楽団員心得

09年の文京フィルハーモニック管弦楽団員の目標は「1回でも多く練習に出る」ということにさせてください。
うちの楽団はアマチュアオーケストラ界のかなり非常識な存在だと思いますが、出席を強制しないところはその真骨頂だと思います。
勿論私だってポンコツとだとはいえ指揮者の端くれですから、少しでも効果的な練習をして少しでもいい音楽をしたいと思っています。しかし、社会人主体のオーケストラですから、どうしても毎回出て来れない楽団員がいます。
うちの楽団はそれを「まぁいいじゃない」と許しているわけですが、本音を言えば毎回出席を義務化したいくらいなんです(本当です)。でも、それでは楽団員3人くらいになっちゃうんですね(本当です)。
努力目標として、とにかく「1回でも多く練習に来る」、「練習に来ることが楽団への貢献」、「練習に来ないことが一番楽団に迷惑がかかる」ということを肝に銘じて、これからの楽団活動を続けてほしいと思います。
下手くそだっていいんですよ。継続は力なり。練習に来てね。

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元々トロンボーン吹きですが、棒振りです。好きな作曲家はベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、ブルックナーです。 ビールと餃子とカレーが大好きです。

当たり前の幸せ

今日は何とヴィオラの見学者がお二人も来てくれて、ヴィオラパート4人2プルトという盛況でした。私はヴィオラだから大切、ヴァイオリンだからどうでもいいなんてことは絶対に考えていなくて、楽団員は全てどのパートの人でも、私の友人であり家族だとさえ思っています。
しかし、そうはいっても実際にヴィオラとコントラバスは絶対的に人数が少ないこともあり、来てくれれば喉から手が出るほどの気分であるのも事実ではあります(正直者)。
とはいえね、私は基本的にこの楽団ゼロから始めたんで、人がいることが当たり前だとは思っていないんですね。どちらかと言えば人がいることが奇跡、練習に30人以上の人が来てくれることが本当にありがたいと思っています。
私は当たり前であることが本当に幸せだと思っています。当たり前であることを当たり前だと思った瞬間にこの楽団は存在意義がなくなっちゃうんだと思っています(私が、ですよ)。
それに私は自信があるんです。うちの楽団はそのうち全てのパートがきちんと埋まります。演奏会もエキストラさんを呼ばなくても出来るようになります(特殊楽器を除いてね)。根拠はないけど私はそう信じています。
継続は力なり、その為にも毎週着実に練習を続けて行こうと思っています。

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朋有り遠方より来る

社会人主体のオーケストラですから、土曜日に仕事が入ったり、何かの都合で土曜日の練習に来られなくなるような事もあるわけです。
一旦は入団したのに、色々なご事情で退団しなくてはならなかった方も結構いらっしゃいます。
逆にうちの楽団の練習が土曜日に固定されているから見学にも来られないという方もいると思います。
そんな中、昨年末に仕事で生まれ故郷のオーストラリアに帰国した楽団員が遊びに来てくれました。彼は前のオケの時からの友人で日本に来てからヴァイオリンを始めたんだと思いますが、私がオケをつくった時に友人のチェロ奏者と一緒に移籍してきました。
彼はバッハなんかが好きなんですが、交響曲はベートーヴェンの7番と3番が好きだと以前から語っていたんです。今年7番で来年3番をやると言った時の彼の悔しがりようは今でも鮮明に覚えています。
その彼が日本に遊びに来ていて、選手は「ふく膳」に飲みに来てくれたんですが、今週は練習にも来てくれました。
彼のためにサービスして今日は3番を全曲通してみました。
サービスのためにやったんですが、楽団としては意外にいい演奏でした(笑)。ただ、3楽章以降のスピードとスタミナには大いに疑問が残ります。あと半年で仕上がるんだろうか(汗)。
とはいえ、彼にも楽しんでもらえたようですし、年に1回くらいはこんな練習があってもいいでしょう。
何度も書きますが、オーケストラというのは人の縁です。今後もこうしてよい縁が続いて行くオーケストラであればいいなと思います。

