水は低きに流れる

ゆっくりの練習をやっています。いまのうちに譜面に馴れて欲しいからで、これは練習時間を多く取れない社会人が多い楽団では必要な事だと思っています。
しかし、この時期にいい加減に「曲だけを耳で覚える」事をしていては上達できませんし、結局はいい加減で、適当な演奏しか「出来ない人たち」になってしまいます。
どうして、毎回毎回四分音符の長さが違うんでしょう?それは意図したものなのでしょうか?例えば次に休符があって意図的に短くする部分はあるでしょう。でもそういう処理で長さが違うんでしょうか?点がついただけのスタッカートと、縦棒(涙の雫みたいな)のスタッカートも毎回長さが違っていますが、それは何かの音楽的な表現なのでしょうか?
私の耳には「適当に演奏している」ようにしか聞こえないんです。
勿論出来ている人もいるのかもしれませんが、オーケストラで一番大切な事は「揃っていること」です。これがみんながみんな判で押したように揃っているなら、指揮者の思いがどうこうよりも、意図した表現の結果でしょうから、私もうるさい事は言わないんです。
でもねぇ…。
音符の長さは譜面に書いてある通りに演奏してくださいね。これが出来るようになるまでテンポは「絶対に上げません」
付点のリズムも著しく不揃いです。ひどいのになると付点八分と副付点八分が同じに聴こえたりもします。指揮者が、というよりも作曲者号泣です。
水は低きに流れる、といいますが、こうしたゆっくりのテンポでしっかり音符の長さをとる事は「大変」なんです。これは速いテンポで演奏するよりも、体力と集中力と「頭」を使うので、余計に大変なんです。
私は辛く厳しい練習はしたくないんですが、そもそも練習は=楽しいものではないんです。低きに流れ「楽をする」のは時間やお金を使ってオーケストラをしていても楽しくないし、上達もしませんよね(それでも楽しいという方は他所に行っていただいて結構ですよ)。
深い楽譜の読み込みや、フォルテピアノのような難しい「表現」をしましょうと言っているのではないです。
楽譜に書いてある通りに演奏してください。と言っているのです。
…とはいえ、これが一番難しい事も分かっていますけどね。1年間かけてぜひ頑張りましょう。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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