東京芸術大学公開講座「指揮法入門」2日目

今日はコバケンの都合で朝の9時からに変更になりました。なんでも午後に予定があるので、早くから始めたいとのこと。
いきなり朝一は謝罪から始まりました。「昨日みなさんのバックグラウンドなどが分からずに上手く出来なくて落ち込みました。帰り道警備員さんに怒鳴ってみたりして、自分の中の怒りを外に出したりしました。どうやったらいいか悩んで眠れませんでした。今日寝不足なのはみなさんのせいです(ここで笑い)。でも何か一つでも持って帰れるようにと思っています」と「上手く出来なくてごめんなさい」という謝罪から始まりました。
今日は弦楽四重奏を加えてのアイネ・クライネ・ナハト・ムジークとスネアとピアノ2台のボレロ、フォーレのシチリアーナをひたすらみんなに振らせてくれました。
いままでの私だったらこういう時に前に出て振らせてもらうのですが、大抵は頭真っ白になってしまうだけ(しかも一応私には4年のキャリアがあるので、普通には振れる)で自己満足して終わるので、今日は前に出ずにひたすら他の人の指揮ぶりを見て、先生がどこを見ているのか、何を指導するのかを観察していました。
先生は昨日ほどイライラすることもなく、しかし厳しく最後まで指導してくれました。驚くべきことに昨日まったく振れなかった人まで、今日は普通に振れるところまで進歩していました。多くの人が!(全員ではない)です。
流石にオーケストラを指導しているだけあって、タイプの違ういろんな人を色んなやり方で指導していました。時には厳しく、時にはしつこく。サックスで来年芸大を目指している青年などは、サックスを吹かされ、結局最後はオケの側にいました(笑)。
昨日は余り好感が持てなかった先生でしたが、今日は素晴らしかったです。
目つきが鋭く、指摘も鋭く、一挙手一投足に無駄がなく、音楽に対する情熱がほとばしっていました。まさに炎のコバケンの真骨頂でした。
以下備忘録(コバケンの言葉だけではありませんが)
・指揮者は指揮台の上に上がったら音楽以外のことをしてはいけない(挨拶や礼はその前にすませなさい)。
・指揮者は見た目が大切です。だらしない格好の指揮者からはだらしない音が出ます(姿勢や服装、身だしなみも)。
・オケが希望の音を出してくれなかったらそれはすべて「指揮者」の責任。コバケンは受講者が出なかった時に必ず「ごめんなさい」と謝っていました。
・指揮者は言い訳をしてはいけない。出来たことのみが評価される。出来なかったことは出来ないだけ、理由を説明しても意味がない。
・指揮はコミュニケーション。技術的に優れているよりも人間的に優れている方が重要。
・プロの指揮者になるには「運」が必要。しかし「運」をつかむには準備が必要。先生よりも才能豊かな指揮者はいっぱいいるが、先生は運をつかむ為の工夫を常にしてきた。
・運命の女神が通り過ぎてから髪を引っ張っても遅い。通り過ぎる前に止めなくてはいけない。
・腕だけではなく顔の表情や、目、身体全体を使って指揮をしなさい。
・とにかくアウフタクト、そこの呼吸。息だけでも指揮が出来る。
・ヴァイオリンを弾きながら指揮が出来るし、サックスを吹きながらも指揮は出来る。ダンスをしていても出来る。腕を振ることが指揮法ではない。
・コップの中に感情が7分目や10分目では相手に伝わらない。コップからあふれた感情や情熱が他人を突き動かすのだ。
・音楽をするのも運動神経が必要で、そういう人を指導する時は成長を待つしかない。
今日は私は殆ど指揮を振らなかったが、何故か凄く腕が疲れた。そして凄く指揮が上手くなった気がしました(気のせいかも知れませんが)。どれくらい上手くなったかは今のオケからの友人の判断に任せるとして、1年間指揮をお休みしていた私が、8月12日の練習開始に向けて、リハビリをして、指揮者としての心構えを再度教えてもらった気がします。
そして、今日登録団員が40人になりました。欲を言えばキリがありませんが、現状に満足することなくあるべき姿を目指したいと思います。

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元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

