お子様を大切にするオーケストラ

指揮のひともぢです。

うちの楽団は色々変わったことをやっています。例えば入団に当たってオーディションはやりません。昨日楽器買ったばかりでも、どんなに下手くそでも、本人さえ「やる」と言えば入団は可能です。初心者歓迎のオーケストラは多いと思いますが、うちは徹底しています。

その他にも、月々の団費では無く、来た時に参加費を払う形にしていて、それもたったの300円です。コントラバスの無料貸出をやっていて、昨日今日入っても、同じ様に楽団の費用で買ったものを使えます。「毎週参加した人が損をする」という指摘を以前受けたことがありますが、そんなけち臭いことを考えるみみっちい人間はうちのオケには合わない様で、あっという間にやめて行きました。

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演奏会に未就学児を入れるのも、あまり聞かないと思います。写真はこの前の演奏会のロビー風景です。子供用のプログラムを作り、色鉛筆のブレゼントをして、ロビーにはおもちゃの楽器を置いて見ました。

クラシックの演奏会は静かに聞くものだから、自制心のない子供は入れるべきではない。全く正論だと思います。

それがわかっていても、うちの楽団は子供の入場を、イヤ、そもそも楽器さえ持ってあれば誰でも入団出来るオケなのですから、聞きたいという人は誰であっても入れるのが、うちの楽団としては首尾一貫してると言うべきでしょう。

思うことが三つあります。

一つは、子供だからこそ、生のオーケストラを聞かせたい、という思いです。退屈で寝ちゃうのは大人だって一緒でしょう。最初の10分、5分でもいいから生のオーケストラの音を子供に聞いてもらいたいのです。また、そうした体験は大人になってから絶対にいい影響があると思うし、さらに言えば、日本の音楽文化の発展に少しでも寄与出来ると思うのです。

二つ目は、何処もやらないから、うちがやるんです。私はへそ曲がりの天邪鬼な所があって、あちこちのオケがやっていること、常識、王道、当たり前、そんな言葉にはことごとく反発したくなる子供な性格なんです。

クラシックは子供には無理。そういう常識が世間にあるうちはこのアプローチはやめません。いつか、日本のオーケストラが「子供を入れるのは当たり前」。そんな風になればいいなと思うのです。

そして三つ目。大人のマナーはどうなんだろう?ということです。子供がいることで、大人のマナーも良くなるのではないだろうかと思っています。

例えば、うちの楽団はアマチュアなので、会場の案内も充分ではありません。遅れて入って来たお客様が、オケが演奏しているのに、席に座ろうと、人の前を横切るのって、マナーとしてどう思われますか?指揮者が後ろが見えないと思われるのであれば、誤解です。コバケン先生か佐渡さんが言っていましたが、指揮者は皆さんが思うよりも、会場の様子がよくわかっています。

演奏中に退屈になり、プログラムを開いたり閉じたりするのは、マナーとしてどうでしょう?みんな大人の方です。

私は思うんです。楽器を始めるのに遅すぎるということはない、というのと、結局、大人も子供もないんだということです。ダメな大人もいるし、立派な子供もいる。それだけなんだと思います。

今後文京フィルハーモニック管弦楽団と言えば、「世界一子供に優しいオーケストラ」と言ってもらえる様に、面白いことをドンドンやって行きます。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

ステージ裏話

指揮者のひともぢです。

演奏会が終わり暫く経ちましたが、漸くお客様に書いていただいたアンケートを読み終えました。

アンケートは練習後に回覧して、全て目を通しています。暖かい言葉が多くて、本当にありがたいなと思いますし、厳しい言葉もいただきますが、それだってわざわざ書くにはエネルギーがいるわけで、もっとよくしたいと言うお客様の励ましの言葉と捉えて真摯に読んでいます。

特に私は指揮者ですから、直接いただいたお声を次の演奏会に最大限生かすことにしています。

アンケートには「すごく良かったです」と書いていただくことがあるのですが、演奏する側としては「あんなに事故だらけだったのに」と恐縮することが少なくありません。

音楽に詳しい友人に聞いてみると、成る程的確なコメントを貰えるのですが、音楽をやっていない方だと、演奏会効果でよく聞こえちゃうと言うこともあるようです。

実は演奏する側も、演奏会当日は魔法にかかったようなもので、何だか凄く良く出来たような気がしてしまい、大満足で演奏を終えるのですが、後で録音を聴いてあまりの不出来に油汗が出ることがよくあります。

