打楽器小咄~トライアングル~

『金のトライアングル』
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むかしむかしあるアマオケに「すよい」と「すだめ」という打楽器奏者がおりました。
2人はそれぞれ、古ぼけて錆びついたトライアングルを持っていました。
ある日、「すよい」は湖のほとりでトライアングルを叩いていました。
ところが、手を滑らせてうっかり湖へ落としてしまいました。
「すよい」は大切なトライアングルを落としてしまい、シクシク泣きました。
すると湖の中から、「エルメス」というセレブな神様が現れて、ぴかぴかに光る金のトライアングルを見せました。
「お前が落としたのは、この金のトライアングルか?」
「違います。私が落としたのはそんなに立派なトライアングルではありません。」
すると神様は、次に銀のトライアングルを見せました。
「では、このトライアングルか?」
「いいえ、違います。」
神様が3番目に見せたのは、古ぼけたトライアングルです。
「そうです、そのトライアングルです。これで練習ができます。拾ってくださってありがとうございます。」
「そうか、お前は正直な打楽器奏者だな。」
神様は感心して、金のトライアングルと銀のトライアングルも「すよい」にくれました。
おまけに、純粋で素直な「すよい」は澄み切った美しい音が出せるようになりました。
喜んだ「すよい」は、湖でのことを「すだめ」に話しました。
美しいトライアングルと音色に「すだめ」は羨ましくなり、自分も金のトライアングルが欲しくなりました。
さっそく古ぼけたトライアングルを湖に持っていき、わざと湖に落としてシクシクと嘘泣きをしました。
すると神様が現れて、ぴかぴか光る金のトライアングルを見せました。
「お前が落としたのは、この金のトライアングルか?
「そうです、それです。金のトライアングルです。その金のトライアングルを落としてしまったんです。」
とたんに、神様は怒り始めました。
「この嘘つきの欲張り者め!!」
怒った神様は金のトライアングルも古ぼけたトライアングルも拾ってくれず、そのまま湖に戻ってしまいました。
嘘つきで欲張りな「すだめ」はトライアングルを失ったばかりか、その後どのトライアングルを叩いても濁った汚い音しか出せなくなってしまいましたとさ。

おしまい。

sudame84

About

すだめ、と申します。 だがっき、打楽器、パーカッションパートです。 メランコリーな雰囲気の曲や絵が好きです。 ディズニーとハリポタオタク。 すきな果物は梨とブルーベリーです。

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