完全を目指しながら、不完全を楽しむ

囲碁将棋が趣味の指揮者、あなたのひともぢです。
チェスもやるんですが、最近チェスの日本代表が、完全を目指しながら、不完全を楽しむと言っていました。
どういう意味でしょう?
私なりに説明するとこうです。
実はチェスもそうですが、将棋も最近では囲碁もコンピュータが強いんです。コンピュータはついウッカリ間違えたりしませんから。
対して人間は間違います。将棋の大山康晴十五世名人は、人間は絶対に間違うと断言してます。だからコンピュータに勝てるわけがないだろうとまで言っています。
ではもう人間は将棋もチェスも囲碁もやめた方がいいんでしょうか?
そんなことはありません。間違える人間どうしだから、勝負になるんです。人間が頭を捻る、そこに知恵や閃き、個性があるから面白いんです。
これは実は音楽も一緒だと言ったら驚きますか?
音楽も楽譜通りに演奏するならコンピュータが最適です。だって絶対に音外さないし、音色も常に一定です。サンプリングすれば誰の音でもだせます。アゴーギクもデュナーミクも自由自在。息も続くし、どんなテンポでも指が回らないなんてこともありません。
ね。最高でしょ!
…でもそんなものにお金を払う人はいませんよね。完璧な演奏ならいいわけでないということはこれでご理解いただけたと思います。
ここで最初に戻ります。
我々は常によりよい演奏を目指します。でも、それが究極の目標ではないんです。
完璧を目指して練習しましょう。でも出来ないんです。プロと同じ楽譜をプロのようには演奏できませんよ。ましてや作曲家の意図通りには演奏できません。
でも、諦めたり、努力を放棄せずに、不完全であることを認めてそれを楽しみましょう。
少なくともうちはそういう楽団です。ヴァイオリン、ヴィオラとファゴットは絶賛募集中です。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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