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良縁

今日はちょっと用事を足しに千駄木まで。時間があったので帰りに根津神社にお参り。
言わずもがなの文京フィル指定公式神社です(笑)。
わざわざ出かける事はしないのですが、根津界隈に行く事があったら、必ずお参りして、楽団が順調に発展しますように、いい人が入団してくれますように、楽団員が健康で仲良くいますように、とお願いしてきます。
私は指揮者で、音楽に関しては全責任を負う立場ですが、皆さんよくご存知の通り、音楽というのは人智を超えたところの領域が存在するんです。
巷では万能細胞の開発とかね、ハイビジョンで月の映像が見られるとかね、科学の発展は本当に目覚ましいものがあるのですが、いくら科学が発展しても音楽のすべてがそれで解明されるわけではないんですね。
神がいるのかは分かりませんが、楽団が良縁で成り立っている事は事実です。演奏会まであと半年と少し。うちの楽団に縁を感じてくれる人、もっと増えないかなとお願いしてきました。

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ちょっと驚き

今日ヴィオラの見学希望者からメールが来て、楽団員名簿を整理しました。
指揮者1名。これはある意味織り込み済みで、そのうち楽団ない指揮者を養成して行くつもり。
パーカッション2名。定員通り。まぁ、来年以降ロマン派をやるとなると3名から4名は必要になるでしょう。現状でも練習参加率を考えると、もう一人欲しいところですがね。
トランペット4名。正団員2名。しかし楽団一出席率の芳しくないパートで、つい最近定員を3名から4名にしたばかり。
フレンチホルン5名。正団員4名。ロマン派以降はホルンパートは4パートになるのが多いので、来年以降ここは定員を6名にする予定。練習出席は割りかし安定しているが上吹きが一人もいないのが目下の悩み。
ファゴット2名。正団員1名。漸く2パート埋まる状況になりました。安定した練習の為にも早く3名の定員は満たしたいところ。
クラリネット3名。正団員3名。練習参加は平均1.5人と言ったところ。Esクラリネットかバスクラリネットが吹ける奏者が欲しいところ。
オーボエ3名。正団員3名。管楽器一練習参加率はよいが押し出しの弱い3人が集まっているのが悩みどころ。音程が3人バラバラで毎回号泣。
フルート3名。正団員3名。パートとしての練習が一番出来ていないパートで、3人吹き方がまちまち。パート練がもっと必要なパート。
コントラバス2名。正団員1名。目標の10人はほど遠く、また正団員が一番最後まで入らなかったパートですが、来年の5月までには奇跡が起きているはず。
チェロ6名。正団員6名。弦楽器で最も仲がよく、出て来ない週は全滅することもしばしば。6人入って以来見学者がぴたりと途絶えているのも気になるところ。
ヴィオラ7人。正団員3人。実質3人しかいません(号泣)。全員出て来てくれたら凄いことになるのですが、このパートも来年5月までにはチェロパートを超える人数になると信じています。
セカンドヴァイオリン14人。正団員10人。充実度著しいパートだが、迷える子羊さんも多いので、今後セカンドヴァイオリンのパート練習を充実させる予定。
ファーストヴァイオリン13人。正団員12人。ちっともファーストヴァイオリンらしくない控えめでおとなしいパート。
現在登録団員なんと65人。正団員51人。最近では毎週の練習参加者が安定して30人を超えてきました。とはいえ、私の目標は毎週全員が出て来ることです。
音楽室狭いよ~♪という嬉しい悲鳴が出るのはいつの日のことでしょうか(笑)。

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価値観の多様性

今日は楽団員に拉致されて神保町で飲んできました。
人数が少なかった声もあり、私に対する意見がいくつか出ました。それぞれがそれぞれの立場で色々な意見を持っているのは当たり前のことですし、それを私にぶつけてくれるというのは非常に貴重なことだと思っています。
言うまでもなく、楽団員が多くなればなるほど、意見の数は増えて行き、それを一つにまとめるのには困難が伴います。それが故に合奏では指揮者が必要なんですね。
しかし、今日のように楽団運営に関しては私は指揮者でいるときほどのイニシアティブを発揮してはいません。それは何かと言うと、楽団員に負担をかけたくない、ということと私が出来ないことはやらないという二つの考えに基づいているからです。
実際それでは立ち行かないのは分かっているし、100年続くオーケストラとしては私が死んでもしっかり運営できないといけないわけです。
一つ結論めいたことを言うと、私は皆さんが思うようなことはみんな分かっています。そうでなくてはオーケストラの代表は出来ないですよ。それを分かった上で、どういうやり方をどのタイミングでやるか、ということになると思うんですね。
それについてひとつずつ説明をしないので、不安に思うことがあるかもしれませんが、私は常に皆さんの思いを受けて、最善を尽くそうと努力しています。私自身の為にやっていることは一つもありません。
意見は違うのが当たり前、思いがいくつあっても出来ることは一つだけ。
うちのオケはまだまだ出来たばかりですから、未完成な部分、現在進行形な部分がいっぱいあります。私は多様性を否定しません。自分の思う最善が唯一の道だとは思わないでください。皆さんも多様性を享受した上で、厳しい目で私を見ていてください。