私は指揮者ですから、冷静に全体を聴いているはずなのですが、演奏中に聞き漏らして、後で聴いて驚くということもあります。

飛び出してしまうと、これはお客さんでも分かってしまう訳ですが、「落ちる」と言って、演奏しなくてはいけないところで、音を出すのを忘れてしまうと、案外お客様には気づかれにくいようです。

演奏者も緊張はしているので、一小節間違うことがままありますし、一番多いのはシャープとフラットを落とすと言う初歩的な間違いを特に弦楽器はよくやります。

面白いことに、演奏中の間違いと言うのは「伝染」します。心理的なこういうのが研究されているのかどうか知りませんが、とにかく間違いは伝染します。

普段やらないような、ソロのミスなんかがあると、そのあとのプレイヤーが連鎖反応でガタガタと崩れたりします。

誰かがミスをすると指揮棒を大きく振って、楽団を落ち着かせようとしたりします。また、緊張しているプレイヤーは指揮棒を見る余裕がないので、そういう人に指示を出す時は、逆に指揮棒の動きを小さくしたりします。

プレイヤー同士がアイコンタクトを取ることも良くありますし、演奏中と言うのは驚くほど色んな情報交換をしているのです。

こう言うことはCDでは分かりませんし、編集されたテレビ番組でも中々分かりづらいものです。

特に我々のような下手くそな楽団ではステージ上はすましてお上品に演奏するとはいかず、どちらかと言うと、怒声飛び交う厨房のような雰囲気なのです。

寺山修司は「書を捨てよ、街に出よう」と書きましたが、皆さんも是非生のオーケストラを「観に」行くと大きな発見があるかもしれませんよ。

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画像は先日の演奏会ではありません。

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第12回定期演奏会

指揮者のひともぢでございます。

去る9月7日にニギニギしく開催されました当楽団の12回目の定期演奏会も無事に終わりました。

無事にと書きましたが、演奏の方は事故だらけで、クラシック界の草野球チームを自認する我々としては、まぁ、三振にエラーの山でした。

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毎回色々な事に挑戦することにしていますが、今回は先ずは手作りの演奏会であったと言う点を強調しておきたいです。いつもであれば、姉妹楽団の仲間に手伝ってもらっていたのですが、今回からは全くの手弁当の自主公演と言うことになりました。

演奏会は結構スタッフが重要なのですが、今回は元団員か、団員の家族を中心に、降り番の楽員が協力して行いました。我々にとっては初めての挑戦でした。

また、未就学児を含め全ての人の入場を許可していますが、今回のソリストが小学校の先生と言うこともあり、子供向けのプログラムを作成し配布しました。これも初めての事で、クラシック音楽は静かな環境で聞くのが当たり前で、静かに出来ないお子さんは阻害されて来ましたが、私たちはそういう小さな子にもオーケストラを聞いてもらいたいし。こうした体験が必ず日本の音楽教育に好影響をもたらすと信じています。

お陰で、楽団始まって以来最多の1002名の入場者を迎えることが出来ました。これからは来ていただいたお客さんにリピーターになってもらい、常連さんになってもらうために、いい演奏をすることは勿論ですが、気軽に楽しめる暖かい手作りの演奏会を行って行きたいと思います。

