頭の中で音は鳴っているかい?


私の大好きなサヴァリッシュ先生のベートーヴェン7番です。ものすごく指揮が上手なのは今更言うまでもないですが、先生の素晴らしいところは頭で鳴っている音をきちんと棒で修正できる、という点です。
土曜日の練習で、ファーストヴァイオリンは高いGの音への跳躍で苦労していました。こういうものは勿論感覚で「指に覚えさせる」という事も必要なのですが、それ以上に一番大切なのは、きちんとそのGを頭の中で鳴らして、その音を出すんだという明確な意志を持って演奏する事です。
これはヴァイオリンに限らずすべての楽器を演奏する上での重要なポイントです。楽器に出て来る音程や音色を任せている人は一生ろくな演奏家にはなれません。
大切なのは頭の中で鳴っている音楽を楽器を使って表現する事なんです。楽器が音程や音色を出してくれると思ったら大間違いです。
指揮者も同様で、オーケストラの音を聞いて棒を振っている指揮者はすぐにばれます(アマチュアの指揮者ばかりかプロでもたまに見かけます)。頭で鳴っている音楽を棒で表現し、実際のオーケストラを聴きながらそれを修正する。これこそが指揮者が本当に大変な所以なんです。
そして、繰り返しますが、演奏者もそうです。ここのキーを押さえればこの音が出る、なんて考えている人は、全く考え違いをしていますから、今すぐに考えを改めてください。
自分の頭の中で音楽が曲として流れていないのに曲の演奏なんて出来ないんです。
常にこの事を忘れないでいてくださいね。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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