楽典

今月から月に1回、分奏の時間を使って「楽典」の勉強会をすることにしました。
楽典―理論と実習楽典―理論と実習
著者:石桁 真礼生
音楽之友社(1998-12-10)
販売元:Amazon.co.jp
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アマチュアオーケストラに入ってくる人のうち、特にうちのオーケストラは大人になってから楽器を始めた人が多いです。そういう人がオーケストラのお作法を知らないのは仕方の無いことだと思いますが、「楽典」の勉強を全くやっていない人が多いのには驚かされます。
小学校や中学校の音楽の時間の知識だけでオーケストラの曲が演奏できるというのは、これまた大いなる幻想と勘違いです。楽器は大人になってから初めても結構ですが、同時にこの「楽典」の勉強は絶対にやっておかないとなりません。
ところが、こういうことを教える音楽教室というのは本当に少ないし、私の知っている限り、楽器の演奏法を教える先生はいても、一緒に楽典について教えてくれる先生は皆無に近いのではないでしょうか?
これは交通法規を知らないで車の運転をするようなものだと私は思うのですが、違うでしょうか?
楽典というのは音大受験の参考書ではありません。音楽をやる人が絶対に知っておかなくてはいけない基礎中の基礎だと思います。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

アマオケと楽典

楽典

突然ですが、楽典持っていますか?持っていなくても読んだ事ありますか?
私は日本の音楽教育には常に疑問を持っているし、教育アカデミズムや学閥主義などくそくらえと思っています。どんな大学を出たか、どんな師匠についていたかでその人の音楽性を判断されるなんてナンセンスです。
さて、とはいえ、「楽典」これは読んでおきましょう。上で紹介した物の他にも「やさしい楽典」とか「演奏のための楽典」などこのての本はいっぱい売っていますので、自分で手に取って取っ付きやすそうな物をとにかく一冊買って読んでみてください。
音楽というのは非常に精巧に計算されて作られています。その仕組みが分からなくても音楽は出来ますが(身体の仕組みを理解していなくても生きていけるのと一緒です)仕組みが分かると「無駄」がなくなります(ついでに言えばくだらない迷信もなくなります)。
この仕組みを理解した上で、芸術の持つ精神性や時が作り出す奇跡などが生きて来るわけで、適当にやっていて偶然出来た物を喜んでいるのとはわけが違うわけです。
ジャズの奏者に楽典はおろか楽譜も読めないのに素晴らしい音楽をする人がいます。でもそれは天才だからです。そうでないなら、ある程度基礎的な勉強は知るべきだし、知ってい損はないと思います。
指揮者になろうという人間が「指揮法教程」を読んでいなければ、何にも知らないのと一緒です。音楽をやろうという人間が「楽典」を読んでいないというのは、それが例えアマオケ奏者であっても恥ずかしい事だと思います。
いや、逆にアマオケ奏者だからこそ「楽典」は必須なんだと思います。

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I got rhythm.

2晩じっくり考えたので、もう答えは出ましたでしょう。
正解はリズムです。何故ならハーモニーもメロディーもそれ単独では音楽としては成り立ちません。しかし、リズムはリズムだけで音楽になります。
例えば、我々が歩いているとき、そこに一定のリズムがあれば、それは音楽と言えるかもしれません。
うちの楽団に限らず、音楽の初心者の演奏で、演奏としての最大の欠点を指摘できるとすれば、それは大抵「リズム」にあると私は思っています。
凄く分かりやすく言えば、皆さんは音を間違う事をとても嫌いますよね?でも、音符の間違いなんて一瞬で過去へ過ぎ去って行くんです。しかし、音を間違ったり、管楽器の場合音が出なかったりして「演奏し直す事によりリズムが崩れる」と、音楽は崩壊し、ひどい時には止まってしまいます。
リズムはただ単に時間が流れるだけではないんです。音楽に命を吹き込むんです。どんなフレーズをやっていてもそこにリズムが感じられないと、単調な曲に聞こえます。長い伸ばしのフレーズをやっている時も、下手くそは単に伸ばすだけですが、上手な人はそこにリムズを感じさせてくれます。
「スイングしなけりゃジャズじゃない」という言葉があります。ジャズの本質の核にはスイングがあるという事です。
繰り返します。音楽には明確にリズムが必要ですし、ないもの(ただ単に楽譜をなぞっているもの)は音楽ではないんです。

