしかないんです。その熱意をもっともよく伝えるものが緊張感(いい意味の)と色気なんです。
音楽家は大抵色気を持っています。後世に残った名曲は大抵色気たっぷりです。しかしそれを四角四面に演奏したんでは色気は伝わりません。
残り5週間、本番で如何に演奏するか?という事をテーマにがんばりましょう。

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