オーケストラのジョークにこう言うのがあります「指揮者とコンドームはない方が楽しいが、あると安全。」
今回の演奏会は、この格言をしっかり楽員に分かってもらいたいなぁと思っています。
今回のワルツとポルカの演奏会で指揮者が本当に必要なのは二つの場面だと私は思っています。一つはテンポが変わるところ。もう一つはお客さんが誰に拍手したらいいか分かるため。
殆どの場面では、指揮者は必要ありません(敢えていえば、その分いつも以上にコンサートマスターを見る必要はありますが)。
以前にも似たような事を書きましたが、オーケストラの醍醐味は音楽による会話です。それをアンサンブルといいます。指揮者のいう事だけを聞いていればいいという事は絶対にないし、指揮者だけを見て、棒に付けていればいいという事も絶対にありません。
周りを良く聞いて、いろんな楽器とおしゃべりをする事が必要です。時に話題を提供し、時に相手の話にうなずき、突っ込み、場の空気を読み、時にはふざけて、時には心情を吐露してみる。
これがオーケストラの演奏です。
いつもの事ながら、演奏会1ヶ月前になると私はテンポの事で悩みます。このままムチを入れて走り抜けるのがいいのか、少し抜いて安全運転をするのがいいのか?
いままでの4回の演奏会で、私は毎回どっかこっか安全運転をして、テンポが弛緩して後悔しています。
指揮者は指揮者なりに苦労し、悩んでいます。
About NO Masaharu
元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。