オーケストラとお金

私の所属するオーケストラは勿論アマチュアオーケストラ。つまりそれによって収入がない、または家計を維持する為ではない活動をしているという定義付けが出来ると思います。
「好きな事を仕事にするな」という格言がありますが、アマチュアオーケストラは「音楽を楽しむ」という事に関しては、お金が絡まない分ピュアでいられるわけですが、その分人間関係で悩んだりするのもアマチュアの特徴ではないでしょうか?
さて、先ほどテレビを見ていたら、色んな職業の年収を比べる番組をやっていて指揮の飯森範親さんが紹介されていました。
自分がプロの音楽家になる事なんか考えた事もないので音楽家の年収なんて気にもしていなかったんですが、飯森さんの年収はなんと4000万円!
高いですか?安いですか?
私はちょっとびっくりしました。飯森さんはいい指揮者だと思いますが、世間一般からするとさほど有名というわけでもないでしょう。歳だって私より少し上ですから、その人がそんなにもらっているなんて驚きました。
例えば彼よりも歳もキャリアが上の人たち、外山雄三さん、秋山慶和さん、井上道義さん、広上淳一さん、小林研一郎先生、若杉弘さんなんて一体いくらもらっているんでしょう???
勿論、指揮者の仕事の内容を考えたら実は飯森さんの4000万円は決して高いものではないと思います。高い技術を持った音楽家100人をまとめるわけでその意味では、音楽に関する一番高い能力を持った人が指揮者であるべきで、その意味ではこの金額は安いのかもしれません。
さて、ちょっと気になって一方のオーケストラプレイヤーがどれくらいなのか調べてみました。今はそうではないようですが、ウィーンフィルなどは基本的に無給だと言われていますが、日本音楽家ユニオンの2003年の調査によれば、N響が年間総経費32億円弱、楽団員111人、読売日響は同21億円、93人、都響も19億円、96人と日本のプロオケでは群を抜いて大きな規模なのだそうです。
楽員の年収も最高額はN響の年額1000万円(45.3歳)、続いて読売日響767万円(43.6歳)、都響733万円(45.5歳)と御三家がトップに並び。低いほうは関西フィルの220万円(特別契約などを除く、40.9歳)、山形交響楽団の383万円(38.2 歳)などで、400万~500万円台が一般のようです。
プロオケの奏者が500万円くらいしかもらっていないのだとしたら、今の私とあまり変わらないわけで、可哀想だなぁと思ったりもします。とはいえ、逆にN響は平均1000万円ですけど、多分コンサートマスターなどは飯森さんに近いくらいもらっているでしょうからねぇ。
ちょっとだけ話しは変わりますが、私は以前出版社に勤めていた時に、競馬が好きだったんで、競馬の仕事に立候補した事があるんです。念願の海外向けの競馬の広報誌を作る事になったのはいいんですが、結局休みの日も仕事の事を考える事になり、純粋に競馬を楽しめなくなっちゃったんですね。競馬界の裏も少し覗いちゃったりしたし。
それ以来私は基本的に好きな編集の仕事は続けていますが、あまり自分の好きな物には近寄らないようにしています。だから、多分私が音楽を職業にしたらやっぱり楽しめなくなっちゃうんだろうなぁ、とそう思います。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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