未来は予測しづらい

こんにちは、指揮者のひともぢです。

私ごとになるんですがね、もう2年と9ヶ月ステージに立っておりません。私が最後にステージに立ったのは2018年12月9日の第18回定期演奏会になります。

その後も、楽団としては第19回定期演奏会が2019年の9月21日に行われているんですが、その演奏会には私は出ていないんです。

自分の作ったオーケストラで指揮者をやっている私が演奏会に出ていないというがどういうことか、もしかすると想像できないかもしれませんが、楽団を作って10年以上が経ち、ほとんどのことを自分一人で決済して、自分一人でやってきた私が、「私」という存在を中心に楽団を運営すれば、持続可能性に問題があると考えたのです。

この楽団は、100年続くことを目指して作りました。私自身が楽しいとか、やりたいことをやるとかそういうことではなくて、楽器初心者にも門戸を開き、音楽のハードルを下げて、裾野を広げるために作ったのです。

そして、その「理念」は私が引退し、死んだ後も続かないと本物では無いと感じたのです。

音楽家は大抵自己中心的です。特に一部の優れた芸術家と、趣味で音楽をやっている人は極端に自己中心的です。ある意味、それで良い部分というのはあるのですが、その部分を満たしたいのであれば、他に良いオーケストラがいっぱいあります。

私たちのオーケストラは下手くそでも、一生懸命練習する人たちを応援したいと思って作ったのです。簡単にオーケストラに入れない人でも、ここで経験を積み、知識を増やし、練習してもっと上手なオケや、もっと大きなオケに行ってくれれば、それでいいんです。

そういうオーケストラは自己満足で運営するわけにはいきません。だから、私は音楽監督を人に譲り、自分は本番に乗らないのに、毎週の練習に行き、代振りをして、毎週楽員と酒を飲み、オケの運営にだけに徹して見る時期を作ったのです。

演奏会の運営もいままでは私が号令をかけてやっていましたが、なるべく任せるようにしました。いっぱい不備が見つかりましたが、それもいい経験になり、その後かなり上手に修正できています。

さて、他人にまるまる1つの演奏会を譲り、外から客観的に演奏会を見ることもやってみたのですが、まさかその半年後に新型コロナウイルスが猛威を振るい、ほぼ1年半(現時点で)練習がままならず、演奏会を2回も飛ばし、私自身 丸3年ステージで指揮ができないことになるとは、「あの時は」思いもしませんでした。

会社でも四半期の計画と同時に、中期計画などを立てます。私もこのオーケストラで2、3年後の中期計画と大雑把な10年の計画を立てて活動しています。いままではそれでほとんどうまくいっていました。

実はそれが砂上の楼閣であり、偶然の産物であったことを今回は痛感しました。もちろん、計画は必要です。少なくとも50人くらいの人間が関わり、年間で100万円くらいの動く団体なのですから、全くの無計画、行き当たりばったりというわけにはいきません。

しかし、計画に囚われてはいけないし、計画通りに進むとも限りません。未来から逆算して考えることはとても大切です(10年後にどういうオケになっていたいのか?とか10年後にどういう指揮者でいたいのか?という問いは大切です)。でも、それに対しては常に柔軟に対応しなくてはいけません。

また、先にお楽しみを取っておくのも間違いだと思いました。やりたいこと、やれそうなことはすぐに手をつけないと、人生はあまりに短すぎるし、不確実なことが多すぎるからです。

未来は予測しづらいですが、その未来を手中にしていくのも人生の楽しみなのだなということを痛感するこの頃です。

About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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