代吹き・代弾き・代振り

私が前いたオケにはクラリネットに代吹きの名手がいて、いないパートの譜面をスコアを読みながらたちどころに吹きこなしてくれる人がいました。
代吹きの目的は「メロディーが消えること」を防ぐ為で、そういう意味では代吹きや代弾きは悪いことではないと思っています。土曜日の練習では私がトロンボーンでチェロのパートを吹きました。
ベートーヴェンの7番の2楽章の頭のところで、ヴィオラもチェロも全滅だったからです。あれを、もしヴィオラがいる状況で、私がチェロパートを代吹きしたとしたら、それは見せ物としては面白いのかも知れませんが、音楽としてはどうでしょう?
私はそういう代吹きは反対です。土曜日の練習は「合奏」をするための練習です。全体で音量や音色やニュアンスや曲想を合奏を通して練習するのです。チェロのパートがいないことよりもトロンボーンと一緒に弾かなくてはいけないヴィオラパートは音量もニュアンスも全然違う楽器に合わせるのは、練習にはならないと思っています。
一般的にオケでは代弾きや代吹きはありますが、それは音色が似ている楽器に限られるものだと私は理解しています。単に音域が一緒だから、手が空いているからと言う理由の代吹きや代弾きは合奏を乱す原因になると思っています。
誤解無きように言っておきますが、代吹きや代弾き、指揮者の代振りなど私は面白いし大歓迎です。土曜日だって私が譜面を読み続けられたらセカンド・ヴァイオリンが入ってきても続けて吹くつもりでしたから(笑)。
ただ、こうしたことは基本的な私の考えを理解してもらわないとみんながバラバラに考えてオーケストラではなくサーカスになってしまうので、ここではっきり基本的な考え方を押さえておきたかったんです。
勿論いつものように異論、反論大歓迎です。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。