東京芸大公開講座

私は35歳の時に初めてオーケストラの指揮をしました。4年間で、5回ステージに指揮者として立ちましたが、正直にいえば、私はまだ指揮者にはなり切れていません。どっちかというと生きているメトロノームというのが最大限の誉め言葉でしょう(見る人が見ればそこにすら行っていないことは分かりますが)。
誰にもきちんと指揮を習っていないので、昨年東邦音大の公開講座で指揮法を2時間受講し、昨年末から今年の春まで池袋コミュニティカレッジで指揮法入門を24時間受講し、そして今度の東京芸大の公開講座でした。
先生は小林研一郎(以下本人が自分でいっていましたので、コバケンと略します)先生ということで、どれくらい高いレベルで教えてもらえるのか楽しみにしていました。
一般の人も来られる公開講座ということで、先生の方で想定していたよりもレベルに差があり、戸惑っておられました。
10時から16時迄という長い時間でしたが、まず、メモをとるなと指導されました。このことは実はこういう講座では非常に大切なことで、集中して人の話を聞くという訓練が大人になると出来ないので、要領よくメモをとってしまうのですが、実はとったメモはとった瞬間に忘れてしまうのです。
先生は国際的な指揮者であると同時に、東京芸大の教授でもあり、教育者であるという点は大変感心しました。なにしろ2拍子も3拍子も4拍子も振れないようなお年寄りがいるにもかかわらず(イライラはされていましたが)手を変え品を変え指導してくれました。
指揮法の講座というよりは、コバケンがどうやって音楽を指導していくのかを見せてもらった5時間でした。2台のピアノを前にベートーヴェンの7番2楽章や、チャイコフスキー5番、モーツアルトのアイネクライネナハトムジーク(コバケンずっと「アイネク」と言っていた…(号泣))なんかで勉強をしました。
以下、備忘録です。
・譜面を見ながら指揮は出来ない。覚えていなくてもいいから顔を上げて指揮をすること。
・自分はアウフタクトの意味を理解するのに34歳までかかった。必ずアウフタクトで呼吸をすること。生きている人間は必ず呼吸する。
・音楽をする時は常に考えること。聞かれたことに関しては必ず自分の意見を言うこと。
・指揮者は声が大きくなくてはいけない。
・拍子の図形なんか書けなくてもいい、音楽性を表すのが指揮者。
・しっかりと立つこと。
・振る前に「静止点」を必ず作ること。
・大きく振るとテンポが遅くなる。図形を小さくすればテンポが上がる。
因みに先生がショパンの前奏曲第7番を弾かれて「これ何部形式?」と聞かれた私は「分からないのですが、2部?」と山勘で答えて、見事外れ。「トロンボーンを吹いて指揮者だとかいっていて2部なんて答えてちゃダメだな」と怒られてしまいました(正解は1部形式だそうです)。
更に因みに芸大の食堂のカレーは310円でしたが、キャッシャーのおじさん(N響アワーでも見たことがありますが)に510円出すと、「これいらないよ」と10円返してもらいました(笑)。カレーは昔懐かしい味でしたが、ピリリと辛くて(私的には全然辛くないですが)美味しかったです。
帰りにキャッシャーのおじさんに「ごちそうさまでした」というと、「先生ありがとうね」といってくれました。誰にでも「先生」といっているようです(笑)。
明日も楽しみです。

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指揮法

昨日は230PVでした。楽団立ち上げの準備も一段落しましたが、楽団員募集の営業活動は続けて行かなくてはいけないと思っています。
今日久しぶりにいまいる楽団で指揮をしました。私は本当に指揮が下手なんです(苦笑)。これは謙遜でも逃げているのでもなくて、指揮法というものから見ると私の技術は本当に稚拙です。
新しく立ち上げる楽団は私が指揮をしたいから作った楽団ではありません。こういう楽団の理念を理解してくれる指揮者というのはなかなかいないであろうから、私がやるのであって、本当にうちの楽団のことを考えてくれる指揮者が現れたら、それは喜んで一緒にやりましょう、とお願いしたいと思っています。
私は自分の技術が稚拙なのは理解していますので、昨年秋から今年の春まで半年間コミュニティカレッジに通って指揮法を習ってきました。
そして明日と明後日東京芸大の公開講座で指揮法を習ってきます。
少しでもいい音楽を実現出来るように、少しでもみなさんが合奏しやすくなるように色んなことを勉強してくるつもりです。詳しいレポートは明日と明後日に。お楽しみにね。

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四十肩

考えてみるとこのブログと楽団のサイトでしか私のことを知らない人が日ごとに増えているわけで、そういう人には私はどんな風に映っているんでしょう(笑)。
私は基本的にやかましい人間で、音楽監督というよりは宴会幹事長という趣の強い人間です。ものすごくうるさい一方で、とても皮肉屋だったりします。
指揮者というとちょっと近寄りがたいようなイメージがあったりしますが、私はまったく真逆のタイプだと思います。本当に根っからのトロンボーン奏者で、楽器の練習よりも酒を飲んでいる方が好きなんです。
ところで、個人的な話しなんですが、どうも最近肩の調子がおかしくて、もしかし「四十肩」!?とびびっていたりします。
四十肩で腕の上がらない指揮者なんて、格好悪いというよりも意味が分からないですよね??
どなたか四十肩を和らげる体操ご存じでしたら教えてください。
もしかしたら、8月からの練習で指揮が出来ないかも知れません(号泣)。

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