演奏会は一期一会

何度も書きますが、うちの楽団は「演奏会」のための楽団ではありません。
毎週の練習を繰り返す事により、上達を目指す楽団です。その1つの目印というか、達成度の目標として演奏会を設定しています。
そして、これまた毎回の演奏会の時に楽員に話をしているのですが、「演奏会は一回だけ」です。同じメンバーで、同じ場所で、同じお客さんが入って、同じプログラムをやるという事は絶対にありません。絶対に、絶対にないんです。
演奏会は一期一会です。だからこそ心の底から楽しむ事にどん欲になるべきだし、心の底から音楽を楽しんで、お客さんに喜んでもらう事が大切なんです。
音楽をお客さんにお聴かせするわけですから、絶対的にいい演奏を聴かせなくてはなりません。しかし、それはプロの技術で、という事ではないんです。プロの技術はプロの演奏会を聞きに行けばいいんです。
我々は、我々の出来る最善を尽くすんです。
Do each one’s best.
これが大切なところです。
出来なくてもいいんです。自分のベストを追求してください。
でも、逆に普段で来ているところを本番でしくじらないようにはしてください。自分には負けないでください。油断しないでください。
そして、もう一度書きます。
楽しむ事が一番、一番大切です。楽しむ事を忘れないでください。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

うちのオーケストラらしい事

うちのオーケストラが技術的にへたくそである事は議論を待たないのですが、それでもなんで、毎週毎週一生懸命練習をしているかといえば、それはやっぱり音楽が楽しいからなんでしょう。
とはいえ、音楽という芸術は曲を書く人、演奏する人、それを鑑賞する人の3者が揃わないと完成しないわけです(もちろん書かれた楽譜に芸術的な価値があるわけですし、そういう意味の曲もありますが、一般には演奏されて、鑑賞されて意味をなすわけです)。
だから、楽しければそれでいい、という事はなくて、常に聞いてもらえる人にも音楽の楽しみを提供できるように、技術的に向上して行かなくてはならないわけです。
これは音楽をするものの責任で、下手くそでもそれでいいのではなく、下手くそだろうが、上手だろうが常に「向上していかなくては行けない」のが音楽の宿命なんだと私は思います。
うちのオーケストラは私の知る限り2010年アマチュアオーケストラでは一番早くニューイヤーコンサートをやります。
昨年は年末に映画音楽とバレエのクリスマスコンサートをやりましたが、アマチュアだから集客を気にせず、いろんな事が出来るのは強みだと思っています。
いろんな音楽をやって行きましょう。いろんな演奏会をやって行きましょう。既成概念にとらわれず、音楽界の常識にとらわれず、我々らしいアプローチをしていきましょう(色物に走るという意味ではありません)。
我々は、我々でなくては出来ないものを求めて行く。
ここに大きな価値がある事をいつも忘れないようにしましょうね。

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エンターティンメント

今日は、姉妹楽団の文京区交響吹奏楽団の定期演奏会でした。
今回はなんと4部構成。吹奏楽オリジナル、マーチ特集、スタジオジブリ特集、そして松田聖子特集。なんと2時間半にも及ぶ長いステージでしたが、毎回毎回本当に楽しい演奏会を開いてくれます。
文京区交響吹奏楽団の楽団長は私の友人ですが、彼は「楽しむ」という事を中心に物事を組み立てる事が出来る人間です。
演奏している人間が楽しめるように、そして聞きに来てくれたお客さんが楽しめるように、そして、自分自身が楽しめるように、いつも最大限そこにポイントを置いているように思います。
彼は自分の楽団のみならず、うちのオケとの交流も常に考えてくれていて、前回はうちの演奏会で幕間に演奏を披露してくれて、今回は私たちに幕間演奏のチャンスをくれました。
うちの楽団からは4組が出演しました。どのチームも練習を一生懸命にやったのでしょう、なかなかいい演奏だったと思います。
しかし、ビデオのファインダーから見ていた限り、本当にアンサンブルで演奏する事の意味が分かっていたでしょうか?
アンサンブルで幕間に演奏する事の本当の意味は、観客を楽しませ、自分たちが楽しんで演奏する事です。自分たちは楽しかったようですが、本当に観客を楽しませるエンターティンメント性はあったでしょうか?
私は選曲や、曲の時間を含め、ステージ上の皆さんの様子についても、まだまだだと感じています。
自分たちの演奏会の時にもアンケートに書かれますが、ステージに乗ったら演奏者としてパフォーマーとして、もっと堂々とすべきだし、所作や振る舞い、挨拶の仕方は歩き方。
もっと言えば、皆さんの表情に楽しそうな雰囲気が感じられなかったのは私だけでしょうか?
緊張した面持ちの奏者の演奏を聴く方がリラックスできるでしょうか?
今回はいい勉強になりました(次の機会がもらえるかどうか分かりませんが)。私自身はこの事をしっかり考えて、次の演奏会で如何にエンターティンメントを追求してみようと思います。

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第6回定期演奏会決定!

