当日

全く緊張もせずに当日を迎えました。それでいいんでしょうか?そして正直に言えば演奏会当日はあっという間に過ぎるんです。それでいいんでしょうか?
私は演奏会の常識というのが嫌いなんです。マナーというのは勿論守ってもらいたいのですが、例えば、どこのオーケストラのプログラムを見ても、大抵真面目に作ってあります。
うちのプログラム、見てもらった方は分かると思いますが、体裁はきわめて正統的で真面目ですが、私が書いた文章はよく読むと随所に「笑い」を意識しています。アンケートも所々に「笑い」がちりばめられています。
中には「アンケートにこういう質問がある事が理解できません」という方もちらほらいらしましたが、逆にアンケ-トに元々意味なんかないんです。聞きたい事を聞くのがアンケートですから。因にオーケストラのアンケートは次回の案内をする事があるので記名式ですが、本来アンケートは無記名式です。無記名だから本音が書けるんです。
因に楽団員にも伝えておけば良かったのですが、演奏会当日私にみんなが色々言ってくるのですが、私は万能ではないので、全部は出来ないんです。指揮だけでも手一杯なのにそれ以外の事が出来るほど余裕があるわけではないんです。
当日にどんなに善意でもその場になってからのことを言われても、すべてのトラブルを回避する事は出来ないんですね。
話しがちょっとそれましたが、流石に演奏会当日だけあって、色々なトラブルがありました。コンサートスクエアというアマオケの情報サイトで4週連続アクセス数1位を貰って、どういう注目のされ方をしていたのか心配だったのですが、一番心配だったのは、キャパシティが452席しかなかった事です。
車いす用の2席、招待席3席、ビデオカメラ用に6席潰してプログラムは440部用意。消防法の規定で立ち見が出来ないので、それを超えたら入場してもらうわけにはいかないんです。
ところが、席に少し空きがあったもんだから、後ろで立ち見が出ちゃったんです。「公演は中止になります」と困ったように会場の人に言われて、スタッフに2階席に誘導してもらい、なんと開演前に指揮者である私自ら影アナで「立ち見は出来ません」と案内しなくてはなりませんでした。
結局会場の人の計らいで、ロビーに椅子を出して30人くらいの方にモニターで見てもらう事になりました。満員になるというのはある種勲章のようなところもありますが、チケットを売っていたわけではなかったので、せっかく来てもらったのに入場してもらえないんて、悔しいやら、申し訳ないやらで胸が痛みました。
3分押しでスタート。次のトラブルは私の右目のコンタクトがコリオラン始まってすぐにずれてしまったんです。結局この演奏会が終わるまで私は左目だけしか見えない状態で指揮しました。まぁ、コンチェルタンテのカデンツアの部分の確認以外は全部暗譜していたので問題はなかったのですが、気が散って指揮が疎かになりました(笑)。
演奏については私がどうこう言うより、楽団員がどう思ったか、観客にどう伝わったかが大切なので書かない事にします。ただ、本番の演奏が一番良かったという事だけは言えると思います。
うちの楽団は演奏会で成功する事だけが目的の楽団ではありません。いままでの40回の練習も全く同様に大切で、重要度に違いはありません。そしてその練習の積み重ねが今日の演奏会になるのだと考えています。
今日の演奏が(今までで)一番良かったという事はすなわち練習の成果だと思っています。
演奏会が終わり打ち上げ会場でビデオ鑑賞。普段自分達の映像を見る事のない楽団員にとってはいい機会だったと思います。そして、私はその映像を凄く重要視するので、アマオケでは珍しいと思いますが、今回全部で6カメも回しました。
演奏会のDVD制作は今後も力を入れて行こうと思っています。
23時半まで打ち上げのあと、20名弱の楽団員と宿泊の打ち上げに向かいました。この宿泊の打ち上げも私は絶対に続けて行きます。一つはその日に帰るとどうしても寂しくなっちゃうからですし、朝までアンケートとビデオを見ながら、酒を飲みながら、この1年の思い出を話し合うには一晩くらいは必要なんです。
長い1日ですが、本当に最高の演奏会だったと思います。来ていただいた大勢の観客の皆さんとスタッフに感謝するとともに、楽団員の最高の演奏を誇りに思います。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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