久しぶりのピアノコンチェルトも大きな挑戦でした。ピアニストの素晴らしい演奏は忘れることの出来ない貴重な体験でしたが、オケも大曲グレイトを良く演奏してくれました。

特に今回木管パートに大人になってから楽器を始めた人に集中してファーストを吹いてもらいました。

アマチュアだから気負わずに楽しくやると言うのと、アマチュアだからこそ真剣にやると言うのは落とし所が難しいですが、今回はよく乗り越えてくれたと思います。

私は指揮者としては力不足、技術不足、勉強不足を思い知らされましたが、演奏が楽しかったのもまた事実。

色々あるのが演奏会でだからこそアマチュアオーケストラが辞められないんです。

大勢の仲間とともに美酒に酔い、そして早速今週から次の目標に向かって走り出します。

次回は是非演奏会場でお会いしましょう。

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文吹合同忘年会レポート

こんばんは、あくびちゃん@ビオラです。
好きなベートーベンの交響曲は、3番と4番です。
さて、先日練習後、文京区交響吹奏楽団との合同忘年会に参加してきました。
都内某所のパーティー会場を借り切り、飲んだり食べたりしながらみんなでアンサンブルをして楽しみつつ、交流を深めよう!という企画です。
アンサンブル団体は、弦楽器のみ、管楽器のみ、弦と管混合など。人数も数人~大勢まで様々、20団体くらいエントリーしていたでしょうか。
アンサンブルは、普段のオケとは違うことができるのが魅力。
私は今回は、弦楽器+サックス+ドラムというチームを組んで、T-スクエアの「OMENS OF LOVE」でエントリーしてみました。
この曲は吹奏楽編曲があり、吹奏楽の世界ではかなり有名なのです。
楽譜も手作りし、集まって練習もしたおかげで気合も入り、なかなか完成度も上がり、本番も盛り上がってとても楽しかったです。
文吹さんは、演奏以外にも歌ったり踊ったり、なかなか芸達者な感じでしたね!
人を楽しませることができる才能って素敵です♪
楽しい忘年会の後は、二次会@カラオケで終電まで歌い、昼間のオケ練習も含め、今日も良い一日だったなぁと思い返しながら、帰路についたのでした。
-----–
12月は忘年会にクリスマスに第九演奏会に、色々な予定が目白押し。
毎年のことですが、年末の予定が一つ一つ終わっていくたびに少し寂しい気分になります。
ですが、今年のトリを飾るのは、、、
紅白歌合戦!
・・もそうですが、文京フィルの定期演奏会ですよ!!
入場券や予約は必要ありませんし、正装の必要もありません。
ご家族でも、お友達同士でも、もちろんお一人でも。是非お気軽にお越しください。
私たちは、クラシック音楽の敷居を下げたいと願って活動している団体ですから、普段オーケストラは聴かない方に演奏を聴いていただき「クラシックもたまにはいいね」と思っていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。
12月28日は杉並公会堂で、団員一同、皆様のご来場をお待ちしております!
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(*˘︶˘人)♡*。+

皆様こんにちは♪
シスターアイリス@ホルンです!
今日は知り合いのこどもたちの演奏発表会に行ってきましたo(*^▽^*)o
皆とても可愛くて癒されました~♪
しかも皆まだ小さいのにすごい上手い!びっくりです!
私も負けてられないな~と思いました!
一生懸命さが伝わってきて、とても感動的な素敵な演奏会でした♪
とてもいい刺激になりましたd=(^o^)=b
私達も来ていただいたお客様にいい気分でお帰りいただけるよう精一杯演奏したいと思います!
練習頑張りましょう~!☆
皆様是非お越しくださいね^^
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ではまた~~
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(* ̄︶ ̄*)

皆様こんばんは♪
シスターアイリス@ホルンです!
9月は3連休が続いて嬉しいですね~♪
私は土曜日文京フィル、日曜日お芝居(観る側)とウィンナホルンの演奏会(聴く側)、月曜日演奏会(聴く側)と音楽漬けの3日間でした~\(^o^)/
あ、ウィンナホルンというのは簡単に言うとウィーンのホルンということで、ウィーンフィルの人たちは皆ウィンナホルンを吹いています。
ウィンナホルンはフレンチホルンよりも更に音をはずしやすいのに、やはりプロの方々は凄いですね~!
私達は先程も出てきた、フレンチホルンと呼ばれているものを吹いています。
ちなみにナチュラルホルンというものもあります。
きっと詳しいことはらっぱのタキエイトさんが書いてくださると思うので私の方では省略させていただきます(笑)
月曜日の演奏会は台風の影響で電車が止まってしまったので、残念ながら途中からしか聴けなかったのですが、どちらも大迫力で素晴らしい演奏会でした~♪
色々な演奏を聴くのは楽しいですね♪
演奏する側もとっても楽しいですよ♪
興味のある方はお気軽に見学にいらしてくださいねd=(^o^)=b
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吹奏楽のこと

