2016年は文京フィルにご注目

明けましておめでとうございます。指揮者のひともぢでございます。毎年恒例ではございますが、テレビ東京のジルベスターを見ながらの年越しでした。

私は個人的にボレロに苦い思い出がありましてねぇ。前にいた楽団でボレロやることになって、私より上手い人がいっぱいいたのに、誰もトロンボーンのソロやらないというのです。

ボレロのトロンボーンソロは難曲中の難曲で、トロンボーン奏者に、ボレロのボの字を言っただけでおしっこちびっちゃうと言うほどのものなのです。

最初の音が高いシのフラットでこれを一発目に当てるには勇気がいる上に、高いレのフラットと言う、もはや成層圏かと言うほどの高音をシドレーレーレーレーレーレレレレレードシと、これでもかこれでもかと言うほど連打させられるのです。

この40秒間のソロの前、およそ7分間全く出番がないのですが、その間ずっと呑酸が沸き起こってくるのを抑えるわけです。

私は高いレのフラットが出ないばかりか、最初のシのフラットを外してしまい、結局40秒間、どこも音が当たらないというひどいボレロを演奏したことがあるのです。

ベルリンフィルでトロンボーンソロをしくじった人が自殺したという都市伝説があるのですが、私は切腹の上に指を詰めても、足りないくらいのひどい演奏でした。

ただね、とはいえ、ボレロのソロは普通頼んでもやらせてもらえないんです。私にとっては良い思い出です。びびってやらなかった人が賢いのかもしれませんが、私は音を出さないより出した方がマシだと思っています。

さて、2016年はかねてよりご案内の通り、楽団創立10周年記念のお祭りの年です。1月9日は前代未聞序曲・前奏曲だけの演奏会を行います。

5月には室内楽演奏会、8月にはお客さんにオーケストラを体験してもらう演奏会を行います。

一年間音楽を楽しむ祭りを行います。

ツイッターで毎日つぶやきます。LINE@も始めたので、演奏会でショップカードを作りました。演奏会にお越しいただき、画面をスタッフに押してもらってください。三回お越しいただくとノベルティグッズを差し上げます。

@bpo2006

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

2015年を振り返る

毎度、ひともぢでございます。今年も多くの方のご協力で文京フィルは無事に年を越すことができます。

今年は練習を大切にする一年にしたいと、念頭に目標を立てました。48回の練習と2回の合宿は密度の濃いものであったと思いますが、練習に来る人と来ない人の温度差は付いてしまったような気がします。

アマオケに限らず、習い事でも、趣味の活動でも、一度足が遠のくと、なかなかモチベーションを再度持ち上げるのは大変なものです。

その辺に対する細かい配慮はまだまだ足りなかったと反省しています。

ファンの拡大という意味では、これはしっかり準備ができたので、来年にしっかり結果をお見せできると思います。

来年の文京フィルの演奏会はお客さんを巻き込んで楽しんでもらえることだけを目指したステージをお見せできると思います。そのための準備に時間をかけてきたのがこの1年でした。

今年はbpo.tokyoという独自ドメインも取得しましたし、LINE@も@bpo2006という独自I.D.も取りました。

来年は毎日ツイッターを更新します。情報もいっぱい出しますが、皆さんからの声をダイレクトに聞く場所もいっぱい用意しました。

文京フィルはこれからも下手くそですが一生懸命練習します。そして、ファンの皆さんを大切する楽団であり続けます。

皆さん、とにかく健康で、そしてクラシック音楽を通して、音楽の楽しさを一緒に感じることができたら良いなと思っています。

今年一年。本当にありがとうございました。そして来年もよろしくお願いします。

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オーケストラがやって来た!