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うちのオケ必要とする人

コントラバス奏者、なかなか見学に来てくれないっすねぇ。私は超楽観主義者なので、来年の第2回定期の「エロイカ」はコントラバス最低6人は見込んでいます。
根拠?そんなものないですよ。来てくれればいいなぁという希望的観測を含めて、まぁ2回目の定期には間に合わなくても、そのうち8人のコントラバス奏者がうちのオーケストラに入団してくれると信じています。
これは、ヴィオラやチェロもそうですし、今はまだ募集していませんが、トロンボーンとテューバもそうですし、どうしても必要なコントラファゴットについてもきっといつか出会いがあってうちのオケにメンバーとして入ってくれると信じています。
勿論、うちのオケは技術的には人に誇れるものはありません。でもそんな事を卑下するよりも、他のオケにないいいところがいっぱいあります。楽団員の仲の良さもそうですし、みんながそれぞれ社会人として尊敬できる人たちであるという点もそうです。
逆に言えば、大学生や高校生でもメンバーになって違和感のないオケであると言えます。実際に大学生は数人いますし、アメリカ人やフランス人のメンバーもいます。下は21歳から上は70歳を超えるところまで、女性が若干多いですが、ほぼ男女半々で、職業も様々います。
東京の人が多いですが、千葉、埼玉、神奈川とまんべんなくいますし、出身地は私の生まれた北海道から沖縄まで(アメリカとフランスも含めなくてはいけませんね)本当に色んな人がいます。
うちのオケのいいところは「音楽の多様性を認め合う」事です。これは下手くそに目をつぶってオーケストラごっこをする、という意味ではありません。下手くそはそれなりに指揮者から指摘を受けしごかれます。ちょっとは恥ずかしい思いもしますし、指摘を受ければ、どんな人でも「カチン」と来たり「ムカッ」としたりするものです。
でも、それはオーケストラが上手になる為、その人が上手になる為です。単一の価値観を押し付けて何かの型にはめようとはしません。ドの音しか弾けない人が来たら、その人にはドだけはきちんと弾いてもらうように求めます。弾けるドをしくじったら容赦なく突っ込まれます。
でも、出来ない事は「出来るようになろう」でいいじゃないかというのがうちのポリシーです。
上手にはなってもらいます。下手くそでいいです、という人はうちのオケでも必要としていません。下手くそだけど一生懸命頑張る、そういう人をうちのオケは求めています。

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3番目のパート

うちの楽団が管楽器に必要人数の1.5倍の定員を設けているのは、演奏会だけでなく、毎回の練習にきちんとパートが揃うようにという事からなんですが、実はもう一つ理由があって、将来的にロマン派にまでレパートリーを増やした時に必要になる「3番目の楽器」の手当という意味もあったんです。
フルートで言えば、ピッコロフルート、オーボエで言えば、コールアングレとオーボエダモーレ、クラリネットで言えば、バスクラリネットとEsクラリネット、ファゴットで言えばコントラファゴット。
ホルンのワグナーチューバやトランペットのコルネットやフリューゲルホーンは持ち替えで対応するとしても、木管楽器の3番目の楽器はなかなか簡単に持ち替えというわけにはいかないでしょう。
とはいえ、特にピッコロとコントラファゴットはかなりの頻度で交響曲に載ってきます。この最高音と最低音を担当する2つの楽器の重要度はもの凄いものがあります。
実際にはうちの場合、姉妹楽団の文吹がありますから、コントラファゴット以外はなんとかなると思いますが、オーケストラとしてはきちんと担当できる楽団員が欲しいところ。
最初にも書きましたが、うちの楽団は演奏会に出る事と同様に毎週の練習を大切にします。あまり練習に出て来られない楽団員がいるパートは、定員を増やします。演奏会にのれる部分は少なくなりますが、演奏会にのりたければ、練習に出てくる。
うちのオーケストラは楽器の上手な人よりも、練習に出て来る人の方が優遇されるんです。これは不変のルールです。