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四声について

四声といっても中国語の発音の話しではありません(笑)。
スコアの読み方が分かりません。という話しをよく聞きますし、スコアの読み方なんて本が売られているくらいなので、これは特殊な話しかと思いますが、私はそうではないと思っています。
もちろん表現をする上でのスコアリーディングならば、それは作曲の技法について理解していないといけないでしょうし、和声や対位法、管弦楽法も知っていないと、「何がいいたくてそう書かれているのか」は理解出来ないでしょう。
でも、今日の話しはそんな小難しい話しじゃないです。
基本的に音というのはそんなにいっぱいあるわけじゃないんです。基本的にはドからシまで7音だし、プラスして5個の黒鍵分で12音しかないと思って凄く乱暴にいえば、言えちゃうんです。
そして試しにキーボードでもピアノでもいいですから、12個全部鳴らすと当然吃驚するような和音が鳴るんです。
因みにアマオケでも「不協和音出しちゃってすいません」的な話しをする方が多いのですが、音程がずれているのと不協和音とは全く別なものであることは書いておきますね。
さて、和音ということでいうと、まずは誰でも3和音はご存じでしょう。例えばドミソ(中居君が良くやっている奴です(笑))。これはC-durの主和音です。協和音ですね。7thのコードにするということで、シを加えるとドミソシになりました。
これで12音のうち4つ使いました。1/3です。ここから9番目のレとか11番目のファとか使おうと思えば使えるんですが、段々音が濁ってきます。オケをやっていると、特に管楽器の人で自分の音が周りとハモらなくて「合っているのかなぁ?」と思うことがありますが、作曲は綺麗な協和音だけで曲を作ってるわけではないのです。
不協和音を利用して音に色を付けていくわけです。
とはいえ基本的には3声か4声くらいで古典派の曲は作られているわけで、スコアを見て20パートもあるからといってそれぞれのパートが全く勝手な音を出すわけではないし、出せない仕組みになっていることはもうご理解頂けたと思います。
混声合唱団だとパートが4つにわけられていて、ソプラノ、アルト、テノール、バスとなっていることがありますが、基本的にはオケもそんなもんです。ワグナーなんかで5声や7声の複雑な曲もありますが、例えばベートーヴェンの7番の最初はラとド♯とミの3つの音しか鳴っていないんです。
スコアを見る時の最初のポイントは「その時なんの和音なのか?」という点だと思います。全部で何声あって自分は何番目の音を担当しているのか?そこを理解していけば、音程も取りやすいですし、役割を理解する一助にもなるでしょう。