指揮者のひともぢです。寒い日が続きますが、確実に春は近づいていますねえ。

今年の合宿で、楽員が「オーケストラがやって来た」のDVDを持って来てくれて、みんなで見ました。若い人は知らないと思いますが、「題名のない音楽会」のような番テレビ番組で、1972年から1983年までTBSで放送されていました。

題名のない音楽会が1963年から今まで続いているのに比べて、僅か10年しかやっていなかった番組ですが、番組のオープニングでシュトラウスの常動曲に合わせて「オーケーストラーがーやっーてーきたー」と歌うのを小学生だった私も覚えています。

企画と司会は山本直純さんで、岩城宏之さんの本によると、芸大で、指揮科に転向した時に逆立ちしてもかなわないトンデモナイ天才がいて、その人が山本直純さんだったと語っている。因みに小沢征爾さんも同じ頃芸大に在籍していたそう。

山本直純さんは、作曲家指揮者で、有名なのは映画『男はつらいよ」のテーマソングや、日本船舶振興会のCMソング「火の用心の歌」がありますが、私は小学校の頃に「ウンパッバ」という合唱曲を歌ったことがあります。

前置きが長くなりましたが、「オーケストラがやって来た」のDVDは、今見ても全く価値の劣ることがない、寧ろ私がやりたいと思っていることを、既に40年前にやられていたのかと、悔しい思いすらします。

オーケストラがやってきた

私は音楽の底辺を広げるためにアマチュアオーケストラを作りました。それは演奏家が増えれば、演奏の機会が増えれば、音楽に興味を持って実践してくれる人が増えるだろうと思ったのです。

また、うちの楽団はお客様を大切にします。音楽愛好家が増えてくれれば、自然に日本の音楽のレベルは上がると考えたのです。

「オーケストラがやって来た」は正に高度なクラシック音楽をレベルを下げることなく、分かりやすくお茶の間に届けた。それが山本直純という鬼才によって成されたという点で、現代の特に若い人に見てもらいたいと強く思いました。

私は人真似が嫌いなタチなのですが、幾つかのアイデアは拝借して、うちの演奏会でもやってみようと思いますし、うちの楽団でないと出来ない演奏会をやっていこうと、決意を新たにしました。

今年5月に第13回定期演奏会ではオールフレンチプログラム。珍しいフランスの作品だけで演奏会をやりますし、第14回定期演奏会では、序曲と前奏曲だけで演奏会をやります。

第15回定期演奏会では、お客様を巻き込んで一緒にステージを作っていこう企画しています。

クラシック音楽の楽しさをみなさんと一緒に体感していくことを目指していますので、是非文京フィルハーモニック管弦楽団の演奏会へお越しください。

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2015年の目標

新春のお慶びを申し上げます。指揮者のひともぢでございます。

毎年年末年始は風邪を引くのが恒例になっているのですが、今年は「風邪を引いてもいいように万全の体制で何もしない」と決めたせいか、風邪もひかずに、ただただゴロゴロとしている、正真正銘真作混じりっ気なしの「寝正月」のお手本を実践しております。

毎年新年には目標を立てますが、今年も昨年から引き続き次の目標に向かって邁進してまいります。

即ち、「毎回の練習を大切に」と「ファン拡大」のテーマです。

私たちのオーケストラは出席の義務がありません。本来、良い音楽を作るには、毎回決まったメンバーで練習して、お互いの呼吸を確認できるように練習することが求められます。

然し、うちの楽団は、仕事があってこられない人、家庭の用事があって来られない人にも参加して貰えるように、出席は義務化していません。

勿論、何よりも出席率は大切ですが、逆に、来られないからという理由だけで排除はしません。その人が自分で考えれば良いのです「練習が足りていなくて、仲間に迷惑をかけていないだろうか?」と。

翻って、この問題を解決するには、楽団にも努力が求められます。「行きたくなるような練習」をしていれば、仮に、ジェニファー・ローレンスとデートの約束があっても、練習を優先してくれるでしょう。

そういう練習をしていくことが、結果として、楽員の定着に繋がると考えています。レベルさえ上がれば良いのではなく、各人のレベルに合わせて、成長出来る課題を提供し、一緒に解決していく場でなればいいなと思っています。

そして、もう一つは「ファン拡大」です。こんな下手くそなオケは世界的にも珍しいとは思いますが、「世界でも珍しいくらいファンを大切にする楽団」でもありたいと思います。

とは言っても、この技術です。中々良い音楽を提供して、皆様に満足してもらうのは難しいと思っています。そうではなく、我々が一生懸命やっている姿を見てもらうことで、音楽って楽しいなと思ってもらえたり、クラシック音楽が身近なものに感じてもらえたらいいなと思うのです。

