室内楽の練習

5月1日に文京フィルハーモニック管弦楽団創立10周年記念演奏会第二弾として、室内楽の演奏会を行います。あ、相変わらず体調が悪くて、酒が全く美味しくないという情けない指揮者ひともぢです。

オーケストラの原型が室内楽、特に弦楽四重奏にあることは、ちょっとクラシック音楽に詳しい人なら誰でも知っていることだと思いますが、簡単に言えば、音楽は4声、ソプラノ、アルト、テナー、バスという混声四部合唱の編成が基本になっていて、それを楽器に置き換えると、ヴァイオリン1、2、ヴィオラ、チェロの弦楽四重奏になるわけです。

人間が一度に聞き取れるのが、大体4声部くらいだと言われていて、ワーグナーなんて人は7声部も8声部も書いていて、豪華なことこの上ないのですが、人間には「わーんとなっている」としか聞き取れない人も多いようです。

人数が100人のオーケストラになっても、大抵の場合は四部が守られていて、それを各楽器が音色や音量で組み合わさるというのがオーケストラの仕組みなのです。

演奏する方も、実はオーケストラだと、ファーストヴァイオリンが20人近くもいて、3人くらい弾いていなくても、全然影響がなかったりするわけです(あくまで、うちのオケの場合、ですよ(笑))。しかし弦楽四重奏だと、すべてのパートが一人ですから、その重要度は増すわけです。

お互いを聴き合わないといけない。音程もシビアになる。何よりもそれぞれの人のニュアンスをどう揃えていくかで、演奏にも雑音にもなるわけです。

プロは、楽器を使って、会話をしながら演奏できますが、技術の拙いアマチュアはそうは問屋が卸しません。走っちゃう人、間違えちゃう人、落ちちゃう人。

昨日は、本番前に1ヶ月一度行っている全体発表を行いましたが、演奏会1ヶ月前だというのに、ほぼ現代音楽にしか聞こえないチームが1/3。練習が足りていなくて、5歳児のエリーゼのために張りの演奏が1/3。なんとか一生懸命練習していて、あと1ヶ月仕上げられそうなのが1/3と結果がはっきりしてきました。

技術的なことは、昨日今日で格段の進歩はしませんが、まずははっきり自分の意思を主張して、みんなと音楽を通じて会話をしようとしている人は、先月よりははっきり上達しています。

丁寧に個人練習だけしていても、室内楽は上達しません。個人練習をするのは当たり前ですが、何よりも、とにかくチームで練習することです。この回数が、いい演奏か、雑音かを分ける分水嶺になります。

あと、1ヶ月でどれくらい仕上がるか?そして室内楽で演奏会をやった文京フィルが、本来のオーケストラ合奏に戻った時に、どれくらい音楽力が高まっているか?音楽監督としてはとても楽しみになってきました。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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