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音楽検定

オーケストラの105人
以前紹介した「ワニのオーケストラ入門」が評判がよかったので、もう1冊私のお気に入りの絵本を紹介します。「オーケストラの105人」です。楽団員が演奏会に行くまでの様々な様子を紹介した本で、正直に言えば、茂木さんの「オーケストラ人間学」を読むよりもよっぽどオーケストラの実体を表しているような気がします(ワニのオーケストラ入門もそうですけどね)。
さて、今日は「音楽検定」を受けてきました。5級から1級まであるのですが、今回初受験ということで3級を受けることにしました。あまり検定内容を勉強することもなく、2週間前から楽典を読み返すくらいしか勉強しませんでした。
60分の検定時間中最初の30分は音楽を聴きながら回答し、残りの30分は文章問題でした。3級はすべての回答がマークシート式でしたので、受験はし易いと思いました。ただし内容は3級でも相当難しいです。
最初は音楽を聴いて音楽のジャンルを答えます。古典派とバロックの聞き分けが出来ないとなりませんし、地唄、長唄、義太夫の選択肢があったりもします。ロックやジャズも出題されるので、幅広い音楽の経験が必要だと思いました。
次は世界各国の音楽を聴いてどこの国かを当てます。モンゴルの音楽やヴィエトナムの音楽なんて分かりますか?
その次は楽器を選ぶ問題です。津軽三味線と地唄三味線と義太夫三味線の違い分かりますか?トロンボーンとホルンとテューバの違い、私は分かりますが、弦楽器の人はどうでしょう?
ここまでは3沢ですし、音楽の問題というよりは経験である程度は回答出来ると思いました。
次は5曲聞きますが、その編成を当てます。編成は画で描かれていて、弦楽四重奏、フルート五重奏、クラリネット五重奏、オーボエ五重奏、木管五重奏、ホルン六重奏、弦四部+ホルン、クラリネット、ファゴットの編成の中から当てます。途中から参加する楽器もあるので、最後まで結構迷います。
次は楽譜が3つ書かれていて、聞こえてくる曲がどの楽譜か当てるものです。これはソルフェージュが出来ない私にはお手上げでした。最初の1曲は音型が違ったので私でも分かったのですが、2曲目はそもそも短い時間で楽譜にどう違いがあるのかも分かりませんでした。音が半音違っても私にはなんのことやら(苦笑)。
次も曲中の楽譜が抜き書きしてあってどのように弾いたかを選ぶ問題でした。3問ありましたが、半音の違いが分からずに(違いは分かるのですが、どの譜面かは分からずに)お手上げでした。
その次も曲を聴いて書かれた楽譜を選ぶ問題、4問ありましたが、私がはっきり分かったのは最後の1問の「アーティキュレーション」の正しいものを選ぶ、というやつだけでした。ソルフェージュ出来ないことがこれほど恨めしいと思ったことはありませんでした。
逆にアーティキュレーションは指揮者にとっては毎週楽団の音を聞いて訓練しているので非常に簡単でした。
この後から段々暗闇ゾーンになってきます(笑)。
まずは曲を聴いてその終止形を当てます。完全終止、半終止、偽終止の違い分かりますか?そして次のそれを譜面の中から当てます。
その次は、コード進行を当てます。これもピアノの練習を熱心にやっておけばよかったのですが、ここ半年全然触っていないので全く適当でした。
このゾーンの最後の問題である曲を聴いてリズムを当てるという問題は多少分かったと思います。8ビート、シャッフル、16ビートの違いくらいなら何とかなりますから。
ここまでで聞いて答える問題は終わりです。結構ボリュームありました。
次の問題はコードネームと音符を合わせる問題でした。鍵盤の画を描いて一生懸命数えましたよ(笑)。これは知識さえあれば誰でも解けると思いますが、Adimのコードの作り方が全く分からなかったのですが、いま考えると他のやつをちゃんと分解して、違うやつを選べばよかったですね(苦笑)。
譜面を完全4度低くした譜面を選ぶ問題。これも知識があれば大丈夫。
この後4問は譜面の和音を答える問題。増三和音とか長三和音とかいうやつです。その次は2音間の音程を答える問題。短6度、長6度、減6度とかいうやつです。更にト短調と同じ調号の長調を選ぶ問題。ト短調の属調を答える問題。
最後のゾーンは文章を読んで答える問題。特に音楽が出来なくても社会常識で答えられる問題が5問でした。
次の6問は表が出ていて、作曲家の名前や紹介が空欄になっていて選択する問題。生まれた順に並べる問題もありました。ヘンデルやロッシーニは分かりますが、ピアソラを選ばなくてはならなかったり、山田検校、生田検校、世阿弥の中から選ぶ問題は完全に山勘で答えました。
生まれた順番に並べる問題が次に来て、残り2問。
最後は社会問題で、アップルが始めた音楽配信サービスの名前を答える問題と、著作権のうち、人格的な利益を保護するものを答える問題でした。
これで全60問なのですが、私は5分くらい余った感じで、お腹いっぱいでした。
結構骨のある問題が多いですが、一度受験してみて客観的な音楽の知識を確かめてみてはいかがでしょうか?因みに私はこの上の級だと手も足も出ないと思いますので、3級止まりということで(笑)。

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音楽検定

音楽検定3級洋楽系の受験票が来ました♪
私は受験票が大好きなんです。なんか成功へのチケットというか、チャンスの扉をくぐる為のパスポートみたいな気がするからです。勿論勉強はしなくてはいけないし、簡単にはくぐれないことは分かっていますが、それでも「努力してくぐれば」その先には合格なり認定書なりが待っているわけです。
私は資格マニアというわけではなくて、単に自分の到達度を客観視する為の尺度と考えています。実際にはバッハもモーツアルトも音楽検定なんて持っていないわけですし、アメリカ人が英検持っているわけでもないですからね。
いま大学院の「才能教育論」のテキストを読みながら、楽典も読み直しています。7番の譜面は通勤時と昼休みという感じで時間がいくらあっても足りないんですが、諦めずに少しずつでも進んでいければと思っています。
明日土曜日ですね!私は毎週土曜日が待ち遠しくて仕方がありません。みなさんもそうだと凄く嬉しいです。

