指揮のひともぢです。
演奏会の余韻も薄れてきて、直ぐに次の目標がやってきます。実は10月12日に行われる東京よさこい祭りの大塚駅前で演奏することが決まりました。
普段やらないような曲もやりますので熱烈なBPOファンの方は是非見に来てくださいね。
さて、指揮者というのはお客様にお尻を向ける因果な商売ですが、私から見るオーケストラとお客さんの見るオーケストラは少し違って見えます。
客席から見えるオーケストラは楽譜と指揮者に集中して、一糸乱れぬアンサンブルを見せてくれます。いや、そうでなきゃダメなんですがw。
指揮者は楽譜を見ています。オットー・クレンペラーという名指揮者が何故楽譜を見ながら指揮をするのですか?と聞かれて「楽譜が読めるからだよ」と言ったのは有名な話ですが、指揮者は楽譜を見ることで、これから起きることを予見することが出来ます。
練習の時に、毎回弾けなかった部分が来ると、指揮者はやにわにそちらを見て、しっかりテンポを示して、「頑張れ」と無言の応援をします。
逆に目が合うと張り切って大きな音を出す奏者の場合は、わざと目を反らします。
普段の練習場所とホールでは音の響きが違うので、その場でバランスをとることもします。小さな音の奏者に、もっと出して、と手で煽ったり、大きいよと抑えたりします。
楽員はそれぞれ人間ですからいつも一緒ではありません。緊張して意識を失っている人、パニクッて何処やってるかわからなくなる人、難所をクリアするために「こっち見るなー」というオーラを出す人。様々な思いがステージ上で繰り広げられます。
指揮者はそれらを全て受け止めて、そして何事もなかったかのように、後ろの客席に音を流すのです。
以前ダースベイダーのマスクをつけたまま指揮したことがありますが、楽員から『すごく演奏しにくい」という猛抗議を受けました。ことほど左様に、ステージ上ではお互いの表情を見ているのです。
奏者のその日の体調がわかるのは勿論ですが、昨日彼氏と喧嘩したな、なんてことまで、指揮者には丸っとお見通しなのです(仲間由紀恵さん結婚おめでとう)。
画像は横から見たオーケストラです。
About NO Masaharu
元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。