今日はちょっと早く帰宅できたので、夕方の4チャンネルのニュースを見ていました。
十数年前に医療ミスで殆ど全身麻痺になった、ピアノの先生の紹介がありました。バリバリのピアニストが21歳という将来のある時期に、このような不幸な境遇になったのですが、彼女の生徒たちが、先生を励まし、十数年ピアノ教室は続き、先生はリハビリに励み、それまで左手がかろうじて動く状態だったのに、最近では右手の薬指と左手の人差し指で「星に願いを」を弾けるまで回復したのだそうです。
私は歳のせいか(笑)、この手の話にはとんと弱くって、ニュースを見ながら殆ど泣いていたのですが、こういう頑張っている人を見るにつけ、自分はまだまだ努力が足りないと感じます。
私は五体満足で、自分で歩けるし、手も足も動くし、話も出来る(彼女はそのほとんどが一人では満足に出来ない)。それなのに、忙しいとか、他にやる事があると自分を甘やかして、毎日をダラダラと暮らしているわけです。
車いすに乗って少ししか左手が動かないのに「ピアノを弾きたい」と言う彼女の言葉には本当に涙が止まりませんでした。
私はピアノの練習も出来るし、トロンボーンも吹けるし、指揮もしています。
そのすべてが事故や病気で出来なくなったら、果たして私は彼女のように前向きに生きていく事が出来るだろうか?
「生きてるだけで丸儲け」というのは明石家さんまさんの座右の銘で彼のお子さんの名前の元になった言葉ですが、今日ほどそれを感じた事はありません。
私たちはもっと、自分の現状に感謝して、前向きにそしてひたむきに努力をしていかないと、音楽の神様にしかられると思うのです。
ピアノの先生は、口も不自由なのに、生徒に「音楽はそんなに甘くない」と五十音表を順に指差しながら指導していました。
「音楽はそんなに甘くない。」心に刻んでおきたいと思います。
About NO Masaharu
元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。