技術ありき

実は私の会社では昨年企業として農場を持ち、生産を始めました。その中で、最近聞いた話ですが「やはり農業も技術なのだ」そうだ。
センスだとか、得体の知れない肥料だとか、モーツアルトを聴かせるとか、そういうことではなくて、やっぱり基本的なことをきちんと考えてやっている人が、いい野菜や果物を作るのだそうです。
なんとなく、さじ加減だとか、長年の経験だとかで片付けがちですが、多くの農家さんが「やっぱり技術ありき」だと言っているそうです。
エジソンは「天才は99%の努力と1%のひらめきだ」と言ったそうですが、これはそのまま音楽にも当てはまると私は思います。
音楽や楽器の演奏も、感覚だとかセンスだとか、雰囲気だとかで片付けがちだし、運動神経や若さなんかで理由付けをしようとする人を多く見ますが、実際には音楽も技術です。
藤山一郎という昭和の歌手がこう言っています。「歌は心で唄うという人がいますが、そういう人は技術がないからそういうことを言うのでしょう」。
恐らく藤山一郎さんも心を込めて唄うということは否定しないと思いますが、それはあくまでも技術あってのことだ、ということを言いたいのでしょう。
私もそう思います。
音楽も技術です。まず技術ありきです。技術を飛ばして気持ちや、精神論で話をするのは間違っています。
そう思います。

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元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

幼稚園の演奏から小学校へ

うちの楽団も新しいシーズンが始まり、第7回定期演奏会へ向けて動き出しました。
06年の立ち上げから丸4年、5年目の活動ということで、楽員も登録ベースで70人を超えて来て、各パートもほぼほぼ毎週すべて揃って練習できるという、非常に恵まれた状態にはなって来ています。
思い起こせば、楽団立ち上げの頃は20人そこそこであちこち欠けているパートがあり、それでも粘り強く毎週練習に来てくれた楽員たちがいたからこそ、今の姿があると思うんです。本当に感謝、感謝です。
目の前の演奏会ということで、チャイコフスキーの5番をやっていますが、この曲は確かに超有名で耳馴染みがいいせいかも知れませんが、今までのベートーヴェンの7番、3番、シューベルトの4番から比べると格段に曲の仕上がりがいいです。
練習でも、今まで私が言っていたような「合奏以前」の指摘というよりは、少しは「音楽の時間」らしくなって来たように思います。
以前は曲を覚えることが先決で、殆どの練習時間を通すことに費やして来ましたが、どうやら、その時期は卒業の時期に来たのではないかと考えています。
いままでが幼稚園レベルの(イヤそれ以下だったのかもしれませんが(苦笑))演奏だったとして、この楽団も漸く小学校に上がり、これから少しずつ「合奏」の練習が出来るようになっていくのでは、と期待しています。
音楽にはこれでいいという終わりはありません。
永遠に練習し続けなくては行けないし、本人の意思さえあれば、いつまででも進化していけるものだと思います。
段々レベルが上がって来て、壁にぶつかる人も出て来るかもしれませんが、それはうちの楽団らしく、みんなで助け合って乗り越えていきましょう。
一つだけ、楽譜には素直に対峙しましょう。先入観や思い込みや、誰かの演奏の真似というのは、上達の妨げになりますよ。

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楽譜に書いてあること

なかなか練習が捗らない楽器初心者。またはウィークデーにはなかなか楽器をさわることが出来ない皆さん。
毎週毎週口うるさい指揮者に色々言われるのはうんざりでしょう(笑)。少しでもいい演奏をするために、皆さんに欠けているのは基礎練習だ、ということは何度もここで書いて来ました。
ここ数週間、私が練習の合間に皆さんに「meno mosso」の意味は何でしょう?と聞いているのに辟易としている人もいるでしょう(笑)。
でも、答えられる人は少ないみたいですね?みんな私が質問をすると、目を伏せたり楽譜を見ていたりするばかり。
楽譜に書いてある音符だけを演奏しているから、指揮者から指摘を受けるわけです。
Andante con animaと書いてあって、その文字を読まずに無視をした演奏をすれば、必ず合奏は止まります(指揮者が止めます)。
アンダンテ コン アニマの解釈は人それぞれでしょう、だから指揮者が必要なのですが、アンダンテのテンポは指揮者が出すとして、コン アニマは演奏者の側で表現しないとならないわけです(勿論指揮棒でその指示はしますが)。
チャイコフスキーの楽譜はいっぱい「文字」が書いてあります。
今週は楽器がさわれないから、というのならせめて楽譜を開いて、文字に意味を書き添えてみてはいかがでしょう?
そこからイメージが広がり、より「表現的」な演奏が出来るようになりますし、いつまでも文字を無視していてはつまらないと思いませんか?

