まさかの楽団

昨日の夜の練習の場で数人の楽団員が「実はベートーヴェンの1番も2番も聴いた事がない」と告白してくれました。
若干苦笑いですが、それは悪い事ではありません。何故なら、これから新鮮な気持ちで聞く事が出来るからです。
ベートーヴェンの交響曲で誰でもが知っているといえば、9番がダントツでしょう。これに10年くらい前までは交響曲の代名詞だった5番「運命」そしてそこからちょっと落ちて6番「田園」と3番「英雄」というところが有名どころでしょう。
但し、日本では昨年の「のだめブーム」のおかげで7番が若い世代を中心に相当浸透しているからこの7番までの5曲は一部分でも聞いたことがある人は随分多いと思います。
でも考えてみるとこれでベートーヴェンの9曲の交響曲のうち5曲は聴いているんです。それはそれで教養という意味では問題ないでしょう。
では、残りの、1番、2番、4番、8番はどんな曲なんでしょう?
正直に言います。私は指揮者として曲の好き嫌いはあまりいいたくないのですが、ベートーヴェンの4番と8番は凄く名曲ですよ。私はたまにこの9曲のランキングというものをつけてみるのですが、それがその時々によってランキングが大きく変わるので面白いんです。
例えば5番「運命」なんかは同じ事の繰り返しで、それはそれで一つの事をやり通していて凄いんですけど、息が詰まりそうな気もします。その点、その一つ前の4番は凄く軽快で、気楽にベートーヴェンが楽しめます。
その要素は7番にもありますが、その1つあとの8番はもっと色気というかチャーミングさがあります。
うちの楽団は1回目に7番、2回目に3番とある意味ベートーヴェンの生真面目で深刻なところをなぞっていますが、彼がそれだけの人間ではない、という事は4番と8番を聞けばよくわかります。
そして1番と2番。1番はハイドン作だといわれても私には分かりません(笑)。でも何かを始める時に「模倣」から始めるのはある種王道です。物真似から初めて自分のオリジナルを追求するんです。
その脱皮の要素が2番にはあります。ハイドン的であり、モーツアルト的ではありますが、これは間違いなくベートーヴェンです。聞いていると途中で第9の一部分が聞こえて来るので、これは第九を先に聞いている皆さんにとっては新鮮に感じると思います。
ぜひ、エロイカと向き合う為にもベートーヴェンの他の作品も聞いてみてください。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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