ステージの上から音楽をするのではなく、皆さんの中に入って、皆さんと共に音楽を奏でていきたいと考えています。

ここまでは昨年から引き続きの目標ですが、実は年が明けて、2016年は当楽団結成10周年のメモリアルアニーバサリーになります。

そこに向けての準備を抜かりなく始めていきます。今年5月の定期演奏会も楽しい、皆さんに喜んでもらえるステージを準備していますが、是非2016年の我々に期待していてください。

それでは本年もよろしくお願いします。

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2014年を振り返って

指揮者のひともぢです。

今年8年目に入った文京フィルハーモニック管弦楽団ですが、私は年頭に二つ目標を設定しました。

内向きには、「楽員が練習に参加したくなるような練習をする」です。

うちの楽団は演奏会開くことが目的の楽団ではありません。毎回の練習を通して、少しでも上達すること、毎回の練習を仲間と楽しむことを目的にしています。

その一方で、出席は義務ではないので、練習するかしないかは本人の気持ち次第です。

他の楽団との掛け持ちも禁止していないので、土曜日に他所のオケに行ったり、個人の用事があったり、仕事があったりと、中々毎回参加とは行きません。

どうやったら、他所の用事よりも楽団を優先してもらえるか?答えはシンプルです。うちの練習に来たくなるような、内容の濃い楽しい練習をすればいいのです。

今年は、分奏の時間に色々工夫してみました。まだまだ試行錯誤が続いていますが、楽員の練習参加率をこれからも高める工夫をしていこうと思います。

もう一つ、外向きには「楽団のファンを増やす」と言う目標を設定しました。

昨年末の演奏会で、アンコールにお客さんに第九の歓喜の歌を歌ってもらうということをやり、楽員一同手応えを感じました。

今後もお客さんに楽しんでもらうためには何が出来るか考えて行こうと思っています。

うちの楽団は、自分たちが演奏だけして楽しければいいという楽団ではありません。規約にも掲げているように、地域とも交流を持ち社会に還元していくことを目的にしています。

今年は春から、近所の小学校のブラスバンドへ指導に行くボランティアを始めました。指導とは書きましたが、一緒に練習をすることで、却って教わることが多いのが実情ですが、兎に角こういう交流を通して地元に還元出来るチャンスを貰えたのはありがたいことです。

また、大塚のよさこい祭り、荻窪音楽祭でフラッシュモブ、誠之小学校の誠之フィエタと三回もイベントに参加させて貰いました。

地域の方に少しでもオーケストラの楽しさを知ってもらえたら、と思いブログラムにも趣向を凝らし、何回も何回も練習して臨みました。

今後も、もっと多くの人にオーケストラを気軽に楽しんでもらい、文京フィルハーモニック管弦楽団のファンが一人でも増えるような活動をして行きたいと思います。

私たちは、下手くそですけど、一生懸命練習して、楽しんで活動することを目的にしています。このブログを含め、メールマガジンやツイッター、フェイスブックを通じて多くの方たちと交流を持ちたいと思っています。

皆様の今年一年のご愛顧に感謝して、年末のご挨拶とさせて頂きます。

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画像は27日の納会の様子です。

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アマオケに入るということ

指揮者のひともぢです。先週のNHKの「プロフェッショナル」という番組で、山形の歯科医師熊谷崇さんという方が取り上げられていました。

歯医者は病気にならないために存在するという考えを持っていて、例えば、歯が痛くて来た患者さんをいきなり治療しないのだそうです。

そのまま治療すれば、患部は良くなるが、また虫歯になるからで、まず口の中を綺麗にして、歯のメンテナンスをしっかりやってから、漸く治療してくれるのです。

殆どの患者さんが、3ヶ月に一回歯のメンテナンスに訪れていて、70歳になっても、80歳になっても自分の歯が残っている人が多いのだそうです。

私は今年、血圧が高くて、暫く医者にかかっていたのですが、そのお医者さんは薬を出して血圧を下げることしかしてくれなくて、どうやったら自分で血圧を下げられるのか、食事の指導も運動の指導もしてくれなかったので、行くのを止めました。