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初合わせ

先週、不覚にも体調不良で練習を休んでしまい、2週間振りの練習。
やっぱり合奏は楽しい。指揮をしながら、楽員の様子を見て、いつものようであったり、いつもと違ったり。どうしても楽員の集中力が続かないし、なにしろ本番まで時間がある(と思っているような)ので、演奏にムラがあるんですね(笑)。
でも、そんなところもやっぱりうちのオケっぽくて、言えば直るけど、言わないと出来ない(笑)。
普段だったら、イライラして語気も鋭くなるんですが、久しぶりだとこう言う事も愛すべきオケだなんて思ったりもします(笑)。
因に、言われると出来るんだから、演奏するときはもっと「曲に対してイメージを持つべき」です。この曲はどういう風に演奏したい。どういうフレーズで行きたい。どういう音色で奏でたい。どういうニュアンスで演奏したい。
そういうものを明確に持っている奏者が「上手な奏者」です。
そういうものを持たずに、ただ音を出しているのは、楽器の演奏ではなく、ただ音が出ているだけです。私は皆さんに演奏してください。とお願いしているので、この違いについては常に意識してくださいね。
さて、今日はチャイコフスキーをみっちりやりました。一つの楽章をみっちりというのは通常この時期にはやらないんですが、どうも前述の曲のイメージの事もあり、早い段階で、細かく詰めて練習した方がいいんですかね?とも思ったり。
どちらにしても、言えばすごくよく反応してくれるオケなので、もっと自信を持ってもっとアグレッシブに演奏してみませんか?
後半はモーツアルトのピアノコンチェルト20番。なんと今日は本番ピアニストの三代川さんが来てくれました。
彼女が音楽室に入ってくるだけで、音がグッと変わるんだから面白いですよね(楽員の皆さん、嘘だと思うなら、今日の練習録音聞いてみてください)。
とりあえず全楽章さらりと流してみました。私としても全体は理解されているかな?と思いますが、細かいところがいい加減だったり、大きなところでは「モーツアルトらしさ」がまだ分かっていないな、という気がしました。
このモーツアルトらしさ、恐らく400年に渡って言われ続けているのかもしれませんが、ベートーヴェンやブラームスとはやっぱり、なんと言っても全然違うんですよね。
いままでうちの楽団にとって鬼門であったモーツアルトですが、今回でなんとか克服したいな、と思っています。
三代川さんからは音程の点指摘がありましたね。
ピアノやキーボードを使って、和音の感じを掴みながら練習していく事にしましょうね。

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基礎練習

先週から、9月20日の次の演奏会の練習に戻っていますが、12月1ヶ月間やらなかっただけで、すっかりもとのレベルに戻ってしまっています。
今日は合奏前に少し長めにお話をしましたが、皆さんは自分用の練習メニュー持っていますか?
アマチュアオーケストラに入っている人は、演奏会の曲をやる事だけに一生懸命になっているから、楽器を出すとすぐに曲の練習を始める人(特に弦楽器の初心者)が多いんですが、私は曲の練習なんて殆どしなくていいんだと思っています。
まず、楽器を出す前に必ず柔軟体操をしてください。楽器の演奏は身体を動かす事ですから、まずは自分の身体がきちんとほぐれていないと、最大限の効果は得られません。
楽器を出したら、丁寧に楽器の状態をチェックして、それから自分の持っている基礎練習のメニューをやるべきです。
私はトロンボーン奏者ですから、ロングトーン、タンギング、リップスラーの基礎練習は欠かしませんし、そのための教本としてレミントンは片時も離した事がありません。
時間がある時は基礎練習だけで1時間半とか2時間とかけてやります。
では、時間がない時はどうでしょう?
ちゃんと30分用、10分用、5分用と、自分のメニューの短縮版を作っておき、どんな時でもいきなり曲をやる、という事はありません。
そして、私はどんな練習よりも楽器をもったら一番重要だと思うのは「音階」スケールの練習です。
長調と短調合わせて24個のスケールをとにかくみっちりやるんです。これが大人になってから楽器を始めた人がオーケストラで演奏していくための、一番重要な練習です。
スケールを暗記して、いつでも出来るくらいにやっておけば、大抵の楽譜を今よりもずっと楽に演奏できるようになります。
嘘ではありません。
曲の練習は、結局その曲をやらなくなったら応用が利きません(全部とは言いませんが)が、基礎練習は自分の中に蓄えられ、色々な場面で役に立ちますし、自分でも思っていない力を絶対に発揮してくれます。
基礎練習を疎かにしていては上達は遠い道です。

