文京フィルハーモニック管弦楽団にとって3年目が終わろうとしています。今年は年2回の演奏会や合宿など、昨年以上に盛りだくさんな一年でしたねぇ。
私はこの楽団を立ち上げる時に、3年目までの計画は立案済みでした。というのも、アマチュアオーケストラは立ち上げて3年までに空中分解することが多い、と聞いていたからです。
その意味では最も注意が必要なのが「来年」だと思っています。
楽団としての色々な問題点や老廃物が出て来るのがこの1年。人間関係でトラブルが起きるのもこの1年。音楽性や方向性でぶつかるのもこの1年。
私はそういうものが起きないように目を配るのではなく、そういうものは起きてもいいと思っています。そういうものが起きた時に、破壊的にならずにみんなで障害を乗り越えて行ければ、この楽団は本当に100年続くと考えています。
09年は2つの大きな目標を掲げましょう。
もっともっと、今まで以上に密度の濃い練習をしましょう(その為には楽団員の出席が必須です)。そして、自立運営の楽団になりましょう。楽団の運営のすべてを楽団員で負担して、基本的なことは全て自分たちで出来るようになりましょう。
この目標を来年は目指したいと思います。
さて、08年ですが、とてもよい1年だったと思っています。2回の演奏会は演奏的にも内容的にも、うちの楽団らしいものだったでしょう。エロイカの演奏はとても立派なものでした。映画音楽やくるみ割り人形も、いままでのクラシック音楽とは違って、肩の力の抜けた楽しい演奏でした。
これこそが、私が年2回演奏会を計画した理由なんです。音楽は多様なものですが、その本質は一つです「表現したい感情」なんです。楽しさや悲しみや喜びを表現するのが音楽なんです。そして、人間に色々な人がいるのと同様に、音楽も色々あるんです。
「ベートーヴェンはこういうもの」というのは思い込みです。ベートーヴェン自身だって多面的な複雑な人間だったはずです。単一の門切り的な解釈は浅薄なる短慮です。その点、うちのエロイカは他にない、うちだけのエロイカでした。これだけでも充分に価値があると思います。
本当に楽団員の練習熱心さ、音楽に対する純粋な姿勢には頭が下がります。アマチュアオーケストラは誰の為でもなく、自分の為に活動をするのですが、その一方でオーケストラというのは自己犠牲と協調の賜物でもあります。
まだ、始まってたった3年のオーケストラですが、これが5年10年20年と続いて行くことにより音楽的にもっと高いところへ行くだろうし、高い音楽性というのは「楽しい」ものです。
今年1年本当にお疲れさまでした。そして、来年ももっと頑張りましょう。
そして、来年はもっとうちのがくだんのファンが増えるようにみんなで頑張りましょう。
About NO Masaharu
元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。