ダニエル・ハーディング

日曜日の芸術劇場で、ダニエル・ハーディングとファビオ・ルイージの指揮するモーツアルトの曲を見たのですが、皆さんはご覧になりました?
ルイージの方は今年オペラシティでカヴァレリアルスティカーナと道化師を見たのですが、非常に端正な指揮をする指揮者だなぁと感心しました。聞けば私の大好きなヴォルフガング・サヴァリッシュのお弟子さんだというではないですか。どうりで、という感じです。
サヴァリッシュから脂とかコレステロールとかプリン体とかそういうものを除くとルイージの指揮になるのかな?というのが私の勝手な感想です。
そしてもう一人今や全世界注目の若手指揮者ハーディングですが、なんか音楽オタクみたいな成りでして、音楽オタクみたいなソリストはいっぱいいてそれはそれで得体も知れずにもてはやされたりするものですが、音楽オタクみたいな指揮者は多分プロオケではつまはじきでしょうね(笑)。
ある意味オタクというより、すごみのある変人ならいっぱいいるみたいですしそういう人が巨匠と呼ばれるわけですから、常識人である必要はないのかも知れませんがね(笑)。
確かに上手です。それは間違いないです。でもルイージのモーツアルトが割とスッと飲み込めたのに対してハーディングのはモーツアルトのピンクさがちょっと淡いブルーになっていてそれが却って嫌らしいみたい感じがしました。
自分でも何を言っているのか分かりませんが、指揮者の評価なんてそんなもんです(爆)。
彼のブラームスも渋いブラームスというよりもちょっと小粋なブラームスになっていて、ブラームスのいぢいぢとして湿っぽい感じ(交響曲2番はその度合いが低いですが)がいい具合に転嫁されているように感じました。
でもね、私は指揮者はベートーヴェンを聴くまで評価しないんです。逆にいえばベートーヴェンをちゃんと振れない指揮者は指揮者じゃないんです。例えばシャルル・デュトワはものすごく指揮が上手ですし、好きか嫌いかでいえば好きな指揮者なんですが、彼のベートーヴェンで感動したことがないんで、評価点「ゼロ」です。
サヴァリッシュは一般にはそれほど有名な指揮者ではないかも知れませんが、彼のベートーヴェンは壮絶ですしそれにもましてブラームスは神業でした。
願わくばハーディングもその域に早く達してくれれば、我々も長く楽しめるのにねぇ。

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About NO Masaharu

元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

“ダニエル・ハーディング” への1件の返信

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    私は途中からだったのでハーディングのブラームスは聴きそびれ、モーツァルトの初期交響曲からでした。
    で、最も印象に残ったのは、ルイージが日本人の若手ピアニストとやったK482です。これは私の大好きな曲であり、少し前に深夜BS-2でたいへん感動したので、その再確認という形になりました。
    この曲は両端楽章が変ホ長調、緩徐楽章がハ短調という、そう、今やっているシンフォニア・コンチェルタンテがこれと全く同じ調性なのですね。
    負けず劣らずすばらしい曲です。ぜひとも成功させたいです。

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