アマオケの楽しさ

私はアマチュアながらオーケストラで指揮をやっているので、「すごいですね」とよく言われます。
…全然すごくないんです(爆)。むしろ指揮者としてはダメな部類に入るわけです。
でも、音楽を全然しない人、嫌むしろちょっとでも音楽を知っている人ならそれを「すごい」と思う気持ちもよく分かります。
私はうちの楽団を「大人の部活」と位置づけています。社会人の本分は月曜日から金曜日のお仕事で、土曜日のこのオーケストラ活動はいわば課外活動です。
でも、私は仕事ではないからこそ真剣にやるべきだと思っています。自分が好きでやっていることですから、自分自身を楽しませるためにも中途半端ではなくて徹底的に突き詰めるべきだし、そうした方がより楽しめるんだと信じています。
因に私はこのオーケストラ活動を「草野球」とも表現します。オーケストラは高尚なもので、真面目でインテリがやるものだ、なんて言うのは幻想です。これは音楽初心者や楽器をやらないクラシックファンの方にこういう幻想を持っている人が多いように感じます。
クラシックはこういうものだ、という思い込みは勿論正しいこともあるのですが、それが全てではないし、その考え方以外を否定するのは間違っています。これは日本の音楽教育が絶対的に間違っているのだと私は思うのですが、気楽で楽しいクラシック音楽は本来の姿だし、そういうものをむしろ広めていくべきだと思います。
正しい音程がとれないからヴァイオリンを練習しない、正しい音程がとれるようになるまでベートーヴェンは演奏してはいけない、なんていうのは本末転倒だと思いませんか?
「草野球」と上述しましたが、草野球とは違う点が1つだけあります。例えば草野球のピッチャーが100人いたとして100人が全員140km/hのストレートを投げられるというのは余程レベルの高い大会でもないとないでしょう。
もっと分かりやすくいえば、草野球のピッチャーは球もプロに比べて遅いし、カーブやフォークの切れは悪いでしょう。
しかしオーケストラはアマチュアといえども「プロと同じ楽譜」を使います。プロは技術が高いので難しい楽譜、アマチュアは簡単な楽譜、しかもテンポゆっくり、ということはないのです。
これは確かに大変です。
アマチュアオーケストラの楽しさは、決して仲良しクラブのゆるい雰囲気でも、演奏会一発にかける、お祭り騒ぎのような盛り上がりだけではないのです。
実はこの「本物の楽譜」に触れられる。歴史に名を残した名作曲家たちの楽譜に真剣に向き合えることです。
もう一回野球の例に戻せば、もう全盛期の野茂英雄や桑田真澄と対戦することは出来ないわけです。自分がピッチャーだとして草野球のゲームに清原和博が出てくれたとしても、もう彼は最盛期ではないです。
でもクラシック音楽は何年経とうと、名だたる巨匠の名作と完全に向き合えるのです。
私はこれが仕事ではない、アマチュア音楽家、アマチュアオーケストラプレイヤーの楽しさの最大のものだと思っています。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

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