よい子のための演奏会

うちの楽団は2年に3回演奏会を行っていますが、その3回のうち1回は企画ものの演奏会をやる事にしています。第3回定期の時はクリスマス時期だったので、クリスマスの定番、バレエ曲のクルミ割り人形をメインに、映画音楽をやりました。ナレーション付きで華やかでリラックスした雰囲気の演奏会になりました。
第5回定期の時はウィーンフィルを向こうに張って、ワルツとポルカばかりのニューイヤーコンサートをやりました。下手くそな演奏でも、新年らしい演奏会でした。
今回は「子供のための演奏会」と題してお送りしました。普通のクラシックコンサートは小学生以下は断られる事が多いです。騒いだり、泣いたりして演奏の妨げになるからです。でも、本来ならそういう小さな子供にこそ、情操教育という訳ではないですが、本物のオーケストラの音を聞かせてあげるべきだと思うのです。
そういう思いで今回は3曲プログラムしましたが、子供向けだと思って甘く見ていたのが、大失敗。どの曲ももの凄く難しくて、この1年間、初心者主体のうちのオーケストラはそれこそ七転八倒しながら練習を進めて来ました。
思いは届き、今回は多くのお子様にお越しいただきました。普段の演奏会では絶対にあり得ない、演奏中に子供が泣くは、騒ぐは、歩くは、喋るは(笑)。でもいいんです。少しでもオーケストラの雰囲気を感じてくれればそれでいいんです。
そして、その子達が、もし20年後に文京フィルに入ってくれたら、これに勝る喜びはありません。アマチュアオーケストラの運営をしていると、どうしても目の前の事にとらわれがちですが、うちの楽団は森を作るように、木を植えて行くように活動していこうと思っています。
さて、子供の演奏会で夜に随分時間が余ったので、室内楽の演奏会もくっつけちゃいました。室内楽の演奏会も、私が楽団を立ち上げた時からやりたかった企画です。オーケストラの基本は室内楽です。例えば弦楽四重奏。これがオーケストラの弦楽器の基本なんです。
だから、室内楽をやる事は、オーケストラのスキルアップには必須なんです。それをお客さんにも楽しんでもらって、演奏者としての経験値を積むにはどうするか?1年間悩んできました。何しろ長丁場ですので、結局昼よりはお客さんは4分の1くらいになっちゃいましたが、それでも最後まで熱心に聴いてもらえたと思います。
今度はもっと小さいホールで室内楽の演奏会をやりましょう。
この1年は震災もあり、色々大変でしたが、楽団にとっては貴重な経験をいっぱい積んだ1年で、演奏会からこれほど得るものが多かったのも、今までにはない経験でした。
文京フィルは今年6年目を迎えますが、楽団としてまた一皮むけたような気がします。相変わらず演奏は下手くそですが、「出来ない事を楽しもう」をテーマに頑張って行こうと思っています。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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