カウント

指揮者ひともぢでございます。
合奏で大切なことはいっぱいあるんですが、今日はその中でもテンポの話しです。
昨日の練習で、2回目の合奏なのでゆっくりやりましょう、とやっていたのですが、あるテンポの変わり目で、フルートとオーボエのメロディー2パートが、示し合わせたように倍のテンポ(正規のテンポ)で演奏し出したんです。
一人だけならよくある思い込みと暴走だと思いますが、二人揃っての場合は、示し合わせた反逆か、何らかの合図があったか、しかないんです。
示し合わせてないのは見ていれば分かったので、恐らく、どちらかの奏者が、何らかの音楽的な合図を出したんだと思うんです。
息を吸うというのが、一番わかりやすいんですが、肩を動かすとか、体を揺らすとか、合奏のための合図というのは、見る人が見れば色々あるんです。
また、逆にどんなにはっきり出しても、人のテンポが取れない人もいます。私はそれをテンポ音痴と呼んでいます。
実は演奏者にこのように高度な合奏スキルがあれば、指揮者はいなくても、管弦楽曲を演奏することも無理ではありません。
ただ、それが困難なので、指揮者がいるんです。
最近入った人に「指揮の見方が分かりません」とも言われました。一小節を幾つで振っているのか?それさえ分かれば、そんなに難しい事はないのですが、ベテランの奏者と指揮者の間でも、幾つで振っているのか、合わない場合があります。
指揮はコミュニケーションで、決まった方程式があるわけではないのです。分かりやすくいえば、例えば凄く高名な先生がうちのオケを振ったら、指揮の技術がいくら素晴らしくても、何を振っていて、どこから出たら良いかわからない人が、続出するでしょう。
指揮者はアゴーギクやデュナーミクも表現しますが、一番ハッキリと示しているのはテンポです。そしてテンポを示すのは、ジャンケンの前の「最初はグー」と同じなんです。揃えるための確認が指揮者の役割なんです。
ロックやジャズのライブにいくと、ドラマーが「1,2,1,2,3,4」と声を出したり、スティックを叩いてカウントしますよね?
最初の「1,2」はなくて、いきなり「1,2,3,4」とやる場合もあるし、「1,2,3,4」の時にスティックを8回叩いて、タイムフィールを表す場合があります。
どちらにしても、テンポ感というのは音楽表現の根幹ですから、大切なんです。
さて、では、テンポを取る練習はどうしたら良いか?
本当はここからは有料コンテンツwなんですが、今回は特別にお教えします。
やって欲しい事は二つあります。
1 必ずメトロノームをかけて練習する。そしてその際に音でテンポを取るのではなく、アームが右に左に動くの目で確認して下さい。耳でカチカチと音を聞くのは無意味です。やめて下さい。
2 音を出す前に息を吸ってください。これは管楽器の方は必ずやっているので、弦打楽器の方たちです。プロのピアニストも演奏前はしっかり息を吸います。また、楽譜のフレーズの切れ目にブレスのマークを書いて演奏中も常に息を意識してください。
個人練習の時に上の二つを必ずやっていれば、あっという間にテンポが取れるようになります。やらない人は永遠にテンポが取れません。
簡単ですよね?

アバター画像

About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

コメントを残す