オーケストラの配置というのは誠に深遠な問題で、通常は舞台向かって左側にファーストヴァイオリン。隣にセカンドヴァイオリン。ヴィオラ、チェロ。チェロの奥にコントラバス。
管楽器は、一列目左側にフルート、右側にオーボエ、二列目左側にクラリネット、右側にファゴット。三列目左側にトランペット、右側にトロンボーン。ホルンは2列になってクラリネットとトランペットの左側に。ティンパニは管楽器3列目の後ろに。
勿論この他にも色々なパターンがありますが、大体こんなところですね。
私は伝統には敬意を払うのですが、それを無条件には受け入れません。何故そうなのか、自分なりに納得しないと嫌なタイプです。
以前にシューベルトの未完成を振った事があるのですが、その時はヴァイオリンの両翼配置をやりました。ファーストヴァイオリンとセカンドヴァイオリンを向かい側に配置するんです。
これが見事に失敗して、ファーストとセカンドがずれまくる事ずれまくること。当時の私はいまよりももっと指揮が下手だったので、どうやって離れた位置にいる奏者を揃えられるか分からなかったんですね。
さて、うちのオケの練習ですが、まぁ、練習を開始して2ヶ月になり、かなり曲にも馴れて来たとは思いますが、どうもアンサンブルと言うか、合奏が出来ていない。みんながそれぞれに自分のパートを演奏しているだけで、それが「合って」いない。
勿論パート練習やセクション練習をしていないので、そこにも原因があると思うのですが、折角大勢の人が集まっているのですから、人数が揃わないと出来ない練習をしたいと思っています。
今日はトランペット、ホルン、打楽器が全滅でしたので(ホルンはあとで来た)木管の4パートを教室の4隅に配置して、ファーストヴァイオリンを右側、チェロを真ん中、その後ろにセカンドヴァイオリン、左側にヴィオラとコントラバスという、いつもと全然違う場所に座ってもらいました。
例えば、木管の4パートはいつも近寄って演奏をしているので、どうしても合図は小さくなるし、お互いを聴こうと意識しなくても聴こえて来たりします。でもその体形のまま距離を離したらどうでしょう?
いままでよりもより大きなザッツが必要になるし、より注意して聴かないと合いません。
弦楽器もいままでとは違う位置で違う音の聴こえ方、違う指揮者の見え方で、演奏はしにくかったでしょう。
この練習の意味は単に場所が違うと演奏がしにくい事を理解してもらうのみならず、どんな場所にいても大切な「聴き合う」「周りをよく見る」という合奏の基礎的な能力を再認識してもらう為です。
因に今日の合奏は本当にまとまって聴こえました。うちのオケは私が思っているよりは合奏能力があるようで、その意味では普段もっと集中して練習しましょう。やれば出来るんですから(笑)。

About NO Masaharu
元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。