第6回定期演奏会が決定しました!
2010年9月20日月曜日・祝日13時半開演。
晴海の第一生命ホールです。
パチパチパチ!
カザルスホールに続いて、超名門ホールです。キャパも700台とうちの楽団にはちょうどいい感じです。
プログラムは既にご案内ですが、
前プロとして、世界初演の小田倉光司さん作曲「旅路」
中プロでモーツアルトのピアノコンチェルト20番。ピアノソロは三代川恭子さん
メインはチャイコフスキー作曲交響曲5番
バラエティに富んでいて、なおかつチャレンジングなうちの楽団らしい、いいプログラムが組めたと思っています。
これから1年掛かりで曲に取り組み、今までよりも少しでもいい演奏会にするために、楽団一同、一生懸命練習しますので、楽しみにしていてくださいね。

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優雅に上品にチャーミングに。


クライバーのトリッチ・トラッチ・ポルカ。
はぁ、ため息が出るほど優雅で上品な演奏です。しかもチャーミング。
これこそが、我々の楽団がニューイヤーコンサートで目指すものです。速いポルカに血走らせた目で楽譜を睨みつける演奏ではありません(笑)。
楽器の演奏もそうですが、楽譜、特に繰り返しと、ダルセーニョ、ダカーポが頭に入っていない楽員がまだいるようです。
演奏会4ヶ月前です。練習もあと20回はありません。やみくもにさらうのではなく、きちんと目標と計画を立てて練習してみましょう。

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次の次へ

うちのオーケストラは1回目と2回目は正統なオーケストラのプログラムを演奏会で披露しましたが、昨年の12月は映画音楽やバレエなど、少し色物的なプログラムを披露しました。
今後1回おきに正統プログラムと色物をやろうと思っていて、5月の演奏会を正統プログラム、今度の1月の演奏会はニューイヤーコンサート(色物)です。
その次は来年の9月正統プログラムで、そのあとは(2011年)5月になるので、ここはもう1回正統プログラムを組もうと思っています。
うちの楽団は2年で3回の演奏会をする事が評議会で決まったので、今後2回正統プログラム、1回色物という頻度にしようと思っています。
さぁて、それでは2012年の1月はどういうプログラムで行こうか?
実は、色物プログラムに関しては既に2回先まで考えてあります。
これは、楽団設立時に最初の5年間に関しては活動の青写真を書いてあったからなんですね。
まだ、ここで発表するわけにはいかないんですが、きっと楽員にもお客さんにも楽しんでもらえると確信しています。
だって、この私が楽しんでいるんですから(笑)。

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第3回定期演奏会のDVD

うちの楽団は都内でも指折りのへたくそな楽団ではありますが、演奏会のDVDの出来は都内有数との自信があります。
何たって、在京テレビキー曲の現役編集者の編集ですから、音を消してみていれば殆どN響アワーです(ちょっと言い過ぎ)。
第3回定期は昨年12月に映画音楽とバレエのくるみ割り人形をプログラムして、クラシックに馴染みのない人にも文京フィルのファンになってもらおうという演奏会にしました。
アンケートでも好評をいただき、いい演奏会だったとは思っていますが、改めて、半年経って振り返ってみると、最初のスターウォーズなど木管も金管も一度として正しい和音が出ていない(号泣)。
007から徐々に調子は出て来たようですが、それでも全体的にはやっぱりお粗末なというか、音が解け合っているというよりはぶつかっているような演奏だったことは事実だと思います。
でもね、この結果を今後の演奏活動に生かして行けばいいんです。
今度の1月のニューイヤーコンサートは柔らかいいい音色で演奏しましょうね。
それにしても、このDVDちょっと販売したくなるほどの映像なんですよ(あくまでも映像)。

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敵はジョルジュ・プレートル!

少し前にボスコフスキーについて書きましたが、2010年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートはジョルジュ・プレートルが指揮することが既に発表されています。
プレートルは2008年にフランス人として初、また史上最高齢のニューイヤーコンサート指揮者として登場しました。
一般にはあまり馴染みがないかもしれませんが、私も指揮をしているのを見るのは初めてで、それまではインタビュー(カラヤンの特集やマリア・カラスのドキュメンタリーなど)を見たのと、カラスとやったオペラを聴いたくらいでした。
ところがどっこい。このお茶目なフランスのおじいさんは、私が過去10年間で見たニューイヤーコンサートで最高の出来を見せてくれました。
基本的にニューイヤーコンサートの時は楽員はそれほど真剣に演奏していませんし、あまり指揮者を見ている、という風でもありません。それはそれでいい悪いではなくて、ウィーンフィルの楽員にしてみれば、シュトラウスはいわば自家薬籠中の物ですから、他所さまにつべこべ言われなくてもちゃんと出来るわけでしょう(笑)。
そんなことを逆手に取ったのか、ワルツはテンポゆっくり、ポルカやアッチェルのかかる部分はとても83歳の棒とは思えないキリリとした演奏を聴かせてくれました。逆に普段は指揮なんかろくろく見ていないウィーンフィルの楽員が嬉々として指揮に付けていたように私には見えました。
我々のニューイヤーコンサートは1月9日。プレートルが本番を振った8日後になります。お客さんのほとんどは1日のニューイヤーコンサートを見てから来られるでしょう。
敵はジョルジュ・プレートルです!
我々らしいいい演奏をしましょう!

