雨の日のジンクス

私は以前所属したオーケストラから数えて5年しかオーケストラの経験がないんですが、その数少ない経験の中でいくつかのジンクスがあります(笑)。
その中の一つに「雨の日はいい合奏が出来る」というのがあります。
例えば、今日。熱帯低気圧が台風になったようで、私が練習会場である文林中学校にいく頃はまだ晴れていたんですが、14時過ぎの合奏中に大粒の雨が。セクション練習に出ていない人は15時を目指して来るので、道の途中で大雨に振られているでしょう。
そんな悪条件の中でしたが、くるみ割り人形のいい演奏が出来ました。勿論全然弾けいていないところがいっぱいありましたし、穴のあるパートはいっぱいありましたが、それでも、なんというかみんなの気持ちが一つになったいい演奏だったと思います。
逆説的な言い方になりますが「雨の日にわざわざ練習に来てくれる人は、楽団や音楽に対して熱心で、そういう人が集まる雨の日はいい演奏が出来るのだ」というのが私の解釈です。
今日みたいなひどい雨の中でも絶対に練習に来い!とはいえないし、来なかった人を責めることも私はしません。しませんが、来てくれた人たちには本当に頭が下がります。
さて、今日の練習では合奏の前にDVDを見たんです。くるみ割り人形のバレエのDVDです。30人くらいの練習参加者のうち、いままでにくるみ割り人形の舞台を見たことがある人は6人くらいでした。
練習時間に限りがあったので、バレエを見た感想を楽団員から聞くことは出来なかったんですが、その後の演奏は今までの練習での演奏とは打って変わって、軽やかで躍動感のあるいい演奏でした。
演奏というのは「音を出す」だけのものではありません。演奏というのは「表現する時に音が出る」という意味だと私は思っています。裏を返せば、「ただ音だけが出ている」というのはそれが仮に美しくても、演奏とは言えないんです。
初心者には「完璧な演奏」とか「目標とする音楽」などがあって、そこに技術的に到達することばかりを目指している人がいます。
表現したいことがあるから、技術を磨く。私はこれが正しい考え方だと思っています。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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