アマチュアの演奏家もこれと同じことが言えると思っています。基礎練習はつまらないし、退屈だと感じてしまい。どうしても楽しい合奏がしたくなります。

でも、基礎練習を疎かにして、合奏なんてやっても、その時は楽しいだけで、自身の上達の役にはたちません。その曲は練習すれば出来るようになりますが、次の曲を始めたら、また元のレベルに戻ってしまいます。

アマオケに入るのは、単に楽しい合奏をやることが目的ではありません。少人数では出来ないダイナミックな演奏をすることが目的で、基礎力を無視して大人数で誤魔化すことが目的ではありません。

オーケストラでは、一人で演奏しないが故に、責任が発生します。そのプレッシャーに負けないように、そして仲間と乗り越えるために、アマオケに入るのだと思います。

歯科医師の話も、私がかかった医者の話とも、共通しているのは、目先の安易な方法に飛びつくのではなく、しっかりコツコツと基礎を固めることが大切だと言うことです。そう思いませんか?

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元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

打楽器奏者から見たオーケストラ

打楽器のすだもぢです。

…間違えた。すだめです。

演奏会後の二日酔いもようやく薄れてきて、直ぐに次の二日酔いがやってきます。実はすだめは「あぁ、なんて素敵な大塚娘」だった時代がありました。

それなのに1度もよさこい祭りを見たことがない。だけど、かつてお世話になった街への恩返しの気持ちを込めて演奏しますので、熱烈なすだめBPOファンの方は是非見に来てくださいね。

さて、打楽器奏者というのは指揮者とお客様に営業スマイルを向ける因果な商売ですが、私から見るオーケストラとお客さんの見るオーケストラはだいぶ違って見えます。そりゃそうだ!

客席から見えるオーケストラは楽譜と指揮者に集中して、一糸乱れぬアンサンブルを見せてくれます。いや、そうなってます??

打楽器奏者は指揮者のニヤニヤ顔を見ています。スダッメー・クレンペラーという名打楽器奏者(架空)が何故指揮者を見ながら演奏をするのですか?と聞かれて「空気が読めるからだよ」と言ったのは有名な話ですが、打楽器奏者は指揮者を見ることで、これから起きることを予見することが出来ます。

練習の時に、毎回叩けなかった部分が来ると、打楽器奏者はやにわに指揮者から見られて、テンポを示されて、「頑張れ」と無言の圧力を送られます。

逆に目が合うと張り切って大きな音を出してしまうので、わざと目を反らされます。

普段の練習場所とホールでは音の響きが違うので、その場でごまかしをすることもあります。なので小さな音でごまかすと、もっと出して、と煽られたり、大きいよと抑えられたりします。

すだめは変人ですからいつも真面目ではありません。緊張して意識を失っているすだめ、パニクッて何処やってるかわからなくなるすだめ、難所をクリアするために「こっち見るなー」というオーラを出すすだめ。様々な狂乱振りがステージ上で繰り広げられます。

指揮者はそれらを全て受け止めてくれて(ホンマかいな)そして何事もなかったかのように、お客様の拍手にやり切った感満載の笑顔で応えるのです。

以前ダースベイダーのマスクをつけたまま指揮をされたことがありますが、すごく演奏しにくかったです!面白かったけど!

打楽器奏者もその日によって二日酔いなどになるのは勿論ですが、指揮者さんはそんな奏者もどんと来ーい!なのです(阿部寛さん文京フィルに入団しないかなぁ…♡)。

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画像は横から見たオーケストラです。

以上、ひともぢさんとのコラボ記事でした!
内容が「打楽器奏者から見たオーケストラ」というより、「打楽器奏者から見た指揮者」だって?否めません!

今後のコラボも乞うご期待…!?

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すだめ、と申します。 だがっき、打楽器、パーカッションパートです。 メランコリーな雰囲気の曲や絵が好きです。 ディズニーとハリポタオタク。 すきな果物は梨とブルーベリーです。