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音の作り方(その2)

オーケストラに限らず音楽の練習って次の4つのことしか練習出来ないんです。
1)音の高低
2)音の長短
3)音の大小
4)音色
これだけ、たったこれだけなんです。アンサンブルは?フレージングは?ニュアンスは?色々ありますが技術的に出来ることって上の4つに集約されるんです。
私の練習はとてもシンプルだと思います。シンプルに練習することを好みます。楽譜の読み方も同様です。最終的には深く複雑なところまで到達しますが、まずはシンプルに解きほぐしていきます。
上の条件でいえば、まずは私が重要視するのは、音の大小、強弱です。これが一番付けやすいからですし、逆にいえばアマオケで最も軽視される部分だからです。次に音の長短です。合奏の頭が揃うかに関していえば、休符の長さが揃っていれば揃うわけで、しつこいようですが、休符も音符ですから、縦を揃えるのもここにかかっています。
そして次にようやく音の高低です。音楽をやっている人で「音程命」という人多いですよね。私もそこを軽視するわけではないですが、音程を気にするあまり他のことが全く疎かになっている人を見て呆然とすることがあります。
音楽的な休符を取ることは音楽的なセンスがあれば、割とたやすく出来ますが、楽器が出来て頭を使わない人は恐ろしいほど非音楽的なブレスを取ったりします。初心者やブランクのある人が多いうちの団としては音の高低はそれほど重要視しません。
いや、語弊がありますね。重要視はしますが、プライオリティは低いです。音痴な楽団ではお客さんに対して失礼だし、第一合奏していて気持ち悪いですからね。でも、その前にすることはいっぱいあります。
そして、最後に音色です。音色って、音楽は光と一緒で綺麗に波長が揃って混じれば透明になるんです。ちょっと位相がずれると色が付いてくるんですね。そしてオーケストラは人間がするものですから、そこに集う人によっても音色は変わります。
私の大好きなデューク・エリントンは楽団のメンバーに合わせてソロの割り振りをして曲を作ったそうです。私も楽団のメンバーのとを混ぜ合わせて音作りをしていこうと思っています。
その為にも必要なのは楽団のメンバーの音楽性なんです。是非みなさんのことをもっと聞かせてください。

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AとE

私は大学で英語学を勉強していたのですが、真面目に勉強しなかったものですから、未だにまともに英語もしゃべれません。でも、語学は昔から大好きで、今でもNHKの語学講座をフランス語、ドイツ語、アラビア語、イタリア語、ロシア語と1週間に5カ国語分勉強しています。
音楽をする人はドイツ語とイタリア語の基礎くらいは勉強しておいた方がいいと思います。何しろ殆どの楽譜の指示語はドイツ語かイタリア語ですから。
私は海外に旅行に行ったらなるべくそこの国の言葉を使いたいと思っているのですが、同様にドイツの曲をやる時は、なるべくドイツ語を使いたいですし、イタリアの曲ならイタリア語でやりたいと思っています。
基本的に「何語であるべきだ」ということではないのですが、なるべくなら「その雰囲気」を大切にしたいと思っています。
音名はドレミファソラシド(これはイタリア系およびフランス系の呼び方です)という以外は、CDEFGAHをドイツ読みします。ツェー・デー・エー・エフ・ゲー・アー・ハーです。シのことを英語ではBといいますが、ドイツ音名ではHハーと読みます。
これを日本ではハニホヘトイロハと呼んだりしますが、私はそうはしません。ハ長調は特に何か理由がない限り、C-dur(ツェードゥア)と読みます。長調は-dur(ドゥア)で短調は-moll(モール)です。
C#は英語では(シーシャープ)ですがドイツ音名ではCis(ツィス)です。嬰ハとは私はいいませんし、D♭(ディーフラット)はDes(デス)で、変ニとは私はいいません。
そんな私でも紛らわしいのはEをドイツ音名ではエーと読むことです。頭では分かっていても「エー」といわれるとAだと思ってラの音を出したりしてしまいます(笑)。
因みに「練習」はドイツ語で『プローベ』、「休憩」は『パウゼ』、覚えておいてくださいね。

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