テンポについて

チェリビダッケにかぶれているわけではないのですが、曲のテンポというのは色んな物理的条件によって変わるもんだと思っています。例えばその時の練習に来ているメンバーや音楽室の温度や広さ(まぁこれは変わりませんが)。
ということは当然本番のテンポは本番の会場でないと決まらないし、その時の客の入りによっても変わる、ということなんですね。
まぁ、恐らく皆さんから質問が来るのはそういうことではなくて根本的な練習のテンポのことだと思います。コンチェルタンテの2楽章はいつも早いと指摘を受けますし、7番の2楽章や3楽章についても毎回著しくテンポが違います。
それでは練習にならないという指摘は尤もなんですが、私が一番指摘したいのは「耳で曲を覚えるな」ということなんです。
うちの楽団は音源CDは配布しません。楽譜を読んでアンサンブルをしながらテンポやらデュナーミクを決めていくのが本当の音楽だし、そういう能力を鍛えるのが「演奏家」としての練習だと思うからです。
実際私は途中で皆さんのテンポをいじるということを殆どしていません(棒を見ていないので変えられないという話しもチラホラ…(汗))。皆さんのアンサンブルの中から自然に生まれてくるテンポを大切にしたいからです。
ただ、リタルダンドやなんかの時に明らかに耳で覚えたテンポで演奏しているところを見受けます。例えばコリオランのファーストヴァイオリンにそういうところがありますよね?
それは自然にでてきたテンポではなくて、「決めつけたテンポ」なので私は断固拒否します。
ただね、テンポに対して思うことがあったら遠慮なく言ってください。指揮者と楽団員とで音楽について意見を交換するのは健全なことだと私は思いますから。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

“テンポについて” への2件の返信

  1. PASS:
    andanteは 文法上は動詞andare(行く・歩く)の現在分詞という形ですね
    これは ゆったりでもなく せかせかでもなく ふつうに歩く感じかと思います
    シンフォニア・コンチェルタンテの第2楽章は ふだん練習しているようなテンポだと どうしてもせかせかになると思います
    たしかに 最終的なテンポの設定は 独奏者が顔を揃えてからになるのだとは思いますが
    でもこのテンポでは 少なくともモーツァルトの意図した楽想を表現するのが難しいと考えますが いかがでしょうか

  2. PASS:
    おっしゃるとおりですが,2点ほど。
    1つ私は歩くのが早いのでアンダンテも早いしテンポも速いです。これは自然なことだと思います。
    もう一つ,皆さん「早い」とは言ってくるんですが,「遅い」とはなかなか言ってきません(笑)。
    指揮者にしてみれば遅くても早くても…という気持ちがあります。

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