指揮者から見たオーケストラ

指揮のひともぢです。

演奏会の余韻も薄れてきて、直ぐに次の目標がやってきます。実は10月12日に行われる東京よさこい祭りの大塚駅前で演奏することが決まりました。

普段やらないような曲もやりますので熱烈なBPOファンの方は是非見に来てくださいね。

さて、指揮者というのはお客様にお尻を向ける因果な商売ですが、私から見るオーケストラとお客さんの見るオーケストラは少し違って見えます。

客席から見えるオーケストラは楽譜と指揮者に集中して、一糸乱れぬアンサンブルを見せてくれます。いや、そうでなきゃダメなんですがw。

指揮者は楽譜を見ています。オットー・クレンペラーという名指揮者が何故楽譜を見ながら指揮をするのですか?と聞かれて「楽譜が読めるからだよ」と言ったのは有名な話ですが、指揮者は楽譜を見ることで、これから起きることを予見することが出来ます。

練習の時に、毎回弾けなかった部分が来ると、指揮者はやにわにそちらを見て、しっかりテンポを示して、「頑張れ」と無言の応援をします。

逆に目が合うと張り切って大きな音を出す奏者の場合は、わざと目を反らします。

普段の練習場所とホールでは音の響きが違うので、その場でバランスをとることもします。小さな音の奏者に、もっと出して、と手で煽ったり、大きいよと抑えたりします。

楽員はそれぞれ人間ですからいつも一緒ではありません。緊張して意識を失っている人、パニクッて何処やってるかわからなくなる人、難所をクリアするために「こっち見るなー」というオーラを出す人。様々な思いがステージ上で繰り広げられます。

指揮者はそれらを全て受け止めて、そして何事もなかったかのように、後ろの客席に音を流すのです。

以前ダースベイダーのマスクをつけたまま指揮したことがありますが、楽員から『すごく演奏しにくい」という猛抗議を受けました。ことほど左様に、ステージ上ではお互いの表情を見ているのです。

奏者のその日の体調がわかるのは勿論ですが、昨日彼氏と喧嘩したな、なんてことまで、指揮者には丸っとお見通しなのです(仲間由紀恵さん結婚おめでとう)。

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画像は横から見たオーケストラです。

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お子様を大切にするオーケストラ

指揮のひともぢです。

うちの楽団は色々変わったことをやっています。例えば入団に当たってオーディションはやりません。昨日楽器買ったばかりでも、どんなに下手くそでも、本人さえ「やる」と言えば入団は可能です。初心者歓迎のオーケストラは多いと思いますが、うちは徹底しています。

その他にも、月々の団費では無く、来た時に参加費を払う形にしていて、それもたったの300円です。コントラバスの無料貸出をやっていて、昨日今日入っても、同じ様に楽団の費用で買ったものを使えます。「毎週参加した人が損をする」という指摘を以前受けたことがありますが、そんなけち臭いことを考えるみみっちい人間はうちのオケには合わない様で、あっという間にやめて行きました。

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演奏会に未就学児を入れるのも、あまり聞かないと思います。写真はこの前の演奏会のロビー風景です。子供用のプログラムを作り、色鉛筆のブレゼントをして、ロビーにはおもちゃの楽器を置いて見ました。

クラシックの演奏会は静かに聞くものだから、自制心のない子供は入れるべきではない。全く正論だと思います。

それがわかっていても、うちの楽団は子供の入場を、イヤ、そもそも楽器さえ持ってあれば誰でも入団出来るオケなのですから、聞きたいという人は誰であっても入れるのが、うちの楽団としては首尾一貫してると言うべきでしょう。

思うことが三つあります。

一つは、子供だからこそ、生のオーケストラを聞かせたい、という思いです。退屈で寝ちゃうのは大人だって一緒でしょう。最初の10分、5分でもいいから生のオーケストラの音を子供に聞いてもらいたいのです。また、そうした体験は大人になってから絶対にいい影響があると思うし、さらに言えば、日本の音楽文化の発展に少しでも寄与出来ると思うのです。

二つ目は、何処もやらないから、うちがやるんです。私はへそ曲がりの天邪鬼な所があって、あちこちのオケがやっていること、常識、王道、当たり前、そんな言葉にはことごとく反発したくなる子供な性格なんです。

クラシックは子供には無理。そういう常識が世間にあるうちはこのアプローチはやめません。いつか、日本のオーケストラが「子供を入れるのは当たり前」。そんな風になればいいなと思うのです。