こんばんは、
らっぱのタキエイトです。
ねむいですねぇ。
前のブログにも書きましたが今週の土曜日9月7日に、
姉妹楽団である文京区交響吹奏楽団(正式名称をいつも忘れる・・・)の演奏会があります。
興味のあるかたは是非是非ですです。
詳しくはこの画像をクリック!↓

画像1

さて、
吹奏楽とオーケストラですが皆さん違いがわかりますか?
僕は分かりません。今度誰か教えてください♪
自分の主観のみで少し吹奏楽のご紹介を。。。
吹奏楽は読んで字のごとく吹いて演奏をするもの、管楽器が中心のものであり、
オーケストラは管弦楽なので、管楽器と弦楽器が中心のものでしょう。。。
よく、吹奏楽は新しい曲で自由度が高くて、
オーケストラは古く厳格ってイメージを持っている人がいるみたいですが、
これはちょっとイメージが違うような気がします。
オーケストラの譜面を編曲したり、POPSの譜面をアレンジしたりしていて、
自由度が高いような気がしますが、
基本はオーケストラとも一緒です。
譜面があります。その中に音符が書いてあります。さらに、テンポの指定と、強弱の指定があります。
そして、それぞれの譜面をみんなで吹いて指揮者に合わせて合奏をして音楽を作ります。
これは、この団の音楽監督が毎週どこかしらで話す必須ワードですよね。
さらに、新しい音楽のように感じますが、
「惑星」を作曲したホルストさんも吹奏楽の譜面を書いたりして実は歴史は深いっす。
さらに遡れば、軍隊用の音楽として吹奏楽は存在してましたし、
あのショパンさんも軍隊行進曲なんて曲を書いているみたいですよ。
こんな風に感じると吹奏楽ももっと身近に感じられて演奏会をより楽しく聞けるんじゃないのかな、
なんて思いました。
ちなみに、ちょっとWikiさんをカンニングしました(懺悔)
さらに、間違っていたらごめんなさい。なんせ眠い・・・
最後の前になりますが、ランキングに協力お願いします。
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最後になりますが、
おやすみなさい。

(●´ϖ`●)

皆様こんにちは♪
シスターアイリス@ホルンです。
この間ふと、高校生の時のことを思い出しました。
私は吹奏楽部で、年度末に行われる定期演奏会に出られることがとても嬉しくて、1年生の時に先輩にそれを言ったら、「定演なんて誰でも出られるじゃん(オーディションとか無いから)」と言われました。
当時は、あーそうか~程度にしか思っていませんでしたが、今になって考えると、やはり演奏会に出られるというのはとても幸せなことだと思います。
この間ケンジローさんも書いていたように、文京フィルは会場確保やチラシ作りなど全て自分達でやります。
これがないとまず演奏会自体できません。
それと、出演者についてですが、先日行った他楽団の演奏会では、半分以上がエキストラ(団員ではなく、本番だけお手伝いで出る人)という話を聞いて、いまの文京フィルはほぼ団員だけで編成できているので、とても幸せな状況にあるのだな~と改めて感じました。
(でもまだまだ団員募集中です☆)
会場確保等してくれる方、当日受付等の運営のお手伝いをしてくれる方、聴きに来てくださるお客様、そして毎週元気に練習する団員の方!
皆様のおかげで演奏会は成り立つんですね^▽^
感謝感謝~です!
さてさて、次回の定期演奏会は12/28(土)13:30から杉並公会堂で開催します♪
今回は映画音楽などをやるので、クラシック知らな~い興味な~いという方も知っている曲があると思いますので是非是非お越しください♪ヽ(´▽`)/
小さいお子様も大歓迎!
そして!
9/7(土)18:30からは姉妹楽団の文京区交響吹奏楽団の定期演奏会が文京シビックセンターであります♪
こちらも是非お越しくださいね♪
皆大好きディズニー特集ですo(^o^)o
ロビーコンサートもあります(*´∇`*)
どちらも入場無料です!
お気軽にお越しください(^o^)/~~
宜しければランキングにご協力ください!
http://blog.with2.net/link.php?1543020