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starting over

さて、今日から9月20日の演奏会に向けて仕切り直しです。
ここで、ネタばらしちゃうのもどうかと思うんですが、私は演奏会が終わった後の最初の練習では、必ず演奏会の曲をやるんです。
一般に市民オーケストラは演奏会を目指して練習をするもんで、その意味では演奏会がすべてで、演奏会の曲のために楽器の練習している部分があるわけです。
当然、演奏会が終わったらその曲は抽き出しに仕舞って、次の曲に取りかかるわけです。
これが私のいう「演奏曲の使い捨て」です。
私はこういうのすごく嫌なんです。演奏会でやった曲はレパートリーですから、いつご要望があっても演奏できるようにしておく。
だから、譜面なんか見ない状態でも出来て当たり前。そのために1年間もかけて練習して来たんです。
それに、譜面に縛られた演奏を、もし演奏会当日もしていたとしたら、それは非常にこぢんまりとした小さな演奏ですし、そもそも演奏者として窮屈だと思いませんか?
特に新規に入った人はそんな事は知らないので、楽譜は持って来ていないんですが、古くからいる人も、私の気持ちを知っているから楽譜なしでの演奏に付き合ってくれます。
ピチカートポルカはなんとか最後まで行きましたが、皇帝円舞曲は駄目でしたね。でも、案外思ったより身体が覚えていたと思いませんか?

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最後の練習

明日が演奏会です。
ということで、その前日の夜にもこっそり練習をしている文京フィルハーモニック管弦楽団です。
平日の夜に練習するのも初めてなのですが、土曜日の練習よりも集まりいいかも(笑)。
やはり3日の日も感じたのですが、いつもと違う場所での練習は雰囲気が変わって、集中力も増すようです。
たまにはこういう刺激を受けて、そして、いつもの音楽室ではリラックスして練習をする、というのがいいのかもしれませんね。
今日の練習で感じたのですが、明日の演奏会は楽しい演奏会になりますよ。みんなが楽しめば、来てくれるお客さんにも絶対に伝わります。
楽しみですね。

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初練習

お正月三が日に練習したのが初めてなら、日曜日の午前中の練習も初めてですし、クラシックスペースという民間の施設を借りて練習したのも初めてという、初物づくしの2010年の幕開けになりました。
私は以前1度使わせてもらった事があるんですが、東京交響楽団が普段練習している施設で、流石にいい練習場所ですよねぇ。
宝くじ当たったら、私が作りたい練習場所の見本です。あ、そうかここ買っちゃえばいいんだ(笑)。でもなぁ、できれば文京区に作りたいんですよねぇ、練習場所は。
さて、三が日ですから、それほど人は集まらないだろうと思っていたんですが、41人も来てくれて、しかもなかなかいい合奏になりました。
時間がなかったので、全体を通すだけになりましたが、それでも違う雰囲気で練習するのが刺激になったのか、いつもよりもいい音だったお思います。
今日の練習で行った事、周りを良く聴く事、そして音を観客席に届けるイメージを持つ事を忘れないでくださいね。

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年内最後の練習

今日は、年内最後の練習で、実質演奏会前の最後のレギュラー練習日でした。
コンサートマスターの席が練習では空いている事はたまにありましたが、今日は「本当にいないんだ」と空虚感に襲われました。その割にはいい演奏で、これはきっと楽員が彼の空席を埋めるためにお互いを聴き合った結果でしょう。
オーケストラは闘いではありません。誰かを音でねじ伏せるような事は必要ないんです。お互いの音を聞き合い、相手の不得意を補い、自分の不得意を補ってもらうのが本質です。競技会でも発表会でもないんですね(ここが分からないで、自分の音ばっかり主張している人が多いんですがね(苦笑))。
今年も53回の練習を重ねて来ました。いろんな事があった1年でしたが、とにかく、継続は力なりです。これからも続けて行きましょう。

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損益分岐点

「天才ってのは、自分を信じる自分の力を信じるってことなんだ」
「今から一年も経てば、私の現在の悩みなど、およそくだらないものに見えるだろう」
「人間の最も偉大な力とは、その一番の弱点を克服したところから生まれてくるものである」
「物理的であれなんであれ、いつも自分のやる事に制限をしてしまうと、それはあなたの仕事や人生にも広がってしまう。限界などない。停滞期があるだけだ。そこに留まってはいけない、それを超えて行くのだ」
これくらい書かないと、今日のブログはネガティブな事のオンパレードになりそうで…。
演奏会3週間前の練習でしたが、殆どの曲がいい仕上がりになっている中、モーツアルトの25番が壊滅的な出来でした(号泣)。
いや、情けない。演奏の出来が悪いのは全部100%指揮者のせいです。これだけははっきりしているんです。私の指揮が悪いのか、私の指導力が足りないのか、その両方なのか、とにかく、この2ヶ月で全然仕上げられなかったのは私の力不足なんです。
あまりのひどい出来に、途中で止めても駄目だろうと思って、最後までやっちゃいました。
だって、もう演奏会3週間前です。出来る事は限られています。
でもね、私には秘策があります。そらぁ、伊達に6年も指揮をしているわけではありません。
まぁ、見てなって。

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