初心忘るべからず

「初心忘るべからず」とは世阿弥の「花鏡」にある言葉で、習い始めのころの謙虚で真剣な気持ちを忘れてはならない。 という意味です。
楽団も3年目に入り、登録団員も60名くらいになって来ると、新しく入って来る人たちは、その人がうちの楽団を知った時には既に楽団は存在していて、有るのが当たり前なわけです。
しかし、この楽団設立当初からいる人は、練習が始まっても、なかなかパートが埋まらなかったことを覚えていると思います。例えば今は最大派閥になっているセカンドヴァイオリンは設立して最初の3ヶ月か4ヶ月は、毎回の練習に一人か、二人というのが続きました。
そういう時期を乗り越えて、現在があるわけですが、その時には「来てくれるだけでありがたい」と思っていたのが、最近では「どうせ入って来るなら、上手な人がいいな」なんて思っていたりしませんか?
うちの楽団は練習に毎回来てくれる下手くそを大切にします。そういう人の意見は積極的に取り入れます。たまにしか来ない上手な人がいくらもっともらしいことを言っても、私が耳を貸すのは「毎回練習に来る人」です。
練習会場があるのは当たり前じゃない、楽譜があるのは当たり前じゃない、練習に人が来てくれるのは当たり前じゃない、そもそも楽団があるのが当たり前じゃない。
こう思えば、色んな小さなことに感謝できると思います。
練習には可能な限り来てください。それが楽団員が楽団に対して出来る最大の功労です。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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