お辞儀

指揮者のひともぢです。
うちの楽団は演奏会のとき少なくとも3カメラは使って録画をしています。アマチュアの楽団なので、同じメンバーで、同じ場所で、同じ曲をやることが2度とないからです。
プロの奏者であれば、同じ場所で同じメンバーで同じ曲をやることもあるでしょうが、アマチュアの場合だと、演奏会を区切りにやめてしまう人、その後に入ってくる新しい人、管楽器の乗り番、降り番など様々な理由があって同じメンバーで演奏会をやる確率は、どうでしょう?1万分の1以下、いやもっとまれかもしれません。
それ故に必ず録音と映像を残して記録を取っています。
なにしろ私たちの楽団は「100年続くオーケストラ」を目指しています。100年間の演奏会の記録は重要な後世への手紙になると思っています。理念とともに、実際の音を届けたいのです。
さて、とはいうものの、演奏会の映像の編集はちょっとした技術が必要です。今ではパソコンでも編集できますが、いずれにしても技術とセンスが必要になります。幸いうちの楽団には関東キー局でニュースの編集をやっている人間がいるので、彼女に演奏会の映像編集をお願いしています。おかげで、音さえ消せばプロの演奏会に見えるくらいの映像に仕上がっています。
うちの楽団は何でもそうですが、社会人が自分の空き時間を使ってボランティアで運営しています。映像の編集も仕事やプライベートの合間を縫ってチクチクと内職のようにやってもらっています(感謝)。
土曜日に1年半前の第8回定期の映像が完成しました。メインに「ピーターと狼」をやった、いままで一番難しかった演奏会ですが、初めて「よい子のための演奏会」と銘打って、未就学児童を含め多くのお子さんたちに来てもらった記念の演奏会です。
いやぁ、見ていて辛かった。ビデオというのは確かに演奏の一番酷い部分だけを強調して、よい部分は殆どないのですが、それをさっ引いても酷い演奏でした。もう一度書きますが、今までやった曲の中で一番難しい曲でしたが、とにかく演奏も、音程はどこも合っていないし、縦も揃わない、音色もぶつかて、これが子供向けの演奏会だったか?というとかなり苦痛を伴う演奏会だったかもしれません(自虐)。
まぁ、演奏が酷いのはいつものことなので、また頑張ろう、とポジティブに考えることにしますが、反省しなくてはいけないのは、お辞儀です。
お辞儀というのはとても大切だと私は考えています。
うちの楽団も90人を超えて、かなり楽員同士名前を覚えるのも大変になって来ましたが、それでも楽員同士、明るく挨拶をすることにしています。挨拶の出来ない社会人(学生)はうちの楽団ではお断りすることにしています。人間として当たり前のことだからです(これが出来ないアマオケプレイヤーは多いと聞いています)。
演奏会でのお辞儀が揃っていなくて、バラバラなのは、礼を失っているとは思いませんが、見た目格好悪くて、決まっていないなぁと感じました。
軍隊ではないのでびしっと動けとはいいませんが、やはりステージの上にいる訳ですから、キビキビとした動き、美しい姿勢、そしてすっとしたお辞儀。こういうことは演奏と同様に重要だと思います。
次回以降、挨拶の練習も何回かやっておこうと思います。

