メンデルスゾーンの休符とシューベルトのスラー

今週は私用でお休みをさせていただきました。私用というのも変か(笑)。
私はこのオーケストラを100年続けることを目標にしています。ということはいつか私がいなくなる日が必ず来るんです(私が140歳まで生きなければ(笑))。私抜きの練習が出来るように体制作りをしておく必要もあると考えています。
さて、練習は休みましたが、先週の練習録音を聴いて、思ったことを書いておきます。
先ずメンデルスゾーンのフィンガルの洞窟は、大きく2点。1つは休符です。楽譜を表記することが出来ませんので、文字で書いておきますが、フィンガルのモチーフはこうなっています。
八分休符、八分音符、八分音符、16分音符、16分音符、四分音符、四分音符で4分の4拍子です。
この頭の「八分休符」がもの凄く重要なんです。これがこの曲にパワーを与え、波の寄せては返す感じを表しているのです。
休符はお休みではありません。音を出さない音符です。ここがきちんと表現できなければ、この曲の雰囲気は全く違う感じになってしまうだろうし、この八分音符ときちんと付き合えなければ、ベートーヴェンの交響曲5番なんて絶対に演奏できません。
この八分休符を短くしかも密度の濃い休符として捉える練習をこれからやっていきます。
もう1つは。自発的に前に進むテンポ感が足りないんです。先週は非常にゆっくりやったのですが、どのパートも、特にメロディーをやっているパートが自発的に前に進むのではなく、オーケストラにもたれかかって演奏するので、曲自体から躍動感が失われました。
これはテンポを上げればある程度、解決されると思いますが、どんなテンポでも出来ないとダメなことはいうまでもありません。この点も練習しましょう。
シューベルトの交響曲4番については1つ、繰り返しどのパートにもいいたいことがあります。
それは「スラーに対する考えがない」ということです。
これは私の考えですが、シューベルトはクラシック音楽史上に残るメロディーメーカーです。メロディーメーカーという点では、モーツアルトやチャイコフスキーなどを大きく凌駕しているとさえ思います。
そのシューベルトの曲におけるスラーは、単なるメロディーの区切り線ではなく、メロディーに対する最低限必要な信号機なんだと思った方がいいです。
スラーの中を丁寧に演奏することはいうまでもないですが、スラーとスラーのつなぎはもの凄く重要ですし、なによりも「メロディー」をどう唄うか?という演奏者に対する教養が試されます。
言っていることは難しく聞こえるかもしれませんが、クラシック音楽は「楽譜通り」に演奏することが最も基本の型になります。
今日のこのポイントを押さえて、来週からビシビシやりますよ!

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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