初心者歓迎の分岐点

こんにちは、指揮者のひともぢです。

先週に緊急事態宣言が明けて、土曜日から練習が再開されました。引き続き、ソーシャルディスタンスや、マスクの付け替え着用、手洗い、消毒、定期の換気など、感染症対策を実施しながら、練習を続けていくことになります。

とはいえ、会社や家庭の事情で練習に参加できない楽員もおり、この1年半、大体20人前後での合奏が続いております。標準の2管編成から少し、小規模を想定して選曲していますが、管打楽器13人と考えて、弦楽器は15人はいて欲しいので、もう一声、安定して参加できるメンバーが揃うといいなと思います。

私たちの楽団は「初心者大歓迎」を掲げており、本当に、楽器さえ持っていればどなたでも入団いただくことは可能です。

しかし、その一方で現実には、楽器を始めても、オーケストラの曲を満足に演奏できるようになるには莫大な年数が必要です。

大体、3年くらいやっていれば、見学希望を出す勇気も湧いてくるというものですが、現実には楽器を持って半年でも、3年でもあんまり変わりないです。

では、安心してアマオケに参加できるには何年練習すれば良いか?という疑問が湧いてきます。

5年ですか?10年ですか?ヴァイオリンだと、3ポジションを覚えてからですか?ヴィブラートを教えてもらってからですか?

先に答えを書いてしまえば、「答えは自分がやりたいか、やりたくないか」で決めるのが良いと思います。

うちの楽団には、楽器を習って1ヶ月とか、3ヶ月という人もたまに、見学に来てくれます。見学の申請の時に楽器歴は聞かないし、ついでに書いておきますが、男女の性別も年齢も伺いません。趣味の活動に必要ないからです。

楽器を持って1ヶ月の人がオーケストラの曲を弾けるか?吹けるか?叩けるか?というと、答えは絶対的にNOです。でも、本人がそれでもよければ、難しい曲に挑戦するのはありですし、法律で決まっているのではないから、他人がそれをとやかくいうことはないでしょう。

反対に、全然演奏できないから、楽しくない。ということもあると思います。真面目で正直な人ほど、その傾向があるのですが、「全然弾けなくて迷惑をかけるので、もう少し練習してから参加します」と言って、見学を辞退してしまうのです。

それも、本人の選択だから、絶対的に尊重されるべきだし、他人から強制されることは一つもないのですが、私から言わせれば「もったいない」

前述の通り、例えばヴァイオリンは10年習っても、アマオケで十分に満足して演奏できるようになるか、ならないかという楽器です。弦楽器と管楽器でイメージが少し違うと思いますが、中学校に入って吹奏楽部に入ったら、3ヶ月後には全員楽器を持って、先輩と一緒に音を出すようなペースですよね?

大人になって楽器を始めた人が多いから、学生時代のように毎日練習できないです。と仰る方も多いです。しかし、「だからこそ!」なのです。

毎日練習することができないからこそ、さっさとアマオケに入って、実践を積んでいかないと、いつまで経っても目標を達成することはできません。

習いに行っている先生が「絶対にやめろ」という場合もあります。それも大切ですが、その時は反対に「ではこのペースで練習して、いつころオーケストラに入れるか教えてください」と丁寧に質問してみるのがいいと思います。

習い事をダラダラとやっているのは時間とお金の無駄ですから、目標をはっきり設定して、それに向かって助言してくれる先生が良い先生だと私は思います。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。