そして三つ目。大人のマナーはどうなんだろう?ということです。子供がいることで、大人のマナーも良くなるのではないだろうかと思っています。

例えば、うちの楽団はアマチュアなので、会場の案内も充分ではありません。遅れて入って来たお客様が、オケが演奏しているのに、席に座ろうと、人の前を横切るのって、マナーとしてどう思われますか?指揮者が後ろが見えないと思われるのであれば、誤解です。コバケン先生か佐渡さんが言っていましたが、指揮者は皆さんが思うよりも、会場の様子がよくわかっています。

演奏中に退屈になり、プログラムを開いたり閉じたりするのは、マナーとしてどうでしょう?みんな大人の方です。

私は思うんです。楽器を始めるのに遅すぎるということはない、というのと、結局、大人も子供もないんだということです。ダメな大人もいるし、立派な子供もいる。それだけなんだと思います。

今後文京フィルハーモニック管弦楽団と言えば、「世界一子供に優しいオーケストラ」と言ってもらえる様に、面白いことをドンドンやって行きます。

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打楽器小咄〜バスドラム〜

バスドラム その魅力に迫る

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ーーーバスドラム特集ということで、本日はゲストにバスドラムさんと親交のあるシンバルさんにお越しいただきました。シンバルさん、本日はよろしくお願いします。
「よろしく。ところでね、この『打楽器小咄』とかいうシリーズ書いてるの誰だっけ?酢ダコ、だっけ?」

ーーーすだめ、ですね。
「あっそう。前回の記事から4ヶ月空いてるって、どういうことなのかしら?それからね、前回の記事で、ワタクシのこと重いだの汚いだの散々言ってくれたけど、どういうことなのかしら?」

ーーーそれは…それはぁ!あはぁっ…あああああ!す、すだめ…うあぁぁぁぁぁぁ、ああっ!すだめのみならずぅぅ…うあぁぁぁぁぁぁ!音楽界全体の問題じゃないですかぁぁ!あなたにはわからないでしょうねぇ!
「(ドン引き)ま、まぁいいわ。今日は何を聞きたいのかしら?」

ーーーまず、シンバルさんはトライアングルさんと不仲説が囁かれていますが、真相をお聞かせください。
「そうね、まぁあの子とは音域が似てるから、よくそういう噂が出るわね。確かにあの子が可愛いことは認めるわ。かたやワタクシは、重いだの、うるさいだの、オイシイとこ持ってくなだの、なんなの?それであの子はなに?綺麗な音だ?軽くていいだ?それでもって、打楽器小咄でのワタクシの扱いはトライアングルの二番煎じ!なんなのよあの子だけチヤホヤされちゃって!!ムカつく!!!」

ーーー(やっぱり仲悪いんだな)で、では、シンバルさんはバスドラムさんと親しいご関係にあるとのことですが、いかがでしょうか?
「ふふっ、トライアングルちゃんになくてワタクシにあるのは、バスドラム 君の存在ね。ワタクシって、オーケストラで1番音が高いのご存知?だから良く自己主張が激しいとか、目立ち過ぎとか、勘違いされるのよね。でもね、ワタクシには、バスドラム君が常に隣にいて一緒に音を出してくれることで、リードしてくれたり、ワタクシの高く美しい音を柔和させてくれたりするのよ。やっぱりオトコノヒトって、懐の深さと頼り甲斐が重要よね。バスドラム君って、まさに理想のダンセイゾウだわ♡」

ーーーなるほど。では、バスドラムさんの魅力満載の曲を教えてください

「そりゃもうたくさんあるけど、ワタクシのお勧めはストラヴィンスキーの『春の祭典』かしらね。最高にかっこいいわ。ティンパニさんより目立ってるバスドラム君の曲って、なかなかないのよね。ワタクシとバスドラム君とのラブラブ具合は、打楽器が出てくる曲ならたいてい見られるわ♪んふふ」

ーーーありがとうございました。(ほとんどシンバルさんの宣伝になったな)これからは、シンバルさんとバスドラムさんとの掛け合いに注目ですね!
「そうよ?ワタクシ達のラブラブ具合、よく聴いてみてね。」

ーーー本日は、ありがとうございました。

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すだめ、と申します。 だがっき、打楽器、パーカッションパートです。 メランコリーな雰囲気の曲や絵が好きです。 ディズニーとハリポタオタク。 すきな果物は梨とブルーベリーです。