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セカンドパート

オーケストラで音楽を作って行く時に、当然ながら低音からのピラミッド構造で音楽を作って行く事は指揮をした事がない人でもお分かりだと思います。
弦楽器はまず、コントラバスとチェロの低音パートでしっかり土台を作り、次にヴィオラとセカンドヴァイオリンの内声部の充実をはかります。メロディーのファーストヴァイオリンはどっちかというと「メロディ-ラインが弾けていれば」放っておき(笑)。
大体、ファーストヴァイオリンとか管楽器のファ-ストを吹きたがるような人は、前に出たがる性格で、あんまり人の話しを聞きません(苦笑)。自分だけはいつも正しいと考えてたりして、逆に言えばそういう性格でないとファーストというポジションは務まらないのかもしれません。
しかし、私はやっぱり内声部、管楽器でいえばセカンド奏者を重要視します。何故かと言うと、前に立てばすぐに分かりますが、実は音楽というのはファーストパートだけでもやっていけるんです。でも、聞いていて涙が出るくらい「薄っぺらい音楽」になってしまいます。
オーケストラの格言で、「コントラバスのいないオーケストラなら、コントラバスだけのオーケストラの方がましだ」というのがありますが、全くその通りです。
管楽器でいえば「優秀なセカンド吹き」というのはなかなかいなくって、貴重な存在です。
うちのオーケストラも漸くヴァイオリンの人数が揃ってきました。セカンドヴァイオリンは「ファーストを弾けないからやるパート」ではないのです。時にはファーストのオクターブしたを、時にはヴィオラと一緒に内声をと、アンサンブル力を超要求される、アンサンブルの醍醐味を最も堪能できる重要なパートなんです。
漸くメンバーが安定してきましたので、ドンドン内声部の充実をはかります。楽しくなってきますよ(笑)。

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人は石垣、人は城

このブログはこの楽団が立ち上がった時から続けているんですが、たびたび私が書いているのが武田節の「人は石垣、人は城」です。
今日の大河ドラマで、武田信玄が最初の大敗を喫し、重臣2名を亡くしたあとに、「生涯城は作らん」と宣言するシーンが印象的でした。
私は自分でオーケストラを作って、指揮をしてといったある種王様状態にあるのですが、常に自分を戒めている(つもり)です。音楽的にも楽団の運営的にも絶対に慢心して、独りよがりにならないように気をつけています。
とはいえ、これは歴史の必然で、独裁者というのは必ず慢心するものなんです。私のような小市民が同じ轍を踏まない為にも私は常に皆さんの意見に耳を傾けるようにしています。今後も楽団を良くする為であれば、敢えて言いにくい事もドンドン言って欲しいと思っています。
私は疑り深い性格なので、褒められるとその人を疑ってしまいます。どちらかと言うと叩かれて伸びる方で、耳の痛い事を言ってくれる人の方が好きなんです(そういう人嫌ですけど、信用できるでしょ)。
さて、そんな私が一番頼りにしているのが楽団員です。そしてその楽団員の人間性です。下手くそでも毎週一生懸命練習してくれる人です。
はっきり言えば、楽器が上手な人が「ひともぢさんそれは違うよ」と言っても、素直には聞けなかったりします(私も人間なんで)。
でも、真面目に一生懸命練習している人が「こう思うんです」と言えばそれは真摯に聞きたいなぁと思ったりもします(私も人間なんで)。
もう、耳にタコでしょうが、私は皆さんに技術は求めません。音楽性は求めますが、一番要求するのは「人間性」です。挨拶をするとか、ルールを守るとか、マナーを大切にするとか、紳士淑女の楽団であれ、とは思っています。
私自身も常に自分を戒めねば、と思っています。私に足りないところがあればぜひ諌言してくださいね。

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