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第四回定期演奏会

第4回定期演奏会が終了しました。
1年間に2回の演奏会というのはうちの楽団にとっては決して楽なことではないのですが、それでも私はこれくらいのペースでやっていくことで楽団としてのレベルが絶対に上がっていくと信じています。
今シーズン、うちの楽団は通常の練習の前に弦楽器と管楽器に別れてパート練習というものに重点を置いてきました。普通のオケなら当たり前のことでも、うちのオケはトレーナーなどがいないのでいままで指揮者一人では出来なかったことです。
パート練習は目覚ましい効果を上げて、うちの楽団は昨年よりもこの1年で技術的にまた、オーケストラとしてのまとまりが著しく進歩しました。この果実が本日の演奏会であったと私は断言できます。
実は今日の演奏会、いままでの演奏会で一番「楽員がとっちらかった」演奏会でした。普段ならやらないようなミスを連発し、落ちないようなところで落ちて、出来ているところで音が詰まる。
楽員個人個人にとってはちょっぴり苦い演奏会だったかもしれませんが、間違いなく今回の演奏会の演奏はまとまっていましたし、それぞれの曲は本番が一番いい演奏でした。
それぞれの曲について個人的な所感を書いておきます。
フィンガルの洞窟
私はやっぱり序曲は怖くて、安全運転をしてしまいました。こういう私の迷いと言うか弱気が楽員の皆さんに見透かされてしまったのかもしれませんね。
ハイドン45番告別
どうしてもやりたかった譜面灯の演出ですが、ビデオを見る限りはちょっと幽玄過ぎたかもしれません(笑)。もう少し明るくて貴族の食卓感が出ているともう少しリラックスできたかもしれません。
それと、暗くなって視界が狭くなると、演奏者はテンポが遅くなる、というのもいい勉強でした。あ、それと2楽章の繰り返しはやっぱり「やめる」という決断をするべきでした。反省しています。
シューベルト4番
アンケートでは一番評判の良い曲でした。私自身すごく達成感があります。この曲についての最大の仕掛けは「楽員のレベル向上」にありました。実はいままでの演奏会は常に管楽器のトップ奏者がメインの曲を演奏するという不文律がありました。
しかし、今回フルート、オーボエ、クラリネット、トランペットのトップ奏者はフィンガルに回ってもらい、それ以外の方にメイン曲のトップをお願いしました。
この「メイン曲のトップ」というのが演奏者にとってどれほど意味があるのかは、オーケストラをされたことがある方にとっては容易に理解できると思いますが、憧れでありプレッシャーであり、そうした思いによって引き出される練習が必ず奏者のレベルを上げてくれるんですね。
この曲を通してうちの管楽器がパートとしてレベルアップしたことは間違いありません。また、特筆すべきはセカンドヴァイオリンのレベルアップです。
うちの楽団のセカンドヴァイオリン奏者はほとんどが大人になってから楽器を始めた人で、楽器のキャリアで言うと平均して3年から5年といったところではないでしょうか?
それくらいのキャリアでオーケストラの曲を演奏するのは並大抵のことではありません。しかし、指揮者に「へたくそ」と言われ、合奏中に何度も捕まってもセカンドヴァイオリンパートはあきらめずに、地道に練習を続けてくれました。
フォルテは残念ながらまだまだですが、ピアノやピアニッシモの表現は昨年と比べると子供と大人ほどの差があると思います。
さて、アンコールのフォーレのパヴァーヌも私がどうしてもやりたかった曲です。
この曲もフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンに難しいパートが回ってきますし、ヴィオラとチェロにもやりがいのあるオブリガードがあります。
これはフォーレの優れた管弦楽法によるもので、この点ではハイドンやシューベルトも遠く及ばない点だと思います。いままでの古典派とは違い、優れた目と耳が要求され、音楽家としての見識が問われる曲だと思いますし、何よりもフルートとホルンには「勇気」の試される曲だと思います。
多少傷はありましたが、うちのオケらしい素晴らしい演奏だったと思います。
アンコールは華やかにという意見もあるとは思いますが、私は余韻を味わうためにもこういう選曲でどうしても締めたかったのです。
とにかく、今回の演奏会。本当に演奏自体は良い出来でした。運営面で大きな課題がありますし、演奏会を進めるにあたって文吹のスタッフの経験と機転と方法論に大きく助けられたのは事実です。
これを一区切りとして、まだまだ成長していきましょう。音楽が楽しくなってくるのはこれからですから。

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以前うちの楽団に在籍した方へ

今日は業務連絡です。
以前うちの楽団に在籍していた方で、第1回と第2回の定期演奏会に出演された方。楽団宛にメールをください。DVDを送付いたします。
なお、一切料金はかかりませんので、安心してメールをください(笑)。

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