寺井尚子さんのジャズヴァイオリン

私が実はクラシック音楽よりもジャズが好きなのは以前に書いたことと思いますが、それはジャズ音楽の本質がアドリブにあり、それはすなわち演奏しながら、作曲をするという、究極の音楽の形だと思うからです。
楽譜に書かれたことだけをするのであれば、それは作曲家の言いなり(言葉は悪いですがね)なわけです。
自分の楽器を自在に操り、周り人間と合奏を楽しむ。これが音楽の究極の楽しみではないでしょうか?
あまり頻繁にではありませんが、銀座のスイングというジャズバーでお酒とライブを楽しむことにしています。
今日はジャズヴァイオリンの寺井尚子さんの演奏を仕事で知り合ったカメラマンさんと聞いてきました。
ヴァイオリンという楽器はいうまでもなくオーケストラで最大の人数を誇る楽器です。それは管弦楽でメロディーを与えられている楽器で、なおかつ、音が小さいから人数が多いわけです。
それが故にヴァイオリン奏者にはなかなか一人で演奏する「精神力」を持った人がアマチュアには少ないのが残念なところです。
寺井尚子さんの演奏で感心するのは、その速い指使いでも、美しい音色でもありません(両方とも素晴らしいですが)。
とにかくその「弓」使いが素晴らしいのです。
特に先端15センチくらいを残して、そこで細かなニュアンスを出していましたが、ダイナミックな演奏の中で、決して雑にならず、繊細にそして華麗に、さらにいえば色気のある演奏を見せてくれました。
うちのオーケストラはまだまだ表現が幼稚ですが、少しでも高いところを目指すことで上達していける余地があることが再確認できた素敵な夜でした。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。