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第10回定期演奏会

指揮者のひともぢです。
2006年に立ち上げたこの楽団も今回で無事に10回目の演奏会を開催することが出来ました。これもひとえに毎回来てくれるお客さまのおかげだと思っております。うちの楽団はアマチュアオーケストラで、勿論自分たちの趣味のために演奏会を開いていますが、それでもそこにお客様が来てくれないと、ただの練習とそれほど変わりがない訳です。
音楽というのは「音楽を作る人」作曲者、「音楽を演奏する人」演奏者、「音楽を鑑賞する人」観客の三者が揃って完成するのだと私は思っています。その意味では、お客様というのは我々楽員と同じく、毎回の演奏の場を共有する大切な存在だと思っています。
今回はそうした気持ちを表すために、お客様にプレゼントを用意致しました。文京フィルの名前の入ったブックマーカーです。お使いいただければ幸いです。またアンケートを書いてくれた方、特に住所氏名またはメールアドレスを書いてくれた方には毎回演奏会の案内をさせて頂きますが、その案内をお持ちいただいた方には文京フィルの名前の入ったオペラグラスを特別にご用意させて頂きました。
今後も文京フィルは、来てくれるお客さまや活動の拠点としている文京区に音楽を通して社会貢献をしていこうと思っております。今後ともごひいきのほどお願い致します。
さて、今回の演奏会はラフマニノフの交響曲二番という、初心者主体のオーケストラしては誠に身の程知らずの大曲に挑みました。実はこの曲は第九回定期のメイン曲として予定していたのですが、楽員不足、練習不足に鑑み、第10回へ延期したという曰く付きの曲です。
初心者主体のオーケストラなので、演奏会の準備は1年前から始めます。1年前から練習を初めてなんとか本番に仕上がるのですが、ラフマニノフの二番は結局1年半ほどかけて練習をして来ました。
この曲に対する楽員の練習度合いは想像を絶するものがありました。演奏会2ヶ月前から毎週土曜日、日曜日の練習、しかもパートによっては午前中から、または平日の夜に集まって練習に練習を重ねて来ました。
結局、やはり難しくて、それほど練習してもこの交響曲はきちんと演奏できたとは言いがたいですが、うちの楽団は「きちんと演奏する」ことを目的にはしていません。「練習すること」を目的にしている楽団ですが、これほどまでに練習したことは未だかつてありません。
この曲が大曲なので前プロは1曲だけにしました。白鳥の湖も簡単な曲ではなく、なかなかアンサンブルが仕上がりませんでしたが、本番は集中して無難に演奏してくれたと思います。ただ、やはりラフマニノフに比重がかかり過ぎたのか、演奏が雑だったのと、バレエ曲として表現には乏しかったと思っています。この辺りは次回以降の反省点としましょう
ラフマニノフはとにかく長い曲ですが、楽員は最後まで集中力を切らさずに立派に演奏し切ったと思います。実は2楽章が極端にスピードが遅かったのを除けば、他の楽章はほぼラフマニノフの書いた通りの演奏でした(実はこの部分、世に流通している大部分の演奏は速度指示を無視していると私は思っています)。
特に三楽章のテンポは、私の10年間の指揮者人生の中で最高傑作と言っても良いほどの自慢のテンポで演奏してくれました。速い楽章というのは指が回らないことで苦労しますが、気合いや根性で熱演になることが多いのに対し、緩徐楽章を立派に演奏するのはアマオケでは存外難しいものです。その意味では、この日のうちの楽員は粘り強く立派に堂々と、そして繊細にこの楽章を演奏し切ってくれました。
1時間半に及ぶ大曲でしたが、演奏が終わって、私は不覚にも涙ぐんでしまいました。この初心者ばかりの楽団の努力がここまで実ったことが嬉しくて仕方がなかったのです。そしてそんな努力を続けて来た楽員に対して頭の下がる思いだったのです。
私は楽員を誉めないことで有名です。勿論この日の演奏だって全然誉めるところはありませんでした。しかし、これまでの努力がどれほどのものであったかは私が一番良く知っています。誉めてあげることは出来ませんが、「いい演奏会であった」ことは間違いないし、これほど努力できるアマチュアオーケストラがあることが誇りでなりません。
杉並公会堂という素晴らしいホールで、この大曲を767人ものお客さまに聞いて頂けたのは、私にとって軌跡の体験だったと言ってもいいと思います。
しかし、これで終わりではありません。文京フィルはこれからも努力を重ねていきます。そして100年続くオーケストラとして進化し続けて行くのだと思います。第10回演奏会はその立派な立派な、マイルストーンになったと思っています。
演奏会に来てくれたお客様。演奏会のスタッフを担当してくれた仲間たち。そしてすべての楽員の皆さん。本当にありがとうございました。ありがとうございました。

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